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気まぐれセカンドライフ  作者: 誰かの何か
第4章 勇者が来るみたいだよ?
54/78

48 なんか、勇者到着したみたいです

待ってくださっていた方もそうでない方もお久しぶりです。

もしかしたらはじめましてな方もいるかもしれないくらい間が空いてしまいました…

今までの流れやら書き方やらを思い出しながらのんびり書いていくのでこれからもよろしくお願いします。

話の流れがおかしかったりしたらぜひ教えてください。直すかもしれないので…


 さて、いよいよ勇者は潤君の居る決別の間という城の最奥部に辿り着こうとしていた。

 ん?後は俺がやるから替われって?もう、我が儘だなぁ潤君は。




 俺は主人公だからな。

 やっと俺の出番が回ってきたわけだが…勇者って女の子かよ、やりづらいったらないな。


((そういやKY女神、みんなはどうなってる?))


((もう邪神王と魔天剣は戦闘を始めてるよ?獣懐狼はもう片付いた))


((そうか。ヴェルのところには1番弱い奴が行ったみたいだな))


((うん、多分貴族のお坊っちゃんが社会勉強だって感じでついていったんだと思う))


((ふ~ん・・・そろそろ来るな。んじゃ、何かあったら報告してくれ))


((は~い))


「あなたが魔王」


 そう言ったのはKY女神と会話が終わった瞬間に音無く入ってきた勇者であろう少女。

 さて、新キャラ登場時恒例の容姿チェックといきますか。服装はこっちのものであろう薄手の機動性に優れたタイプ。髪と瞳はもちろん黒。いや、光の加減によっては紫っぽくも見えるか?

 身長は150センチといったところか?下手すりゃそれ以下かもしれない。体型は痩せ型、よって胸も当たり前のように無い。少ないというより無い。

 顔はまあまあ。日本ではいわゆる可愛い部類に入りそうだ。何故か美男美女の多いこの世界では普通といったところか。俺なんかきっとブサイクの部類に入ってんだろうなぁ…なんか落ち込んできた。

 ああ、あと、どこか変だなと思ったら表情が無いからか。メイドさんも表情が無いっちゃ無いんだが、あの人は表情を作ってるからそんなに違和感が無いんだな~。


「もう1度だけ聞く。あなたが魔王」


 長時間思考の海に漂ってた俺にしびれをきらせて再度質問してきた。


「ああ、質問してたのか。語尾を上げ

たりしてくれないと分かんねぇよ」


「そう。あなたが魔王?」


 おぉ、言えるじゃないか。相変わらず表情は無いが…


「いや、どちらかと言えばお前と同じくこの世界の犠牲者だ」


 そんな胡散臭い奴だなオーラを出さないでくれ…


「どういう事?」


「まずはお互い武装を解除しないか?こんな物騒な物持ってたら話せるものも話せなくなっちまう」


 そう言って俺は神魔剣…オル、オル……オルギヌスだ。神魔剣オルギヌスを離れたところに放る。べ、別に剣の名前を忘れてなんかいないんだからねっ!


「分かった」


 勇者も続いて剣を捨てる。身体に仕込んだナイフ10本も捨てる。靴に備え付けられた隠しナイフを取り外し、懐から毒が塗ってあるであろう針を捨て…って、どんだけ武器持ってたんだ?




 5分後、少女はやっと武装解除をし終えた。少女の隣には武器が山をなしている。どこに入ってたんだ…


「終わった。この世界の犠牲者ってどういう事?」


「そう慌てるな。まずは自己紹介といこうじゃないか」


 やたら急かしてくる少女を大人の余裕で華麗に受け流す。

 え?華麗でも何でもないって?俺もそう思う。


「優、優 弥生」


「言っておくが俺は日本人だから普通に弥生 優って言って良いぞ?」


 結局髪は染めなかったし、目とか骨格とかは変えてないからどう見ても日本人なはずなんだけどなぁ。

 そんなビックリしたみたいなオーラはやめて。なんか自信なくす…ってかオーラで語るな。


「俺は潤。え~っと、、、羽山 潤だ」


 最近物忘れが激しいのかな…いくら普段苗字を言う機会が無いからって普通自分の苗字を忘れるか?あ~、やだやだ。


「自己紹介は終わった。進めて」


「・・・何の話だったっけ?」


 ふざけてるわけじゃなくマジな方でな。ついさっきまで話してた話の内容をすっかり忘れてる。

 おかしい。物忘れが激しいなんてレベルじゃなくなってる。


「ふざけないで。私とあなたがこの世界の犠牲者というのはどういう事?」


 そう言った優の声には少し怒気が含まれている感じがする。まあ、直前まで話してた事を忘れたなんてふざけてるとしか思えないわな…


「すまんすまん。それじゃ、説明するに当たってちょっと質問があるんだが」


「なに?」


「お前はこの世界にどうやって召喚された?」


 俺がその質問をした途端、優は初めて俺にもはっきりと分かる“恐怖”の感情をあらわにした。


「ッ!分からない」


 どう見たってごまかしてる。


「召喚された時に何かあったのか?」


 回りくどい言い方なんてせず、敢えて直球で聞く。

 すると今度は頭をかかえてしゃがみこんだ。目が虚ろだが、ホントにどうしたんだ?


