10話
やっと10話です!
物語がそろそろ加速してくると思います!よろしくお願いいたします!
翌日
天気は快晴、雲ひとつない澄みわたった青空だ。
校庭の湿気は、教員たちが魔法でどうにかするだろう。
これなら、トーナメントは出来そうだ。
今日は1年生だけとはいえ、教員総出なので俺達に授業はない。
午前中で終わるそうなので校舎からトーナメントを見学することになっている。
開会式は全校生徒出ないと行けないので校庭へ向かう。
校庭の周りにはたくさんのお偉いさん方が見に来ていて、少し緊張してきた。
「と、このようにですね……で、あるからして……」
どこの世界の校長も話が長いもんだ。中身が全くありゃせん
「で……あるからして開会の言葉とさせて頂きます以上。」
ようやく解放されたという嬉しさと早く座りたいという気持ちから駆け足で教室へ向かう。
だが、向かう途中にたくさんの人に声をかけられた。
「ルイ君!是非わたくしのギルドに」
「いやいやルイ君は、我が軍にはいるんですよ」
「何を?ルイ君はうちの防衛隊に…」
話の出来ないやつらだ、そんなに俺と話がしたいなら事務所を通せ
「行くわよ!ルイ」
フィリーが手を握ると一瞬にして目の前に移動した。
おお、これが、瞬間移動か、触れてる人も連れていけるのか。
「あ、フィリーさん、あなたもルイ君と一緒にわたくしのギルドへ」
「フィリーさん!フィリーさん!」
「待つのだ!ルイ君」
まだごちゃごちゃ言ってくるが、そんなやつらを置いてフィリーはどんどん進んでく。
「ありがとう、フィリー。」
「ううん。去年のこと考えたら、こうなるのは分かっていたから。」
これが毎年恒例になるのか、少し嫌気が差してくるが、考えてみるとあいつらが欲しいのは以前の俺の能力だ
今の俺ではない、いっそトーナメントで失望させてやるのもありだ。
教室の窓からクラス全員で1年生の様子を見る。
みなそれぞれの魔法を駆使し、攻撃するものや防御するものが入り乱れている。
炎魔法は赤々と燃え雷が校庭を駆け巡る。きれいだ。
こんな色鮮やかな現象は地球では見れなかっただろう。魔法がこんだけ集まるとすごい。
怪我をしている生徒を職員や生徒が治癒魔法で看護している。
みんなが見守っているから死人は出ないだろうが、血を出して倒れている生徒も多い。
確かにこれは保護者には見せられないだろうな。自分の子供が大ケガを負うところなんてみせられないだろう。
この学校は10歳から何歳までも入れるので1年生はみな年齢がバラバラだ。
この学校に入学して1年目だというだけで、今校庭で戦っている1年生の中には俺よりも歳上もいた。
入学式というのは1月にあり、6年後の12月に卒業式がある。
このトーナメントは10月に開催されるため、今の1年生は実質10ヶ月しか魔法を習っていない。
なのでまだまだレベルが低く感じるがしっかりと戦えている。
小さな子ががんばっている姿を見ると応援したくなるものだ。
別にロリコンではないぞ?
がんばっている小さい子を見るとほおずりしたくなるだけだ。
決して!ロリコンではない!
