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ダメな女

※すべて実話です


「お前のまわり変人だらけで、しょっちゅう警察沙汰になってるんだからそれをネタにすれば?」


 と友人に(チャットで)言われた。

 ふむ。確かに面白い。


「じゃあ第一回は貴方様で」


「……殺すぞ。マジで」


 その後、バーカバーカお前の母ちゃんでべそという小学生レベルのいがみ合いが起こったが、なんとか許可を得た。


 彼は独身男性。いわゆるブサメンである。(※この表現許可もらってます)

 ただ彼のすごいところは子供が存在するところだろう。

 リア充?いいえ。

 実は彼は子供に会ったことはない。

 なぜなら存在自体を後で知ったのである。


 彼には中学時代から付き合っていた同級生の恋人がいた。

 過去形なのは別れているから。

 それも酷い別れ方であった。


 いわゆるNTR。

 親公認の付き合いをしていた彼は、大学入学後もそれ以降も彼女と付き合っていくのだろうと思っていた。

 ところが現実は甘くない。いや残酷である。

 彼女の相手は24歳の会社員。気が付いたら妊娠三か月。


「アタシ。彼と結婚するわ。アンタいらない」


 いきなりそう言われた彼は狼狽した。

 そして生まれて初めて暴力を振るった。

 喧嘩すらしたことのない温和な彼が人を殴るとは、私には未だに信じられないでいる。

 とは言ってもビンタ一発だった。

 殴られた彼女は彼をなじりながら真相を告白した。


 二股?違う。

 三股?違う。

 四股?違う。


 正解はわからない。


 そう。わからない。

 それが日常的過ぎて。

 ビッチ?それはビッチに失礼だ。

 彼女たちは少なくともこの女性よりは他人に対する敬意を持っている。


 確かに実際の男女間の付き合いでは、その関係が長期に渡れば間違いの一度や二度はあるだろう。

 人間は完璧な生き物ではないのだから。

 だが、人間の不完全性と日常的に間違えているのは別の話である。

 むしろ彼との関係が間違いだったとでも言いたいのだろう。

 だったら被害が少ないうちに別れればいい。

 なじりながら愛したことなどないとか余計なことを言って、気の弱い男を居酒屋一休で諭吉使うほど泥酔させるところまで追いつめなくともいいのに。

 付き合っている彼よりも好きな人ができることもあるだろう。

 それに対し謝罪すべきとは言わない。

 だが相手をなるべく傷つけない配慮が必要だろう。


 そんな彼女は日ごろから『浮気をしたら殺す』と言っていたそうだ。

 執着心は存在したのだろうか?

 それとも最初から心などなかったのか?

