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しじゅうくにち ~ 49日 ~  作者: えだいち
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来世? それはセミ?

 いよいよ、私の来世の選択の日が来た。

私は、長い列の中、その順番を待っていた。

「まだ、心は決まっていない、たとえ記憶が無くなっても 『人類』 に戻ろう、とも……。

一方、『人類』 に戻ってみても、僅かばかりの幸せを望んで苦しい日々を送るのなら……」

と悩んでいた。


 あのセミのじぃさんが偶然にも隣の列に並んでいた

「おい、お前来世の『よみがえり』は決めたのか?

わしはなぁ、ちっちゃな生物になろうと思っている。いつ人類に殺されてしまうかもしれないがな」と、

(その言葉は、ある意味、前世が人間であった私に対するイヤミだったのかもしれない)

 でもその言葉の奥には、私のそんな稚拙ちせつな頭で想像できる程、単純な物では無かった。

その言葉は、この星が、大好きだったからこその言葉だった。


 私はその言葉で、やっと気が付いた。

「何が幸せなのか……」

 そして、セミじぃさんの言っていた

『もし来世でセミになる希望があれば、このわしの思いだけは、お前の心に残してやろう』

の意味も……。


 いよいよ、私の来世の選択の時がきた。

私は、

「来世はセミになります」と言うと、

「人間という選択肢もあるのですよ、セミは人間に比べればランクは下がります。今度黄泉に来た時には、なかなか人類には戻れませんよ、それでもいいのですか?」と言われた。


 私の心は決まっていた。

人間なんて、ちっぽけで、父さんは来世を『岩』の選択とした、

また、母さんは、大好きだった『花』を選択していた。

岩、花……、いつ人類に葬られるかもしれない、そんな物に自分の来世の『よみがえり』として選択したのである。

 

 そして、あのセミじぃさんがっていた事を思い出し、結局は、

『人類が、そのバカさで作り上げ、そして、壊してしまう』 という事なのだろう。

そんな人類には未練など無かった。


 現世であんな楽しい時代、「セミとり」、「カブトムシとり」、「クワガタとり」……、

なんでこんなにすさんでしまったのだろう?。

人類の私利私欲なのか?……。

人類は目に見る事ができる ある動物(いき物)の個体数が減れば、『絶滅危惧種』なるものとして、保護にまわる。

決して悪い事で無く、よい事の一端でもあると思う。

しかし、人類が知らない時間ときに、いくつもの命が無くなっている。

そう、この黄泉よみ世界くにで出会ったいのち

絶滅してしまった、と思うのは自分勝手に決めた人類なのである。

いや、人類も知りえない生物いきものの死滅、その事実の大部分に気付いていないであろう。


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 人間が勝手に決めた『絶滅種?』、『絶滅危惧種?』であったが、

黄泉では、すでに人類も……、

その『絶滅危惧種』のランクに入っていた。


 何故……?


 『49日』は本稿で終わります。

ここまで書いてしまうと、『しじゅうくにち』? のタイトルさえ変ですが、勘弁して下さい。

わたし的には、次回作の前振りのつもりでしたので、 『しじゅうくにち』 の連稿は頭に無かったので……、違うタイトルが良かったかな? などとも)

最後まで読んで下さった方 『ありがとう御座いました』 です。

本稿の最終話を綴りながら、この前振りの次作品のタイトルは、『おろかな生き者達』 にします。

次作品の内容、タッチは、本稿 『しじゅうくにち』 とは全く異なると思います。

ジャンルは「ファンタジィ~」かな?……。

でも、恐らく最後のあたりでは、またダークになってしまうでしょう。


 本当に、最後まで読んで下さった方、ありがとう。です。

できれば、次作の 『おろかな生き者達』 を投稿した時には、また読んでやって下さい。


ありがとう御座いました。(頭、ペコリ)


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