10.再び戦闘&湖の主
紅色のコウモリがこちらに向かってきた。
『こいつはレッドバットですね。火魔法で自分の体に火をつけてこちらに体当たりしてきます』
(よし、さっき完成したばかりの魔法で…)
先程完成した魔法…
(食らえ!「ストーンバレット」!)
一粒五センチ程度の小石がレッドバットへ一斉に飛んでいった。
「キィィィィィ!」
レッドバットは炎をまといながら俺の目の前に落ちてきた。
「キィィ、ィィ」
だんだんと声が小さくなっていきついには絶命した。
『さて、食べますか』
(いただきます)
レッドバットを食べた。そしたら
《固有スキル:火魔法》
《固有スキル:超音波》
《固有スキル:翼飛行》
《を取得しました》
(おお。三つも)
『よかったですねこれでまた新しいことができますよ。特にいいのが「超音波」ですよ』
(なんでだ?)
『これで声帯ができますよ』
(声帯ができると何かいいことがあるのか?)
『魔法を詠唱することができます。詠唱を挟むと効果や範囲が大きく上がります』
(それはいいな)
それから俺は火魔法の練習とともに声を出してみる練習もしていた。
また進んでいると再び湖に出た。
(また湖か…どうするか…おい何かあるか?)
『………』
(ん?どうした?)
『………』
(まぁいいか。湖の近くで休もっと)
湖の近くで休んでいるといきなり湖の真ん中がいきなり盛り上がってきた。
「そこにおるのはだれじゃ。ここは妾の湖ぞ」
(!? なんだ!?)
「言葉を話さぬか、貴様」
(話せと言われても…)
俺は身振り手振りで説明しようと頑張っていた。
「もしや貴様話せぬのか?」
俺は体を大きく縦に振った。
『ならばこれでどうだ?』
(うぉ!?びっくりした)
頭の中に直接流れてきた。
『驚ろかせてしまったか。それはすまぬな』
(いやいや大丈夫です。これは…?)
『これは念話じゃ』
《レアスキル:念話》
《を取得しました》
俺はこの湖の主とこの後長いこと話していた。
(へぇー。そうだったんですか)
湖の主(名前をミルズと言うらしい)の話によると、ここはもともと浅い位置に住んでいたらしい。
いきなり謎の転送でここに飛ばされたと言う。
(大変でしたね)
『それはもう色々と大変だったわ。妾は水から出られぬし、転移だったからどこからきたのかなどわからぬし、食べ物はどうしようかなど大変だったわ』
本当に色々と頑張ったようで話している間もその頃を思い出しているのか、目尻に涙が溜まっていたりしていた。
(何年ぐらいここにいるんですか?)
『うーむ…百までは数えておったがそれからはわからんの…』
(まじか…百年以上もここにいるのか…)
とてつもなくかわいそうに思えてきた。
『まぁ、百年なぞ寝てればすぐに来るわ』
(そう…ですか…)
こう言うタイプの生き物は何千年も生きているので百年はすぐに来るらしい。
『でもなぁここにいると何もないから暇なんじゃよ』
(どうしようか?)
『では、連れていってあげるのはどうでしょう?』
(久々に喋ったなおまえ)
『ん?誰かおるのか?』
どうやらこいつの声は俺以外には聞こえないらしい。
(いま話していたのは俺のスキルなんだ)
『なんと!話せるスキルがあるのか!』
(え? ないのか?)
『そんなもの聞いたことがないぞ…』
『ええ。ないですよ』
(ないのか…)
『このことは秘密にしておいた方がよいぞ。変な輩に目をつけられると厄介だからの』
(はい。そうします。ところで…)
俺はさっき言われたことを話してみた。
(ここから出て一緒に来ませんか)
『できるなら行きたいのだか…お主にそれができるのか?』
(多分…できます)
『出来る可能性があるのなら試してみる価値はあるかの』
(試してみます)
そして俺は[スキル:貯蔵者]を使った。
誤字・脱字等あったら報告していただけると嬉しいです。