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4話

フィリーの家の前まで来た。


立派なお屋敷だ 思った通り貴族なんだろう。


門をあけ家へと向かっていくフィリーを見送り俺は、家へと向かうとする。


フィリーの家は俺の家と学校の中間というところだ、このまま歩けば30分ぐらいでは家につくだろう。


帰りながら使えそうな木の棒を探すが、見あたらない。そうこうしてるうちに家についた。


「おかえりなさいルイ」


「おかえり、お兄ちゃん」


母のレイラと妹のルーファが迎えてくれた。


「ただいま、母さん、ルーファ」


レイラは少し嬉しそうな表情を浮かべる。俺がただいまと返事を返すのがだいぶ嬉しかったようだ。


前のルイはどんだけ親と疎遠だったんだよ、やんちゃや夜遊びばっかりしてたんだろう。


サンドはまだ帰ってないようだ。


この町の役場のようなところで働いており、もう少し遅くなるらしい。


ルーファに頼んで外の空き地で魔法を教えてもらうことにする。


「お兄ちゃんに魔法を教えるなんて何かふしぎな感じ」


「そうか、前の俺は強かったらしいからな。でも、今の俺はルーファに教えてもらわないと何もできない。よろしくな」


「わかった。風魔法だよね、といっても私は才能がないから上手く教えられるか分からないけどがんばるよ」


風魔法は、周囲の風の収束を感じとりそれを自分に取り込むような感覚だそうだ。


ミル先生に習った感覚とあわせルーファに向かって解き放つ。


突風とまではいかないが、強い風がルーファに向かって襲いかかる。スカートをめくることに成功した。


風魔法は最強だ。これさえあれば生きていけるんじゃないか?もう一度スカートをめくる。


すごい、ちゃんと風を操ってる感覚がある。魔法が使えるなんて夢のようだ。


ちなみにルーファは水玉だ。夢のようだ。


1時間ほど練習に付き合ってもらって家に戻ると途中で野生のサンドに遭遇した。


モンスターボールを投げようかと思ったが、一緒に帰るを選択して帰路へつく。


「2人が仲良くしてるのはいつぶりだろうな、父さん嬉しいよ」


とサンドがルーファに抱きつこうとするがルーファは軽い身のこなしでよける。サンドは親バカなようだ。


家ではレイラがご飯の用意を済ませテーブルにならべているところだった。


「手伝うよ、母さん」


できる息子ポイントを稼ぐためにレイラの手伝いをする。


夜ご飯はパンと鶏肉とコーンスープ。


全然食べれるし普通においしい。ご飯を味わっているとみんなが話しかけてくる。


「ルイどうだ?学校は通えそうか?」


「心配しなくても大丈夫だよ父さん。」


「お前に逆恨みしてくるやつとかいるかと思ったがそれならよかった。」


サンドは正確に前の俺の情報をつかんでいるようだった。現に逆恨みしてくるやついたしな。


「ルイ 無理に魔法とか記憶とか頑張らなくていいのよ。焦らず、ゆっくりね」


「ありがとう、母さん。心配には及びません」


「それならよかった。」


暖かい家庭だ。この世界は前の世界よりも素晴らしい。はやく馴染みたいところだ。


「お兄ちゃん、今日も一緒に寝ていい?」


ルーファからのとどめのBIGBONUSだ




こんな日々を過ごして2週間ほど経ったときミル先生から風魔法の認定をもらった。


前のルイのおかげかは分からんが2週間で認定がもらえたのは嬉しい。


ただ、風魔法を鍛えたところで空を飛んだりすることはできないそうだ。


認定をもらった俺で突風を起こしたり圧縮して弱い衝撃波を出す程度だ。


仕方がないので次は水魔法でも習おうかと考えていると、ミル先生が話しかけてきた。


「個性魔法の調子はどう?」


「全く掴めていません」


というか誰も教えてくれてない。フィリーも個性魔法はいつの間にか使えるって言ってたし、いつ出るのやら。


「じゃあ、次は個性魔法ね 。コツと発動方法はね…」



ちょと待てちょと待て、お姉さん。コツとかあるならゆうてえな。と踊りながらツッコむ俺はまるで野に咲く一輪のラッスンだ。


「ちょっと、ルイ君?めちゃくちゃ気持ち悪いんだけど、まあ、個性魔法は己の中にある力をイメージしてMPを変換するみたいな感覚に…………」


いろいろ言われて足早に逃げられてしまった。


先生に気持ち悪いと言われ逃げられてしまうなんて……


先程の行為を後悔しつつ個性魔法に取り組むとしよう。


何回か試してみるが上手くできない。何も出ない。


異世界の俺にはそもそもそんなものがあるのかどうかも疑問になってくる。だが風魔法は使えたのだから使えるはずだ。


原点に戻って力のイメージをする。俺にとっては力とは剣だ。


自慢になるかもしれないが同学年の全国大会で5連覇している。


強く剣のイメージをすると光で出来た剣が現れた。


「これが俺の個性魔法か?」


光でできているであろう剣だが掴むことができる。試しにありったけの力で近くの岩に斬りかかる。


スカッ…


あれ?


