13話
弁当を食べ終えフィリーの元へと舞い戻る
「おかえり!ルイ!ちゃんと妹に会えた?」
俺の嘘をちゃんと信じてくれている。健気な少女だ。少し悲しくなった。
「ああ、なんとか会えたよ。結構美味しかったな~それより、2回戦はそろそろかな?」
「時間的にもう少しだと思う!」
嘘に嘘を塗り固める。
そこで俺は、方膝を地面につけ、そんなの関係ねえの動きをし左拳で地面をなぐる。少しばかりの戒めだ。
ここまで来たら周りの視線も関係ねえ
時間が1時になった所で、2回戦が開始された。
人数が減ったので俺の出番はすぐだ。
1組目、2組目が終わりすぐに俺の試合になる。
「ふぅ…行ってくるよ!」
「行ってらっしゃい」
フィリーは俺の味方だ。とても心強い。フィリーがいるだけで心が強くなれるのさ
係りに連れられ戦いの舞台へいざ行かん
対戦相手の先輩はまだ来ていないみたいだ。
「よう、ルイ!しっかりやれよ!」
「さっきのやつもう一回みせてくれよな!」
「楽しみだぜ!お前なら余裕だろ!」
「がんばってください!ルイさん!」
今回はギャラリーの大人たちだけではなく、生徒からも応援が聞こえる。
俺を演出するのにふさわしいシチュエーションだ!
そこへ一人の女性が現れた。
対戦相手のリンク・レイモンド先輩だ。
俺は少し驚いた。
開始の合図と共にリンク先輩は宙に浮いたのだ。空を飛んでいるという表現がぴったりな光景だ。
確か個性魔法の中にフライハイという空を飛ぶ魔法があった。多分それだろう。
一回戦では使っていなかったことから俺と戦うために隠していたようだ。
「ルイくん、残念だけどあなたの剣は聞かないわ、遠距離戦なら私のものよ!」
痛いところを突かれた。そうだ、俺のルミナスには致命的な弱点がある、
それは、空を飛ぶ相手や遠距離の相手に対して攻撃手段がないことだ。
しかし、ずっと飛んでいられるわけではないと思うので、相手の着地の瞬間を狙う。
リンク先輩が飛んでいる間は主導権は全て向こうだ。俺はリンク先輩の魔法をひたすら消滅させることしかできない…
今のままでは為す術がない、
しかし空中からさまざまな魔法を繰り出しながらリンク先輩が遠ざかっていくのが伺える。
好機!
そろそろ1度着地しなければならないのだろう、俺はリンク先輩を追う。
リンク先輩が降下しながら逃げる。
しかし着地した瞬間にルミナスで一太刀浴びせる。
なかなかな一撃だ。リンク先輩が逃げるようにふらふらと再び宙かび始める。
思えば人間をルミナスで攻撃したのは初めてだ。ふらふら逃げるリンク先輩を見ると、しっかりMPにダメージを与えることができたようだ。
少し離れた所でリンク先輩が倒れた。MPきれだろう。
ここで、勝者コールをされ俺は準決勝に進むことができた。
リンク先輩の魔法のフライハイは20秒間、空を飛べる能力らしい、20秒たつと1度着地が必要だそうだ。鍛えると何分かはそのまま飛べるようになるようだ。
今回は良かったが、遠距離の相手に対する攻撃手段を確保しないとこの世界では生きていけなそうだ。早急に対策をたてなければならない、
次の注目カードは前第7席のデルタ先輩だ。準決勝で戦うかもしれないのでしっかり試合を観戦する。今してる試合の3つ後だ。
このトーナメントは一試合の制限時間が10分ほどで、それで勝負が決まらない場合、校長の独断と偏見…判断で勝者が決まる。
他の奴らの戦いをボケーっと眺める
そろそろ飽きて帰りたくなった頃にデルタ先輩がやって来た。
第一印象は優男だ。
水色の長髪に中性的な顔。女子にもてそうだ。
デルタ先輩の試合が始まった。
相手は俺の事を散々馬鹿にしていたクラスメイトA君だ、名前はまだない
いや、俺にあいつの名前を覚える気がないだけなのだが
A君は俺にケンカを売ってくるだけあって確かな実力があった。力強い炎魔法に突風、さまざまな魔法を駆使しデルタ先輩に襲いかかる。
刹那、倒れたのはA君であった。
何があったのかさっぱりだ…デルタ先輩は向かってくる魔法を押さえるの必死で何かをしたような形跡は見られなかった。
ただ、A君のもとには大きな石が転がっていた。
多分土魔法で作ったのだろうが、どうやって飛ばしたのかは謎だ。
ひとまずフィリーに聞くくとする。
「フィリー、デルタ先輩は何をしたんだ?」
「あれはね、土魔法で作った岩を転移魔法でヨシト君の頭の上に転移させたんだ」
転移魔法か、というかあのクラスメイトはヨシトっていう名前だったのか、2つの謎が解けたぞ!
フィリーによればデルタ先輩は目に見える範囲なら触れた物質を飛ばすことができる転移魔法が使えるらしい。フィリーの魔法に似ているが、フィリーと違い人は飛ばせないようだ。
あくまで物質を、ということだが、目に見える範囲に無制限でとなるとフィリーの魔法より使い勝手がいい。
現にフィリーよりも席次は上だ。
戦うイメージをしてみるが、後ろからとか、頭上から岩を飛ばされてはたまったもんじゃない。
去年の俺なら重力で防いだりできただろうが、今の俺に防ぐ手だてはない。
結論が出た!打つ手なし!
先輩の動きに注意して戦う以外に俺に出来ることはない。
いつの間にかフィリーが戦いを終えこちらにむかってくる、ひとまず笑顔でフィリーを出迎えた。
フィリーも難なく勝てたようで一安心だ。
次々と戦いが過ぎていくが本日の最後に好カードが控えている。
1年生にして生き残っているグイと、バン先輩の対戦だ。
バン先輩の力を見るのに十分な相手だ。
周りの注目が集まるなか、好カードが始まった。
先制攻撃はバン先輩だ、地面に触れグイに向かって爆発を巻き起こす。
凄まじい勢いだ、だが、グイは土魔法を使いそれを防ぐ。押しているのはバン先輩だがとにかく粘る
完全に攻撃側と防御側にわかれた形になったがグイは負けじと応戦する。
すごい才能だ、1年生でこれだけ戦えるのはすごいの一言につきる。
バン先輩が相手ではなかったら上位8人に入れたかもしれない。
しかし相手が悪かった。MPきれが近づくグイとは違い余裕を持ったバン先輩が一気に攻める。
バン先輩の協力な一撃を防いだところでグイが倒れた、MPを限界まで使ったのだろう。
だが、グイのお陰でバン先輩の力を見ることができた。グイでなければここまでバン先輩の力を出させることはなかっただろう。
グイの敗北を糧にし俺は必ず勝つ。
かたきは俺がとってやる。
二人の戦いが終わると今日の日程は全て終了だ。
明日に準決勝と決勝をし、新たな上位8人を決める。そして明後日に6年生の8人と戦う
はっきりいってここまでの戦いは余興のようなものだった。
明日からが本番だ。つわもの達との戦いが待っている。
去り行く人達に紛れ俺とフィリーも帰ることにする。
つかれた…つかれたよ、パトラ




