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しじゅうくにち ~ 49日 ~  作者: えだいち
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人生最後の『夢』

 ある時、俺は、やくざっぽい連中に取り囲まれていた。

相手は、殴り掛かかって来る。

普段では想像も出来ない自分がそこに居た。

「えぃ!、やぁー」とばかりに、回し蹴りに足を振り抜いた。

………。

しかし、その振り抜いた足の相手は、無情にも、布団の横の箪笥たんすだった。

「痛って!」

そう、度胸もない俺が蹴ったのは、布団のそばにあった、ただの箪笥だった。


 ただの夢であって、その痛みに目が覚めた。


 皆さんもこんな経験、あったでしょう?

例えば、

夢の中で「階段を踏み外しそうになった時、思わず、足を突っ張った」

そう、会社での昼休みのほんの束の間、自分のデスクでちょっぴりの仮眠・夢。

「ピクッ」っと、そしてその瞬間周りを見渡し、ちょっと恥ずかしいな、などとも。


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 私は学生時代、運動部に所属していたせいもあったのか?、

中学の2年生の頃? 俗に言う『金縛り?』なるものにあった。

意識はあるのに、体は動かせない!!、最初の頃は恐怖だった。

「早く起きなくちゃ、このまま死んじゃうかもしれない!」

まるで幻聴の様に聴こえるキィーン、キィーン、ガンガンとする音が自分の周りを廻っている。

どこでもいいから、指先でも、足先でも、首を振ってでもその金縛りから逃れようとした。

確か? 足先かな? それがかろうじて出来、足先が動き金縛りからは逃れた。


 それからもそんな『金縛り?』体験は続いた。でも、なんとなく自分でもそんな体験に飽きてきていた。自分なりに、部活で使いきったこの身体。身体は眠いに決まってる、それに対して、頭は疲れ切っていない。

(勉強に熱心でなかったから?、いいや、そんな事はない。程々に? ではあったであろうが……)


 頭だけは眠く無いのに、身体が就いていけないんだろうな~ と思えるようになった。

以後、私は、『金縛り?』をむしろ楽しむようになった。


 金縛りに遭っても、やっぱり次の日の朝は来る。

金縛り? に怯えるより、

「まっ、明日は来るさ。ここで起きてしまうより少しでも寝とこう!!」と、金縛りの最中でも平穏を務め楽しんでいた?。

(ネット等で、『金縛り』の項目を検索した事はないが、むしろ、検索などしたくも無く、本当の金縛りという定義も解っていない。これからも検索しないであろう……、その方が幸せなのかもと)


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 脳はレム睡眠、ノンレム睡眠等で区分けされている様であるが、

眠りが浅くなった時に夢をみるそうである。

だからきっと一晩中に何度も夢は観ているのだろう、ただ目覚めるとその記憶は無い。

なかなか寝付けない時、ある夢を観る。そしてそんな時、夢の途中で、

「これは、夢だ!」と半回転もしていないであろう脳に対して気付き、悪い夢ならちょっと起きようかな?、いい夢なら続きもたいし、また寝ようと思いグーグーと。


 朝、目覚まし時計の音がする。

その音が、大好きだった女の子との遊園地でのジェットコースターの出発音とかぶる。ハット起きると

「あっ、そうだ今日は会社休みじゃん、今のジェットコースターの出発音はこいつか?」…… ただ、目覚まし時計をOFFしていなかっただけの事である。目覚まし時計をOFFし、続きを……。と思ってもその子はもう出てこない。会社が休みだったという安心感で二度寝をしてしまう。


 私は、寝ている時の夢などに精通している訳では無いが、過去にこんな事をテレビ? 書き物? で聞いた事がある。

「寝ている時、急に何かのきっかけで夢の途中で目覚める、そのきっかけで直前の夢の事をかすかに覚えている。しかし覚えていた夢も直ぐに現実の社会に飲み込まれる。その夢を観ていた時間は、一秒も無いであろう、おそらく一瞬である」と、

でも目覚めてみれば、そんな一瞬の時かもしれないが、ストーリーもあり、もっと、ていたかった……。などとも。

と思ってみても、また眠りが深くなれば次に目覚めた時には、記憶にも無い物になってしまうと。


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 もし、我々が見ている夢が、ただの一瞬のものなら……。


 マンション等からの投身自殺をする人、電車に飛び込む人、リストカット……、等々。死を迎える直前に、

「今まで生きて来た人生、嫌いだった人、そして大好きだった人、いろんな思い出がフラッシュバックして来ているのだろうか?」

でも、もうそれは目覚める事の無い時、だからこそ、一瞬では無く、全てを思い起こせる瞬間(時)なのかもしれない。


 よく聞く話であるが、黄泉よみ世界くにの直前まで行った人の生還せいかん話である。

「川の向こうの綺麗なお花畑で、かあさんが手を振って私を呼んでいるんだよ」

「蓮の花が咲いていて、すごく奇麗だったよ……。でも、良かった戻って来られて……」

等々。

 でわ、

外国人? なら蓮の花などを『黄泉の国』への、そんな大切な時に観るのか?

そんな筈は無いだろう。

例えば、霊能力者が過去人かこびとを呼び出し、現代の日本語など全く知らない故人であってもその人は、現代の標準語で話す?……。

呼び出した相手が外国人でも、流暢りゅうちょうな日本語で話す?……

まっ、その過去人は、

「ずっと現世の人達を見守っているからなんでも解る」と言われれば、そうかもしれない。否定する根拠も無いし、そんな気も起らないが……。


 ただ、昔から言われている『49日』には、何か意味があるのかな~(いい意味で)、そしてそれは、現世ではたった一瞬の夢を、49日間も観続ける事が出来るって事なのかなと思っている。

(ある意味、死後の世界に対してのはかない夢? であるのだが)


 現世での楽しかった事、苦しかった事、好きだった人が今どうしてるのかな?、全てが、その49日間で観える?、

いや? 本当は、人生など49日間で充分に凝縮される事なのかもしれない。


 この投稿は、今考えている作品の前振りの話です。

数ヵ月? 後になってしまうでしょうが、ちょっとしたプチ小説?(1時間位のボリュームかな)

恐らく、その作品は、一匹のセミと『人類の愚かさ』模様を描く作品に成るのかな? と思っています、本話のイメージとは全く異なると思いますが……、

まだ、題名も決まっていません。(まだ書いている途中……なので)


 本投稿の次話では、『49日』をダークでは無く、本稿の本来の話、『自分の来世はセミ? になる』を希望した事に触れたいと思っています。


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