17.商店街
ベリーと図書館で本を読んだあと、レイラ達と合流するべくベリーと商店街を歩いていた。
『すごい活気だな〜』
「ここは…街で…一番…大きい…から…」
『ベリー。忘れてないか?俺へなら念話できるの』
「!!そうだった…」
『それで、この街で一番大きいんだっけ?』
改めて聞き直してみた。
『そう。ここは街で一番大きい商店街の「エール商店街」だよ』
『エール商店街?神様の名前を借りているのか?』
『あれ?知ってたの?珍しいな』
『いや、あの、さっき本に書いてあったから』
危ない危ない、というか普通知らないのか?
『ここは神様エール様の名前を借りて、商売繁盛を祈っているの』
『へぇ〜。というか借りてていいのか?』
『詳しくは知らないけど大分昔に神官が聞いたらしくて、その時に許可が下りたらしいの』
『そんなことがあったんだな』
『大分昔のことだけどね。「キュルル〜」っ!!』
その時ベリーのお腹が鳴った。
『少しだけ食べて行こっか』
……(コクン)かぁぁぁぁ
恥ずかしそうにベリーは頷いた。
『どれがいい?まだ俺は味をあまり感じないんだ』
『そうなの?……じゃあ、あれとかオススメだよ』
そう言ってベリーが指したのは露店で焼かれていたイカ焼きのようなものだった。
『イカ焼き…?周りに海もないのになぜ?』
『イカ…ヤキ?それはわからないけどあれはイリ焼きっていうの』
『イリ焼き?』
『そう、イリ焼き。えっとねあの焼いてるのはイリって言って、焼いて食べると柔らかくて美味しいんだ〜』
やはりイカ焼きのような気がするが、まぁいいだろう
『これでいいのか?』
「う…ん…」
『そういえばお金はこれでいいか?』
俺は道中倒したモンスターから出てきた石を取り出した。
『これは…魔石!?しかもこんなに大きい!?』
『え?え?なんなの魔石って…』
もしかしたら、よくゲームとかで出てくるあれか?魔物から取れてお金に換金できるやつ。
『この大きさのものだったら家が建てれるよ!』
『まだあと百個ほどあるけど…』
『百個!?』
コウモリでもこのくらいを普通に落としていくからすごく溜まっていったのだ。
『これを出したら店側も困惑しちゃうから、私が出しとくよ』
『そっか…』
『大丈夫。さっきクエスト報酬も入ったしこのくらい安いものだから』
『わかった…』
「すいま…せん…イリ焼き…二つ…ください…」
「あいよ!イリ焼き二つね!今焼いてるからちょっと待ってくれよな!」
五分ぐらいたっただろうか、おっちゃんから、
「イリ焼き二つできたよ!取りに来な!」
と声が飛んで来たのでいってみると…
「これがうちのイリ焼きだよ!味は保証するよ!」
「えと…代金を…」
「嬢ちゃんキレイだね〜よし決めた!二百エールだよ!」
「あれ…?二百五十エールじゃ…?」
「いいんだよ!こんなにキレイな嬢ちゃんが買いに来てくれたんだからね!オマケさ!」
「キレイ…ありが…とう…ござい…ます…」
こうしてイリ焼きを手に入れた俺達だった。
「いただき…ます…」
『いただきま〜す』
パクリ
チャポン←体に入った音
口がないので体に入れるしかなかった。
『うまっ!なにこれうまっ!』
「おい…しい…」
「そうかそうか!嬢ちゃんとそっちのスライムにも喜んでもらえたようでよかった!」
「ありが…とう…」
「それはこっちのセリフだぜ嬢ちゃん」
「でも…美味しかったから…」
「ありがとよ、嬢ちゃん。また食いたくなったら食べに来な、いつもやってるからよ」
「わかった、またね」
俺達は露店を後にし、商店街を歩いていった。
武器屋に防具屋、道具屋や酒場もあった。なんでも揃っているのではないかと思うほどだった。
『あ、カーナ達だ』
『ん?どこどこ?』
『あそこ』
そう言って指差したのは八百屋と思わしき建物の前にいる人たちだった。
「あ!スラちゃん達だ!お〜い!」
レイラがこちらを見つけて走って来た。
「あ!おいまてっ!すいませんこれで。サノフィ頼む!」
「了解!」
サノフィがレイラに追いつき……担ぎ上げた。
「なにするのサノフィ!スラちゃんを抱きたいのに!」
「別に今じゃなくてもいいだろう…後でだ」
「すまん、サノフィ助かった」
「これくらいのこと、造作もない」
『いつもこんなかんじなの?』
「ん?ああ。いつもレイラは何かを見つけるとすぐにいってしまうから私かサノフィで止めてるんだ」
『レイラ…』
「だってだって!スラちゃんがいるんだもん!」
(俺のせいかよ…)
「まぁいい、宿に帰るぞ」
こんなこともあったが無事に合流し宿に向かうことになった。
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