16.図書館
街への出入りが簡単になった俺。
俺たちは図書館へ向かっていた。
『図書館ってどんな本があるの?』
「魔道書とか〜モンスター図鑑とか〜アイテム図鑑とかだね〜」
「あと…武勇伝…とかもある…」
『わかった。たくさん読んでみる」
そうした話をしていると目的地に着いた。
『ここが…図書館…』
「そうだ。ここが図書館だ。」
扉を開けたら見る限り本、本、本の満載だった。
『すごい…沢山ある…』
「ここには…えっと…何冊あるんだっけ?」
「たしか…十万?」
「違う…十五万三千四百十六冊…」
「そうだったか?それにしてもよく覚えてるな」
ベリーがとてつもない記憶力だとわかった一面だった。
『本、読みたい』
「じゃあ…一緒に…いこ…」
「え〜私も行きたい〜」
「だめだ。お前いつも騒いで怒られてるだろ。私たちと一緒に今日の晩御飯の買い出しに行くんだよ」
「わ〜スラちゃんた〜す〜け〜て〜」
『みんなに迷惑がかかるからカーナたちといって?』
「スラちゃんにも裏切られた〜薄情者〜」
「ほら、いくぞ」
「うわーんスラちゃーん」
連れていかれたレイラのことは置いといて、ベリーと本を読むことにした。
『これは?』
「これは…光の魔道書…下級の光魔法について書いてある…」
『わかった。読む!』
「一緒に…読も…」
『うん!』
「かわいい…」ボソッ
『何か言った?』
「なにも…」
本当はバッチリ聞こえていたがあえて聞こえなかったふりをした。
「光魔法は使う人の心の中の光の強さによって扱いが変わるの」
『へぇー。強いとどうなるの?』
「強いと、魔法が簡単に使えるようになるの」
『そうなんだ〜。ん?』
いつもと何か違うような……わかった。
『いつもよりスラスラ話せてない?』
「うん…いつもは緊張して話せないけど、魔法のことで、こういう静かであまり人がいないところでなら話せるの」
『カーナたちの前では緊張しちゃうの?』
「ううん、みんなの前でも話せるんだけど、他の人がいたりすると緊張しちゃうの…」
『でも、そんなのじゃ大事なところで意見が言えないよ?』
「そうなんだけど…」
暗い雰囲気になってしまった。変えなければ…
『一緒に頑張っていこう?ね?そうすれば大丈夫でしょ?』
「…うん!スラちゃんが一緒にいてくれるなら頑張れる!」
『一緒に頑張ろう!ベリー!』
「うん!」
『ところで、これどうやって読むの?』
「え…読めなかったの…」
『全然読めない…』
「じゃあそこから勉強しよっか」
『はい…お願いします…』
「発音が同じだからすぐにわかるよ。多分…」
まさかのこちらの文字が読めないことがわかった。
そしてベリーはわかりやすく丁寧に教えてくれた。
「これが「を」で、これが「ん」だよ」
『なるほどなるほど…』
「あとは濁点とかだけど大丈夫?」
『だいたいわかってきた』
なぜかこの体になってから物覚えがとてつもなくよくなってる気がする…
『それは私がいるからです』
『っ!?びっくりした…』
「なに?どうかしたの?」
『大丈夫。独り言だから』
「そう?わかった」
(いきなり話すなよびっくりしたな〜)
『最近話してなかったから忘れてたでしょ。私がいること』
(すっかり忘れてた…)
『それで、記憶力についてですが、私の博学者に色々と情報を書き込むことができるようです』
(だから物覚えが良いのか)
『まぁでも忘れることは忘れますけどね』
(だめじゃねぇか)
『こっちだって忙しいんですよ。書き込む時間なんて少ないんですよ』
(え?お前が書き込んでるの?)
てっきり勝手に入っているのかと思っていた。
(まぁ頑張ってくれてたのならばありがとう)
『といってもほとんど勝手に書き込まれていくんですけどね』
(おい。俺の感動を返せ)
『でも、書き込まれるだけなので重要そうなことにタグ付けとか関連付けなどは私がやってるんですよ』
(あ、はい、ありがとうございます。生意気なこと言ってすみませんでした)
なぜか納得のいかないがまぁ頑張ってくれてるのならいいだろう。
「スラちゃん?大丈夫?」
『ん?大丈夫大丈夫』
「なんかぼーっとしてたから大丈夫かなって」
『そう?でも心配かけてごめんなさい』
「いいの、大丈夫なら」
『そういえばカーナ達はどうしてるんだろう?』
その頃のカーナ達
「なにかベリーちゃんが決心をした気がする…」
察しがいいレイラだった。
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