11.名前
俺は[スキル:貯蔵者]を使った。泉の時と同じように黒い穴が出てきた。
(これ、取り出し用じゃなかったっけ?)
『はい。ですがここから切り替えることが可能です。入れる用の穴にすると念じてください』
(こうかな?)
俺は心の中で入れる用の穴に変更と念じた。
すると…
目の前の穴が黒色から白色に変化した。
(これが入れる用か…小さいな…)
俺が入れるかどうかぐらい(バスケットボールぐらい)しかあいていない。
(入るかな?この大きさで)
『大きくすることもできますよ』
(やってみるか)
俺は心の中で大きくなれと念じた。
するとさっきの大きさから湖ぐらいの大きさまで変化した。
(うおっ!?びっくりした)
『これなら入れそうだの』
(はい。これなら大丈夫なんじゃないですかね)
やっとの事でミルズが入る事の出来る大きさまで広げることが出来た。
『ああ、そうそうお主の名を聞いておらんかったな』
(俺ですか?俺は…)
俺は名前はどうするのか迷った。その時…
『そういえばお主は転生者だったな。前の名はあまり喋らん方がよいの…』
(そうですか?)
『そうじゃ!妾がお主に名を授けよう!』
(あなたが俺に…?)
『なんだ?いやなのか?』
(いえいえそんなことは…)
いきなり名を授けるとか言ってきた。頭の中はこんがらがっていた。
(名を授けるって大切なんですか?)
『本来名付けはとても危険なことなのだ』
(危険ならやらなくても…)
『大丈夫だ、安心せい。妾ぐらいになると名付けで使う魔力など全体の一部ぐらいだ』
(そういうものですか…?)
『そういうものじゃ』
魔力を使うという心配と新しい名をもらえる期待が混じっていた。
『さて、何という名にしようかのう…』
考えてくれている間、俺は早く名前をもらえないかうずうずしていた。
『…よし。お主の名は「ソル」じゃ!』
(「ソル」か…)
名前をもらえて俺はとてもワクワクしていた。
『さて、お願いできるかの?』
(はい!任せてください!)
スキルの声が言うには穴の中に入れたいものを入れれば収納することが出来るらしい。
(では行きますよ)
『よろしく頼む』
俺は貯蔵者の穴をミルズに近づけていった。
『次に会えるのを楽しみにしているぞ』
(はい!)
ミルズは穴の中に消えていった。
(頑張らなきゃな俺も)
『頑張って下さいね』
次に会うときにもっと強くなることを心の中で深く誓ったソルだった。
(そういえばどれくらい容量使ったのかな?)
《中身:癒しの泉五パーセント・ミルズ十五パーセント》
(意外と残ってるんだな)
もっとたくさん入れようと密かに思ったソルだった。
(さて、行くか)
『それでは奥へレッツゴー!』
俺はどんどん先へ進んでいった。
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