15.初めての街&ギルド
8/2 仲間モンスターを従魔に変更
街へたどり着いた俺たちはギルドへ向かっていた。
『ギルドってどんなところ?』
「ギルドはね〜沢山の冒険者達がお仕事を受けに来る場所だよ〜」
(俺の知っているギルドで間違いないみたいだな…)
「私たちは薬草採取の依頼を受けていたからな。それの完了報告をしに行ってるわけだ」
『そういえば…薬草どれだけいるの?』
「そうだった。忘れていたよ。確かここに……あったあった」
カーナが取り出したのは依頼書だと思われるものだった。
「えっと、依頼書には…十個だな」
『十個?少なくない?』
「十個もあればポーションが二十個もできるじゃないか」
『え?四十個じゃないの?』
「四十個!?さすがにそんなに増やせないぞ…」
「あのねスラちゃん、二十個でも腕のいい錬金術師が運良くできる程度なんだよ?」
『やってみたとき薬草一個から四つできたから…』
「スラちゃん錬金術もできるの!?」
『え…うん…できる…』
できるのはすごいのことなのだろうか…そう思っていると…
「錬金術ができるのは二十人に一人と言われていて、スキルを持っている人は基本的に王宮に集められるんだ」
サノフィが説明してくれた。
『そんなスキル持ってないけど…』
「あのね、一応スキルは無くても作れないことはないんだけど、作り方や材料などがわかるのが錬金術師のスキルの効果なんだ」
『作り方か…ん?確か、それなら……あった。これか』
博学者の中に『アイテムの製造方法』があった。
『アイテムの作り方だったら見たり、教えてもらったりすれば作れるみたい』
「すごいな」
「じゃああとで図書館にでもいくか?」
『図書館?行ってみたい…」
「私も…久しぶりに…行きたい」
「依頼を完了しに行ったらよってくか」
そうして話していると…
「見えてきたよ〜」
『ここが…』
「「「ようこそ『ギルド』へ!」」」
建物の扉を開けたら聞こえてきた。
接客嬢たちの声なのだろう。建物内にいる冒険者らしき人たちは一瞬こちらに目を向けただけですぐに元に戻った。
「薬草採取の報告にきた」
「あら、早かったですね。中止報告ですか?」
「いや、完了報告だ」
「あらら!本当に早いですね。新しい採取場所でも見つけたんですか?」
「いや、たすけてくれた人?がいたんだ」
「冒険者ですか?」
「いや、そうではないんだが……おーい、レイラー来てくれー」
「はいはーい」
俺で遊んでいたレイラがカーナの元へ走って行った。俺を頭に乗せた状態で…
「スライム!?戦闘準備!」
「待て待て待て!大丈夫だから!」
「スラちゃんは大丈夫だよ!」
「スラちゃん?大丈夫?どゆこと?」
受付嬢は混乱している!レイラは混乱解除魔法を使った!
しかし受付嬢は混乱している!レイラは混乱解除魔法を使った!
受付嬢の混乱が治った!
「レイラさん、ありがとうございます。」
「別にいいよ〜」
「気を取り直して、「そのスライムは?」のところから聞きます。そのスライムは?」
「こいつは大地の裂け目で出会ったスライムさ。戦闘中に出会って助けてくれたんだ」
「戦闘中に?大丈夫だったんですか?」
「正直スラちゃんがきてくれなければ危なかったよ。あそこにナイトスパイダーがいるとはな…」
「ナイトスパイダー!?A級モンスターじゃないですか!よく助かりましたね…」
「スラちゃんが助けてくれたんだ」
そういってカーナは俺を撫でた。くすぐったかった。
「助けた?どうやって?」
「それは言えないが…まぁ助けてくれたんだ」
「冒険者の守秘義務があるので深くまでは聞きませんが…あ、そうだその子従魔登録しますよね?」
「ん?ああそうだったな。お願いしよう」
「では登録しますね〜」
受付嬢がスタンプのようなものを持ってきた。
「ではこれを押してあげてください」
カーナが俺にスタンプを押した。すると押したところが少し光った。
「はい。これで登録完了です。門を通る時に光るので門番に見せればすぐに通れますよ」
「わかった。ありがとう」
そうして俺は街への出入りが簡単になった。
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