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結
「明日も雨なのかしら」
彼女は相変わらずの無表情な能面顔でそう言った。一週間前から降り続く秋雨が、僕と彼女しか居ない教室の窓を叩き、ザアザアと音を立てて鉄筋コンクリート製の校舎にはじけて消える。
天気予報では後四日はこの雨が続くらしい。その間に曇りもなければ当然晴れもないし、万に一つも晴れ間が出ることもない。
でも僕は何となく、本当に何となく、根拠も無ければ、理論も無いけども、物憂いげな無表情の彼女にこう言った。
「大丈夫、明日はきっと晴れるはず」
これにて終了です、読了お疲れ様でした。