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Part.1 プロローグ

「ふぅ…。」

男は冷蔵庫から出した麦茶をコップに注ぎ、それを一気に飲み干した。彼の名は棚家真二。売れない私立探偵であり、本編の主人公である。

「し〜っかし暑いねぇ。そういやクーラーってやつがあるとかなり快適に過ごせるって聞いたことあるなぁ。今度買おうか?」真二は助手である羽賀詩穂に話しかける。

「駄目です。先生のことだから一日中つけっぱなしで電気代がとんでもないことになるでしょう。…そもそもうちの事務所にクーラーなんて買うお金ありますか?」詩穂はあっさり返す。

詩穂の言うことは至極尤もである。この事務所は小さく無名であるため、たまに舞い込んでくる依頼はと言えば猫探しや浮気の疑いがある旦那の素行調査などが殆んどだ。

しかし、小説や漫画の影響で探偵稼業を始めた真二は

「もっと非日常的な事件を解決したい」と何やかやと理由をつけては来た依頼を断っている。

そのため、この事務所の台所事情は言うに忍びない状態である。

「う〜ん…またお袋に金でも借りて…」真二が口を開いた時、カランカランとベルの音が鳴り事務所ドアが開いたのだ。

三日ぶりの客である。

「いらっしゃいませ。」真二と詩穂は声を合わせて言う。

「こんにちは。」客も挨拶をする。

二人は来た客に視線を向ける。スラリと伸びた綺麗な脚。目鼻立ちの整った小さな顔。スーツの上からでもわかるプロポーションの良さ。その客は俗に言う

「美女」である。

…………………………

「なるほど、お祖父さんの遺産の相続について私に依頼したい、と。」真二はその客、泉堂恭子に確認する。

「はい、私の祖父は表向きは子供は私の母一人だったのですが、実は隠し子が三人おりました。その方達と私に相続の話が━━━私の母はなくなっているので、私に相続の話が来たんです。ですがちょっと問題がありまして…実は祖父の遺産というのが100億円以上あるらしくて……」勿論相続税である程度は徴収されるにしてもかなりの額である。

「それはまた凄い。で、問題とは何です?」真二が続きを促す。

「ええ…相続するには条件があるんです。祖父が考えた暗号を最初に解いた人が相続できるらしいんです。それなりの御礼は致します。力を貸してはいただけませんか?」遺産相続、暗号解読…真二の欲求を満たす最高のエサもとい依頼である。真二は勿論二つ返事で快諾した。

これが大変な事件への誘いであることを知らずに…

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