「ねえルイ、見てあの子!」
フィリーが少しテンションをあげて校庭の中央を指差す。
イケメンでもみつけたのだろうか?イケメンだったら早めに芽をつぶしてやる。
フィリーの指差す方を見ると
そこには、一人の少年と土でできた大きな壁が見えた。
その1年生は、相手の魔法を全て土の壁で塞ぎながら力でねじ伏せていた。
「これは、圧倒的だな」
「他の1年生には叶わないかもね」
その1年生の力を目の当たりにした他の生徒が次々と棄権していく。
10人残った所で1年生予選は終わった。最初は微笑ましい戦いだったが、あの少年が本気を出してからあっという間だった。
1年生のトップは彼で決まりだろう。
あどけない表情に輝く瞳、彼の名はグイ・ドラゴンというらしい。
一時間足らずで終わってしまった、
グイの元にたくさんのスカウトが押し寄せている。
恐らく彼は、個性魔法が土なんだろう。それにしても圧倒的だった。
俺もあれだけの土を操られたら押しきられるかもしない。
1年生に負けるのは嫌だな、恥ずかしい。
トーナメントで早々と負けてくれることを祈りつつイメージトレーニングだけはしておく。
土の壁をルミナスで斬り進み、グイを何度か斬りつける。そこまで難しくは無さそうだ。圧倒的に強いといっても1年生の中ではなのだから。
すると、ここで通信魔法で直接語りかけられる。
「全校生徒の皆さん、6学年主任のゴンザです。予定より大分早く終わってしまったので、このまま2年生の予選を開始したいと思います、2年生は準備が出来次第、校庭に来てください。繰り返します、全校生徒生徒の皆さん………」
昨日雨で中止になった分を取り返すつもりなのだろう。早く終わりすぎて暇だったのでちょうどいい。
少しづつ2年生が集まり始めた。
「さっきの1年生に私、勝てるかな?」
「フィリーなら楽勝だよ。後ろに瞬間移動して、魔法を撃ちこむのを何回か繰り返せば終わりじゃないかな?」
「少し安易すぎる気がするけど、それが最善よね。当たったらしっかりやるだけね」
フィリーはやる気満々だ。俺も早く戦いたい。だが、俺達2人は本選からなので出番はまだまだ先だ
「そろそろ始まるぞ。」
クラスの誰かがそう言った所で俺は校庭を見た。2年生が多数集まってきており、準備万端のようだ。
ふと、俺は校庭の片隅に目をやる。
一人の少女がキョロキョロと回りを見ている。
少し日本人のような作りをした顔のかわいらしい少女だ。
日本人のような顔をしていて親近感を覚えたので、
2年生の戦いの最中は彼女に注目することにしよう。
開始の合図と共に2年生の予選が始まった。
「え?」
俺は始まると同時に驚いた。
先ほどの少女が開始と同時に倒れたふりをして棄権したのだ
このトーナメントは全員に戦闘経験をつませることが目標らしいので体調不良以外は開始前棄権は許されないのだ。
戦いたくない者からしたら迷惑きわまりないこのルールだが、俺には関係ない
さっきの子も一応、参加するという形をとり、棄権する以外に道はなかったのだろう
校庭全体を見渡すと2年生の方には、目立って強いようなやつはいなかった。
みんな一生懸命戦ってはいるが、どこか決め手に欠けていてだらだらと戦っている。そんな印象だ。
ある程度時間が経った。
現在の残り人数は30人ほど
一学年10人の7クラスなので最初は70人だった。
ここまでの戦いで半数ほど減ったという訳だ。
先ほどの1年生の戦いを見ているので少しだれてくる、少々長い。
「はあ~長い、」
ため息をついて周りを見るが、みな真剣に戦いを見ている。自分の敵になるであろう者たちをしっかり観察しているのだ。
俺の場合は向かってくるものは何でもルミナスで斬ればいい訳だから簡単だが、皆はそうはいかないのだろう。勉強熱心なのは良いことだ。
ふいに一人の少年が果敢に攻め始めた。多種多様な魔法を使い、数を減らしていく
攻めろ!攻めろ!少年!
いけ!いけ!少年!
がんばれ少年!早く終わらしてくれ!
俺の応援むなしく、その少年も背後から攻撃をくらい倒れる。
全員必死だ、必死に上位の8席になろうとがんばっている。それだけの価値があるものだろうか?
俺はこの世界の諸事情には、うといので良くは分からないが日本で考えてみると、東大の上位8人みたいなものかも。
そう考えると、とてつもなくすごいもののような気がしてきたので、誰も見てないことを確認し、どや顔をする。
2年生の戦いが終わった。
長かった…
長い戦いが終わったのだ
結局2時間以上はかかっただろう。
トーナメントの雰囲気を学んで俺は家へと帰った。