 それを考えると恐ろしい。

 彼女の愛も情もなかった鬼畜っぷりに私は神々しささえ感じた。

 彼は私の前で泣いて愚痴りながらろれつの回らない舌を震わせ注文。


「おねーしゃん。ウーロンハイもう一杯」


 酒の飲めない私にはこの空間は全然楽しくない。

 だがまあ仕方なので付き合ってやる。

 長い人生そういう時もあるのだろう。

 そう。その時はそれで終わると思っていたのだ。


 数年後、彼女の恐ろしさが発覚する。


「XX(呼び捨て)。XX今どこにいるのよ!」


 私に電話してきた彼女。

 電話がかからないので友人の私に電話してきたらしい。

 別れ話の後、友人は携帯を電話番号を持ち越さないで代えてしまっていた。

 しかもタイミングよく実家の家の建て替え工事のため、両親とともに隣の市にアパートを暮らしをしていたのだ。


「私と貴女の間には名前を呼び捨てにされるほどの友人関係が存在したことはありませんけど」


 私は最高に態度悪く自宅の電話で応対する。

 馬鹿を相手にはしたくないからだ。


「相変わらず面倒くさいわね!いいからXXの連絡先教えなさいよ」


 いやぷー。

 この表現は好きではないが、こいつは友人のメンツを潰しやがった。

 友人のメンツを潰したヤツの言うことを大人しく聞いてやるほど私は人間ができていない。

 だから少しだけイジワルしてやりたくなった。


「ではお待ちください」


 オンフックにして放置。

 携帯で友人に電話。


「……というわけでハニーが連絡先教えろってさ」


「……会いたくない。声も聞きたくない」


 ですよねー。


「了解」


 というわけで、家の電話の受話器を持ち上げ、大きく振りかぶってガチャ切り。

 流れるように親機から電話線を抜く。


「よし(ゲス顔)」

 ※実録非モテの行動FILE NO.1 小学生レベルの嫌がらせ


 私の作業はこれで終わり。

 あとは当人同士がなんとかするだろう。……きっと。


 そんな私の楽観的な予想を裏切り事態は変な方向へ転ぶ。


 そこは、またもや居酒屋一休。

 泣きながらカシスソーダを飲むのは友人。

 もうすでにマーライオンin便所三回目。

 ゲロ臭いニオイの友人を眺めながら私のテンションは駄々下がり。

 あの女また追い込みやがった。


 あのあと、携帯電話の番号を別の友人が教えてしまった。

 そしてすぐさま始まる電話攻撃。

 驚くのはその内容。


 てへ。実は私の子供、アンタとの共同制作だから。

 旦那にばれちゃって離婚になったから養育費よろしく!


 死ねばいいのに。


 それが私の正直な感想だった。

 離婚されて当たり前だ。


 好きな人できたから親の恥かかせても仕方ないしー。

 好きだから子供の親のこと黙ってても仕方ないしー。

 生まれてきた子供がどうなっても知らないしー。


 うっわぁ……完全に自分の事しか考えてない……

 彼女にとっては他人は踏み台でしかないのだ。

 関わる人間すべてを不幸にしていく地雷。

 そんな女性と結婚生活を維持できる男がいるはずがない。

 彼女がレアキャラであることを祈るばかりだ。


 さてその後、友人はどうしたのか?

 ……彼は大人しく養育費払ってやがるのだ。


「子供がかわいそうだから」


「じゃあ引き取れば?向こうは『いらない』って言ってるんだろ?」


 彼女の清清しいほどのクズっぷりに私は胃がもたれながらやる気なく答える。


「……」


 黙るな。

 確かに関わりたくないという気持ちはわかる。

 それに自分の子供かどうかの自身がないのも理解できる。

 だからこそ態度を明確にしておくべきなのだ。

 煮え切らない相手の態度に少しイラついたので嫌がらせ。


「ある日、子供を連れて現れて『あの人が私たちを捨てた酷いヤツよ!』って指差してきたりしてね……」


「あはははははははは(乾いた笑い)」


 ないわーと思うだろ?

 それがあったんだ……さすがに子供は連れてなかったが。



「もう無理……」


 テーブルに突っ伏す友人。

 今回はシラフ。

 そこは深夜のガスト。

 私は寝る前に呼び出されて不貞腐れながらスープバーのスープをがぶ飲み。


「あのバカ、親のところに突撃しやがった!」


 彼の実家で彼女の大演説会が催された。

 如何に暴力を振るってきたか、如何に浮気を繰り返したか、如何に彼が性的に弱い存在であるか。

 いわゆる捏造だ。(性的なことに関しては知らない)

 彼の家に乗り込んだ彼女はヒートアップ。

 離婚の原因すら彼のせいに。

 もちろん彼の親はそんな世迷いごとを信じなかった。

 というか彼女の親すら信じなかった。


 結局、彼女の実家への匿名の告発により養育費名目で金を搾取していることが発覚。

 彼女は実家から縁を切られた。(私じゃないよ!)

 なんというか……金がいくらあっても足らない大学生から月3万搾取するか?普通……

 彼女はいずこかへと逃亡。

 子供は彼女の実家で養育することが決まった。

 彼女が見つかるまで子供の事は保留。

 一生分の恥をかいた彼女の親は子供を連れてどこかへ引っ越した。

 彼は子供に会わずじまい。

 

 ……はい。一件落着。


 ないわ。


 さて、今度はつい最近の話だ。

 ショックで引きこもり、そのせいで大学を中退した彼は某家具チェーンのサラリーマンにクラスチェンジ。

 忙しい日々を送ってる。

 ある日、転勤を繰り返す彼のマンションにある女が引っ越して来たわけだ。


 「XX。久しぶり」


 はいはい。

 また居酒屋一休ですね。よくわかります。

先日、非嫡出子の違憲判決が出ましたね。

実は友人の子供が法律上どうなっているかは正確には知りません。

お金も言われるがままに払っていただけという……


ちなみにトラブルはまだ発生してません。

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