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Another snow. -鈍感彼氏と弱虫彼女-

作者: 澪奈

以前投稿したsnow.(http://ncode.syosetu.com/n9789z/)のもう一つの物語です。そちらを読まれてから読んでいただけると嬉しいです。

「なんでこんなことなっちゃったんだろ・・・」

そう心の中でつぶやきながら一人で廊下を歩いていく。

今は夕方。帰宅部はもう帰り、部活に入ってる人はだいだい部活動中。

そんな人の気配がない廊下を歩いているあたしは浅田杏奈。朝比奈高校の二年八組。

こんなにあたしを悩ます相手は電車の時間がとか言って一足早く帰ってしまった。

名前は瀬田蒼太。隣のクラスの男子。

そして私の、初恋の人。


始めて出会ったのは小学校三年生のときだった。

向こうは全然覚えてないみたいだけど。

今よりずっと内気だったあたしはクラスで男子のからかいの対象になっていた。

その中心の男子があたしのことが好きでいじめてたなんて知ったのはだいぶ後のことなんだけど。

そんなわけで当時学校がだいっきらいだった。

でも・・・そんななかでも毎日学校に通えていたのは隣に住んでいたアイツのおかげだった。アイツが助けてくれていたから。

多分アイツは助けたなんて思っていないんだろう。クラスメイトに普通に接していた程度にしか思っていない。

そういうとこが好きだった。

でもあたしは転校してしまった。気持ちを伝えられないまま。

だから高校になってアイツと同じ学校だって気がついたとき本当に嬉しかった。だってまだ好きだったから。

しかも二年になって隣のクラスになって、しかも告白までされたのに、なのに、なのに、なんで、

「なんであたしあの時ふっちゃったんだろ~!」

「杏奈姉うるさい。」

声をかけてきたのは二つ下の弟(いつき)

家に帰ってきて自分の部屋で悩んでいたらひとり言が漏れてしまったらしい。

「ごめんー。」

一応謝っておいてからまた考え事に戻る。

そう、あたしは瀬田蒼太の告白を断ってしまった。しかも好きな人がいるから、って・・・

あの時はびっくりして、テンパってて、気がついたら、言ってしまっていた。

しかも好きな人を浅葱君だと誤解されて、協力するなんて言われて、しかも浅葱君に告るなんて・・・・

「どうやってしろっていうのさあっ!」

「あ~ん~なぁっ!」

「きゃぁっごめんっ!」

また樹に注意されてしまった。

「ったく・・・またソフトボール?」

「・・・は?」

杏奈ほんとにソフトだめだもんなあ、なんていって樹はもう納得してしまっている。

「え・・・ちょ、ちがっ」

「隠さなくっていいって。あと、杏奈がボールが打てない理由は思いっきり打たないからだよ。」

「え・・・?」

「杏奈姉打つ前にいろいろ考えて思い切りがなくなるんだよ。だからたまには全力で振ってみなって。な?」

そういって笑いかける弟の言葉は全然的外れなこと言ってるはずなのにあたしの胸に染みた。

「うん・・・私がんばってみようかな。」

「まあ伊達に俺も彼女いないしね。」

「・・・・えっ」

どういうこと?ソフトの話じゃ・・・

呆然とするあたしをよそに樹は悠々と部屋を出て行った。


・・・でも、がんばってみようかな。

鈍感なアイツと弱虫なあたし。

弱虫なあたしがどれだけ思い切りバットを振れるかわかんないけど、

でもキモチを伝えたいから。

それだけ決心すると杏奈は手紙を書き始めた。


鈍感彼氏と弱虫彼女が両思いになるのはもう少し後の話のこと。

澪奈です。

gdgd第二弾です(笑)

感想、アドバイス等お待ちしております。

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