久しぶりに剣を振るったからか、空振ったようだ、だが、何度試しても空振ってしまう。


とりあえず久しぶりの剣に嬉しさを覚えしばらく剣を振るった。


結構な回数の素振りをしたころフィリーが迎えにきた。


「フィリー、個性魔法で光の剣が出たんだけど何も切れないんだ」


「うーん、昔の本に何かそんなものがあったような気がする。図書館に行ってみる?」


「図書館もあったのか、一緒にいこう」


フィリーに連れられ入った部屋はそこまで大きくはなく図書館と呼ぶにはいささか物足りない気がしたが、多少は本がある。


本は貴重と聞いたからこれでも立派な図書館何だろう。


フィリーにも手伝ってもらい本を探していると魔王についての文献があった。


興味があったので読んでみると300年前にいた魔王は100の国の半数を魔族で侵略し圧倒的な強さを誇ったようだ。


推定MPはSSSトリプルエスだったらしい。魔王となると限界値を越えていたのだろう。


圧倒的不利な人間族だったが一人の少女が自らの命と引き換えに魔王を封印することによって人々が盛り返し以後300年は平和な世の中が続いているらしい。


何か漫画みたいな話だ。こういう話を聞くたびに犠牲になる少女は尊敬する


「もう。ルイったら私に探させて自分は魔王の本を読んでるじゃない。」


フィリーが本を差し出しながら言ってきた。


「ごめん、フィリーちょっと魔王に興味があったんだ本見つけてくれてありがとう」


フィリーが持ってきた本を2人で見てみる。


そこにはこう記されていた。


何でも、この剣は魔法やMPにだけ干渉し斬ることができる。だそうだ。


つまりこの剣はHPではなくMPに干渉するから、強いダメージを与えるとその分だけMPにダメージを与える。ついでにMPで出来た魔法を斬ることができるそうだ。


殺傷能力がないということは俺はこの剣で校内トーナメントに出ることが出来る。


「すごいじゃないルイ!すごいレア魔法よ。おまけに能力も強すぎるわ」


「そうなのか?」


「前のあなたの重力魔法もレアだったけどもっと珍しいわ」


俺としては、か◯は◯波や、滅びのバーストストリ◯ムのようなビームを出しつつ剣で戦うというのが理想だったんだが。


でも確かにこの魔法世界で魔法を斬れるなんて十分強い。


とりあえずレアと聞いて心が踊るのはまだまだ少年です。


「レアなら良かった。悪いけどフィリー外で魔法を撃ってもらえるか?」


「いいよ!その魔法を試すのよね?」


「うん、練習したいんだ。」


放課後の校庭で女の子と課外授業。いい響きだ。


外に出てフィリーに魔法を撃ってもらう。


フィリーは炎、水、雷、治癒の4つを扱え、個性魔法は瞬間移動で5秒に1回半径10m以内を移動できるらしい。


今はまだ物足りないが鍛えたら相当強い能力だろう。さすが第8席というところだ。


俺の個性魔法、この光の剣だがルミナスと呼ぶことにする。


いろいろな魔法をルミナスで斬ると確かに魔法は消滅した。


普通の剣で斬ると消滅せずそのまま向かってくるそうなので俺にぴったりの魔法を手に入れたかもしれない。


相手を斬るとMPを減らすらしいがフィリーを斬るのはいたたまれないのでやめておく。これはトーナメントで確かめよう。


フィリーは時折、瞬間移動を織り混ぜながら攻撃してくるが、全て斬りおとす。


「ありがとう、フィリー。もう大丈夫だよ」


「はあ、ルイあなた前よりも強いんじゃない?真剣にやったけど攻撃が当たらなかったのは初めてよ。そんなに剣が上手いなんて驚いたわ」


これぐらいなら余裕だ、まだまだいけたがここは謙虚にいこう。


「強いのは剣のおかげだよ。普通にやったらフィリーにはかなわないよ。」


「そうかしら?ねえ今のルイの力が知りたいわ!測らしてほしいから今日は私の家に行きましょう。」


MPを測るあの機械は高価なもので貴族や学校でも1つずつしか持ってないような代物で名前をモニタメントオーブでMOと呼ばれてるらしい。


学校では校長しか持ってなく特別な事がないと使用許可が降りないらしく帰りがてらフィリーの家で使うことになった。


放課後に、女の子の家に寄る。実にいいものだ。

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