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承(その一)

 僕は雨の日が好きだ。

 雨の匂いが好きだ。雨がコンクリートを叩く音に心を落ち着かせ、雨の日に傘を差して近所を気ままに歩くのを楽しみにしている。雨に濡れる町並を、家の中から眺めるのも好きだ。

 そんな僕を、彼女は変だと小さく静かに断言する。


 彼女は晴れの日が好きだ。

 日の光が好きだ。晴れの日の太陽の匂いを感じながら、日傘を差して散歩するのが好きだ。散歩しながら、水溜まりに写る青空を見るのも好きだ。

 そんな彼女を僕は変だと無情に断言する。


 僕と彼女はどこもかしこも違うけど、きっと似た者同士なんだろう。

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