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プロローグ

夜は幸せの獣であろう。男は趣味にふけ、女は普段人には見せられん素の自分に還っていく。サラリーマンは自らの愚かさを他人に示すが如く大声で歌い、殺人者はせっせと死体隠しに励む。


夜はいつであっても多くのものにとって好都合なものである。これも一種の常識ではなかろうか。


ただ、一般に当てはまるものに例外は付き物だ。


ここからは今日に限ってその獣に襲われることのなかった人の話である。


野菜は八百屋に、恋愛小説は恋愛小説家に任せ僕は語ろう。


聴くものは聴け。ここは明日の前夜である。


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