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気まぐれセカンドライフ  作者: 誰かの何か
第3章 お城でお仕事
44/78

42 なんか、先が思いやられます

決着、そして…



「女王様から本気でいくように言われてるから・・・覚悟してもらう、よっ!」

 そう言ってシリチナは頭上に振り上げた剣を名の通り瞬息の間に振り下ろした。

 身体能力強化をした動体視力でも見えなかったぞ。

 だが当たらない所で剣を振っても…

「ぐっ」

 脚に鋭い痛みを感じたので見ると、刃物で斬られたような傷がついて血が滲んでいた。

「衝撃波、なのか?」

「よく気付いたね、全力で振り下ろした剣には衝撃波が生じるんだ。何故かは分からないけどね」

 衝撃波は超音速で移動する物体に発生する圧力波なんだが

「衝撃波は本来物体後方に出来るはずなんだが」

「向きの変換はこの剣に付加された特別魔法なんだ」

「なるほどね」

 そう言う間にも打ち合いをするべくシリチナに斬りかかる俺。

 近距離に持ち込まないと不利になりそうだからな。

「その行動には少しガッカリだな。ハッ」

 剣を打ち合わせた瞬間、幾千もの刃が俺を襲ってきた。

「ぐ、ガハッ!」

 おおっと、今年初めての吐血だ。どうやら剣の柄で殴られたらしいな、内臓がやられたっぽい。剣の軌道が目で追えないのが厄介だな。

「そろそろ終わりにしようか」

 シリチナが剣を収めた。あの構えは居合いか?剣で居合いって違和感あるな。

「こうなりゃ、受けきってやるよ」

 だから何で強気なの?俺。

 恐らくシリチナの最強の一撃が来るはずだ。

 物質化した魔力を3重に身体を覆い、防御力を上げる。更に魔剣を構え、見える斬撃に備える。

「良い選択だ。この技は避けられるものじゃない・・・一閃千殺!」

 シリチナが剣を振り切ると、質量を伴った銀色の衝撃波が全方位に広がる。戦場でやったらフレンドリーファイアーもんだな。

 魔剣に込めておいた魔力を開放して衝撃波の威力を緩め、魔力の壁も2枚破壊し、3枚目にひびを入れてそこで止まった。


「・・・オレの負けです。メイドさん」

 シリチナが不意にそんな事を言い出した。

「魔法が禁止のルールですから、そのようですね」

 よく見るとシリチナの剣はさっきの大技で柄から先が無くなっている。

「ふん、甘いのお主は…ジュン、お主の勝ちじゃ。妾たちはもうノルティを追うことを止めよう。しかしノルティは野放しにしておくにはあまりにも危険じゃ。アヤツの事は任せたぞ」

「任せてください、と言いたいところですが、危険とはどういう意味ですか?」

 するとメイドさんがヤレヤレといった感じで言った。

「頭の悪いジュン様ですね。危険とは、現在または未来において害を及ぼす可能性がある行為の事でございます」

「・・・わざとですよね?」

「はい。ノルティ様についてはあの方が自分でお話しになるまで待った方がよろしいかと」

「分かりました、そう早く言ってください」

「申し訳ありません」


「話は以上じゃ。各自戻ってよいぞ」

 女王の一言で俺たちは解散した。


 さて、俺も戻るかな。

 ・・・シリチナ、プロミネントギルダー第9位か。他のプロミネントギルダーはどんだけ強いんだ?

「精進しろ、ってか」

 その前にちょっと調べ事…



「プロミネントギルダーの順位とか詳しい事は何も知らないからな」

 俺はハリンテ城の書庫にいる。

「これか、」


《プロミネントギルダー大辞典 最新版》

 プロミネントギルダーは現在6人の所在が特定されており、最聖賢アレス、邪神王サナトス、瞬息剣シリチナ、悪魔殺しテナ、時操師クラン、守砦壁ヘクトが特定されている。

 プロミネントギルダーには順位が付けられており、それは1年に1度行われる闘技会で決定される。

 現在の順位は

  第1位 邪神王サナトス

  第2位 時操師クラン

  第3位 獣懐狼ノルティ

  第4位 最聖賢アレス

  第5位 悪魔殺しテナ 

  第6位 大気使いシニフ

  第7位 魔天剣クラウ

  第8位 未来視ウィスニル 

  第9位 瞬息剣シリチナ

  第10位 守砦壁ヘクト

 となっている。また、今回調査した結果、プロミネントギルダーにはそれぞれ特別魔法を持っておるが、実状はよく分かっていない。

 なお、プロミネントギルダーには伝説持ちも多く、それについては20952ページを参照。



 ページ数多っ!ってか伝説持ちって何!?気になるな。



《現在のプロミネントギルダーの伝説》

 現在のプロミネントギルダーで伝説持ちなのは5人いる。

 邪神王サナトス

  神魔人戦争の時、1歩進めば100の兵が散り、片手を振り上げれば1人の将が消え、目を付けられた者は神でも死からは逃れられなかったという。

 時操師クラン

  彼が12の時、当時街の領主がいた城を一瞬の内に廃墟にし、記憶に新しいテログループの村に引きこもった事件では、やはり一瞬の内に村は跡形もなく消えていた。

 獣懐狼ノルティ

  彼女がまだ初級冒険者の頃、グランドドラゴン(龍種最高位)を1人で倒したという報告を受け確認すると、骨のみになったグランドドラゴンとその前に立つ彼女の姿だった。

 最聖賢アレス

  御歳102になる彼だが、98の時の闘技会ではテナを5秒と経たずに戦闘不能に陥れるほどの強力な魔法を使ったらしい。

 悪魔殺しテナ

  彼女の代名詞ともなった悪魔殺しだが、これは4年前の大悪魔聖戦にて、彼女の武器と共に大悪魔に挑み、何か特別魔法によって倒したらしい。



 おぉう、みんな怖ぇな~。この上位5人とは戦いたくないな~。生き残れる気がしないわ…

「ま、俺は俺って事で」

 そう言って書庫を後にした。


次回予告


潤「最近本編が多いな~、そんな事を思ったそこの君っ!安心してくれ、次回から少しの間、ちょっと緩~い感じの話題になるぜ」

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