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暴力表現が入ります。苦手な方、不快感を覚える方、この頁を読まなくても話が分かるように努力していますので避けてください。
平手打ちされたのだと分かったのは、しばらく後だった。
なにかを考える暇もなく、私は拓海に組み敷かれていた。
乱暴に拓海が私の服を剥いでいく。
「ちょっ!!なにするのよ!!イヤだっ!止めて!!」
暴れるけれど、拓海の力は強くて気づけば何度か平手で叩かれていた。
突然の暴力は私には受け入れがたくて。
まさか、拓海が私に手を上げるなんて思ってもみなかった。
恐くて、身をすくめると拓海は私が抵抗をやめたと思ったのか私の体を撫で回し始めた。
何をしようとしているかは分かるけれど、そんなのは認められなくて。
こんなの、力に任せた暴力でしかなくて。
「許さない。桃、許さないからな。桃は俺のだ。俺から離れるなんて許さない。こんなほかの男の匂いをさせるなんて許さない!!」
自分勝手なその言い分に、なにも言い返すことも出来なかった。
首筋にキスをされても、嫌悪感しかなくて。
溢れる涙に、顔を隠して私は拓海が気が済むまでその行為を耐えるしかなかった。
そこに愛はなく、甘いあの感覚も幸福感もすべてなくて。
拓海が拓海じゃなくなっていくみたいで。
そして、私も私じゃなくなっていく。
こんなのはイヤだ。
初めての暴力に、私はなすすべもなく、別人のような拓海に身を震わせて。そして、嵐が過ぎ去るのを待つように、ただただ苦痛を受け流すだけだった。
・・・・・・・・拓海。
読んで頂きありがとうございます。