「分からない、分からないよ。何で私なの?何でそんな事するの?何で、何で?」


 独り言のようにブツブツと呟きながら震えている。顔面も蒼白だ。


「お、おい。大丈夫か?とりあえず落ち着け、な?」


 優に駆け寄って肩を揺らして正気に戻そうとする。


「うぅ、お母さんはどこ?どうしてみんなして私をいじめるの?」


 ダメっぽいな。こうなりゃ荒療治だ。


「ちょっと気絶してもらうから、な!」


 俺は優の首に手刀をいれ、気絶させる。


「さて、起きたときにはもう少し落ち着いてくれるといいんだが」



「、ここは?」


 あれから30分後、優が起きたみたいだな。


「異世界だ」


「分かってる。もう少し詳細な場所を」


 少し記憶が飛んだのか?まあ、手刀で人を気絶させるなんて初めてやったからな…よい子のみんなは真似しちゃダメだぞ?


「ここはとある城、とでも思ってくれ。それでお前さんは俺に一目惚れして…」


「それはない」


 言い切る前に否定されちまった…何か切ない。


「ホントのところは俺とお前のどっちが(しもべ)となるかジャンケンをして俺が勝ったらお前が発狂して気絶した」


「発狂して気絶…あり得る」


「そこは否定して欲しかった!」


 どんだけ俺の事イヤなんだよ。

 ん?何で本当の事を言わないかって?優にとって触れられたくない事だったみたいだからな、敢えてほじくり返しはしない。


「つまり私はあなたの下僕になるの?」


「そういうことだな」


 うん、良い流れだ。これなら戦わずに済みそ…


「なら私はあなたを倒して約束を無効にする」


 そう言うと優は武器の山から日本刀に形の似た剣を取り出した。

 結局戦わなきゃダメなんだな…


「いや、あの、その…」


 ダメだ。何かうまいこと言って誤魔化そうと思ったが何も思いつかねぇ。


「ちなみにあなたの名前は?」


 名前も覚えてないって事は俺と出会った頃のことを全て忘れてるっぽいな。ということは俺が魔王だということも知らないと。


「羽山 潤だ。冒険者をやってる」


 すると優は驚いたような表情を浮かべ…って、出会った頃より表情が豊かになってるな。良いことだ。


「日本人?」


 あ~、またこのやりとりをするわけね…



 ということで同じシーン繰り返してもどうしようもないからカットだカット。


「同じ日本人のあなたを殺すのは気が引けるけど、これも私の為…ごめんなさい」


 そう言うと優は落ちている剣を拾って俺に向かって走ってきた。


「なんで出会って間もない女の子と戦わなきゃならんのかねぇ」


 言いつつ俺も落ちているオルギヌスを手にとる。

 まあ、記憶が飛んで混乱してるだろうから負ける事はないだろ、多分。


「壱式、疾風」


 そう言って剣を構えたかと思った次の瞬間には、優の姿が消えていた。


「速いな…だが、」


 俺は振り向きざまに一閃。本来なら空を斬るはずのその斬撃は優の剣とぶつかり合った。


「殺気が抑えきれてないぜ?」


「・・・・・」


 すると優は無言のまま半歩さがって剣を振るう。

 俺は身体を捻ることで剣の軌道から外れる。


「無視、か。まあ、いいさ」


 俺が馬鹿みたいに独り言を喋ってる間にも優が凄い速さで剣を振るい、俺が避けるという行動を繰り返している。


「周りの人間がみんな強過ぎるから目立ってないが、実は俺ってな…」


 速いだけで単調な攻防戦に終止符を打つべく俺は優の剣を蹴り飛ばし、オルギヌスを優の喉元で寸止めする。


「チート、らしいぜ?」


 きまった、と1人心の中で感動している俺だが…


「まだ、負けじゃない…」


 優が息を切らしながら喋りだす。


「妙な真似するなよ?俺はお前を何時でも斬れる状態なんだからな」


 何かありそうな口振りだが、とりあえず脅し文句を言っておく。


「あなたは闇、私は光…」


 優は脅し文句を聞いてすらいないかのように続ける。ってか、何で俺が闇属性だって知ってんだ?記憶が戻ったのか?


「光の在るところに闇はいられない…」


 何か嫌な予感がするな。心の準備だけはしておくか。


「私の光はあなたには毒。この世の根元たる光よ、かの者を眩い光のもとに浄化せよ…」


 辺りがキラキラと輝きだす。何かやばそうだ。


「詠唱を止めろ、さもなくば…」


「具現せし約束の地、カナン」


 俺の言葉を遮って詠唱を終えた途端、俺の視界は白で埋め尽くされた。



次回予告


潤「何かここにくるのも久しぶりな気がするな。まあ、いいや。さて、次回は…って、俺はどうなったんだ?ふむ、次回予告にならないが、とりあえず次回もお楽しみにって事で…」

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