13.魔法を教える
渓谷にいた冒険者達と一緒に行くことになった俺。
「ねぇ、ソルはどんなことができるの?」
この子はレイラ、元気いっぱいの女神官だ。
「シャベル コト トカ?」
「さっき…すごいの…撃ってた…」
あまり言葉がない子はベリー、無口だがかわいいものが大好きな女の子だ。
「スゴ イノ?」
「ああすごいとも、防衛職の私でも分かったぞ」
今喋ったのはサノフィ、騎士を憧れている女の子だ。
「ソウ ナンダ…」
「もっと自信を持った方がいいぞ」
今のはカーナ、このパーティーのリーダーで物事を冷静に判断できる。
「アレ ハ ミズニ イキオイ ヲ ツケタ ダケ」
「そんなことできるのか…」
「ムズカ シイノ?」
「どうなんだ?」
「とても…難しい…」
何となくでやっていたことはとてもすごかったようだ。
「オシ エル」
「できる…の!?」
「タブ ン」
「でも…いいの?」
「ミンナガ アンゼン ニ ナル ナラ イイ」
「私からもよろしく頼む。『地獄炎』も強いが、水系のもっと強い火力が欲しかったからな」
「カーナ…」
「ワカッ タ」
こうして俺はベリーに新しく作った魔法の『水砲撃』を教えることになった。
俺はレイラ抱えられながら教えていた。
レイラのふくよかな胸の感触に耐えながら
「ミズヲ タイホウデ ウツヨウナ カンジ」
「大砲…」
シュルルル ポン!
ためることは出来ている。問題は水に勢いをつけることだ。俺もできるまで結構失敗した。
言うのを忘れていたが俺の水魔法はミルズに名前をもらった時になぜかスキルが獲得できていた。
「ココカラ ガ ムズカ シイ」
「はい…」
「ミズヲ ゼンリョクデ トバス」
「こう…かな…?」
シュンッ
ベリーの飛ばした水は出っ張っていた岩に直撃した。
しかし砕けたのは岩の先っぽだけだった。
「イリョク ガ タリテ ナイ」
「そんな…」
「ダケド ハジメテニ シテハ ウマイ」
「ソルさん…」パァァ
ダメだと言うと落ち込むが、褒めてやるととても喜ぶのでわかりやすい。
「モウ イッカイ ヤッテ ミヨウ」
「はい!」
「いいな〜私も何か教えてもらいた〜い」
「ゴメン カイフク マホウ オボエテ ナイ」
「じゃあじゃあ、私が教える!」
「オネガイ」
「やった〜!」
レイラに回復魔法を教えてもらうことになった。
「これで…こうして…」
ベリーが試行錯誤して頑張っている。
「オモイッキリ トバスノガ コツ」
「こんな…感じ…?」
ドシュュン!!
「どう…かな…」
ドガァァン!!
道の先にある岩が粉々になった。
「オオ デキタ ジャ ナイカ」
「できた…できたの…?」
「アア カンセイ サ」
「やった。やった!」
「ヨカッタ ナ」
「やったね!ベリーちゃん!」
「よかったな。ベリー」
「おめでとう。ベリー」
やっとのことで『水砲撃』を覚えることができたベリー。動きには現れないが顔はとても喜んでいる。
「コレデ サラニ カツヤク デキルナ」
「はい!」
元気いっぱいの返事が返ってきた。
「じゃあ次私が教える番!」
「オネガイ」
「よーし。がんばるぞ〜!」
「ほどほどにしておけよ」
レイラに回復魔法について教えてもらいながら歩いていると…
「もうすぐで着くな」
「? ドコニ イクノ?」
「特別な薬草の採取にきたの」
「ドンナ ヤツ?」
「赤くて〜黒い斑点があって〜あと魔力が困っているやつなの」
「モシカシテ コレ?」
俺は洞窟を歩きながら暇だから貯蔵者に入れていた草を取り出した。
「え?どこから…」
「そうそう!これこれ!」
「しかも…品質が…いい…」
「ソウ ナノ?」
「とっても…いい…」
まさか暇で入れていた草が目標の薬草だったとは思いもよらなかった。
「これはあとどのくらいあるのだ!」
「エット アト サンビャッコ グライ」
「そんなにも…」
カーナが地面に崩れてしまった…
「ここまできた意味とは…」
「でもでも〜ソルに会えたんだからいいじゃ〜ん」
「そうだぞ。薬草もソルがとってきていたんだし」
「そう…だよ…」
「そうか…」
それから一時間ほどたった。
「落ち着いたか?」
「ダイ ジョウブ?」
「ああ。すまないな」
「じゃあ、帰ろ〜」
「帰るか。ほらベリー起きて」
「むにゃ…スラちゃんが飛んで〜」
「仕方がない、おぶって帰るか」
俺達は渓谷から出ることになった。
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