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気まぐれセカンドライフ  作者: 誰かの何か
第3章 お城でお仕事
43/78

41 なんか、どうなんでしょう

 今年最後になるであろう投稿。

 みなさん今年、といっても11月からですか?今年はありがとうございました。

 どうぞ来年もよろしくお願いします。

 さて、夕食が虫料理じゃなかったからアゲアゲでいくぜ~!ハハハハハッ!

 ・・・え?これはこれでウザイって?じゃ、やめます。

 サナトス、ヴェル、俺の3人で和やかな雰囲気の中進んだ夕食は1時間ほど続いた。その後、ヴェルが帰るとサナトスに伝え、転移魔法でハリンガルの入り口まで送ってもらった。


「そういやヴェル、サナトスの事苦手とか言ってなかったっけ?」

「う~ん、優しいし良い人なんだけど見た目が怖くて…」

「なるほど、それについては同感だ」

 なんせ俺が3人分くらいのデカさの骸骨だからな。

「それにあたしやおにいさんには優しかったけど、気に入らない人に対しては迷いなく命を奪い取るからね…プロミネントギルダーの中でも1番強いから、オジサンを止められる人なんていないし」

「いかにも強そうだったけど、あの人が1番か」

「戦場でオジサンが1歩進むと100人の命が散るって言われた程だしね」

 もはや別格だな…

「そりゃ恐ろしい。あ、俺はこのまま城に戻ろうかと思うけど、ヴェルはどうする?」

 するとヴェルは一瞬の迷いを見せ、次の瞬間には決心したように

「ちょっとあたしの話を聞いてくれる?」

 と、尋ねてきた。

「ん?おう、いいよ」

 何の話だ?

「おにいさん、あたしの名前が何だか分かる?」

「当たり前じゃないか、ヴェルの名前はノルティ・タリス。俺がプロミネントギルダーと出会うことを避けていると知って、嫌われたくないヴェルは名前を偽って友達としての対等な付き合いを目指した」

「・・・知ってたの?」

「おう、確信したのは魔天剣とかいうプロミネントギルダーと戦った時だけどな」

 むしろあれだけヒントがあれば嫌でも気付いちまうだろ。

「そう、あたしがプロミネントギルダーかもって思ったのはいつから?」

「最初に城の庭で会ったときからだな、俺はこう見えて気配察知能力に優れててな、大方の人の気配には気付くんだ。だがヴェルには気付かなかった。つまりは相当な手練れ、もしくはプロミネントギルダーの上位にしか使えないらしい転移魔法の使い手って事だからな」

「なるほどね~、おにいさん頭いいね。で?どうする?あたしとは関わらないようにする?」

 はぁ、まったく

「セレンの時といい今回といい、何でお前らは本当の事を俺が聞いたからって、突き放すと思ってるんだ?」

 そこで俺は一息おいて

「これからもよろしく頼むぜ?俺の友人、ヴェル」

 一息おいた方がカッコいいだろ?え?そうでもない?さいですか。

「おにいさん…これからもよろしく!じゃねっ!」

 そう言うと、姿が揺らいで消えていった。

「うん、子供は元気が1番」

 と、訳もなく爺臭い事を言って俺は城へと向かった。



「無事国書を届けられたようじゃの。苦労をかけた」

 ここは謁見の間。俺、女王、メイドさんが揃っている。

「いえ、行きも心強い味方がいましたから、帰りはサナトスさんに転移魔法で送ってもらったので」

「ほう、あのサナトスが。いや、それよりも心強い味方とはノルティの事かの?」

「やはりあなた方でしたか。ヴェ、いやノルティの言ってた追っ手とは。アイツが嫌がってるんで止めていただけませんか?」

「それは・・・・・無理なそ…」

 ガキンッ!!

 そんな音を伴って俺の魔剣オルギヌスとメイドさんのフォークが交差する。

 フォークって、そんな物で俺の斬撃を防いだとか俺の心が立ち直れないです。はい。

「武器をお収めください。ジュン様」

 ぎらついた目で俺を見てくる。

 怖っ!思わず武器を収めたくなっちまう。

「そういうわけにはいかなくてな。前世と同じ過ちは繰り返すつもりはない」

 前世についてはあまり聞くなよ?色々あるんだよ。

「前世に何があったか知らぬが、そこまで言うならいいじゃろう。条件を満たせばもうノルティを探すことはしない」

「条件ってのは?」

「お主に力が無ければそんな綺麗事に意味はない。シリチナと戦い勝ってみせよ」

「なるほど、そうしましょう」

 何で強気なの?俺。勝てる要素ないよね?



「よく分からないが、オレとジュン君の模擬戦という事でいいのかな?」

 南側の庭に呼び出され、行くとそこにはシリチナと女王とメイドさんが立っていた。

「え?まあ、はい」

 模擬戦なんて聞こえは良いが、要は俺とシリチナのガチバトルだろ?やりたくね~。

「ルールとしましては、制限時間10分、魔法での攻撃は許可いたしません。しかし特別魔法はその限りではないので、存分にお使いください。勝利の条件としましてはどちらかの戦闘不能が認められた時となります。なお、引き分けの場合はジュン様の負けとなります」

「えっ!?引き分けでも俺の負けなんですか?」

 相手はプロミネントギルダーなのに。

「シリチナ様はプロミネントギルダーでも実力は下から2番目、第9位となりますので、少なくともシリチナ様に勝てないようでは、これからノルティ様を守るのは無理かと」

「はぁ、分かりました」

 そう言って魔剣オルギヌスを持って前に出る。

「シリチナ、手を抜くでないぞ?」

「承知しております」

 そう言ってシリチナも前に出る。


「では、始めてください」

 静かに言い放ったメイドさん。それと同時に身体能力強化をかけ、魔剣に魔力を込めた。

 さすが魔王の魔剣。黒刀より扱いやすいぜ。

「黒鴉!」

 通常の3倍の速度で赤い、いや黒い魔力が飛んでいく。

 しかし

「遅い、遅すぎる」

 そう言ってシリチナは突っ立ったまま(恐らく目に見えないスピードで剣を振っているんだろう)黒鴉を散らした。

「くそっ、闇世界!」

 って事で魔剣の取扱い説明書に書いてあった剣技『N-001』だ。俺の厨二力を総動員して闇世界と名付けた。

「くっ、なんだこの技はっ!」

 効いたみたいだな、良かった良かった。

「食らえ、闇針」

 俺からはシリチナがよく見えるので、楽に狙える。

 ズドドドッと音がして、シリチナを土煙が覆った。

「やったか?」

 あれ?これ、やってないフラグじゃね?

「はぁ、油断したよ。まさか開始早々この技を使わされるとは」

 やっぱフラグだったのか…そこには無傷で立つシリチナの姿があった。しかしどこか変だ。

「気配が、変わった?」

 なんとなく雰囲気が違うというか何というか。

「久しぶりの感覚だったよ。本当に久しぶりにヤバいって思えた。でもねジュン君」

 そこでシリチナの姿が消えた。

「オレもタダでやられるわけにはいかなくてね」

 後ろか!

 そう思った俺は魔剣を背後に向かって薙ぐ。

 キンッという澄んだ音と共に剣が交わった。

「くっ」

 苦悶の声を上げる俺。対してシリチナは

「ほう、良い反応だ」

 余裕そうです、はい。

「転移魔法なんていつ…」

「勘違いしないでほしいな。オレの身体は転移魔法なんて使わなくても十分に速く動ける」

 筋肉バカが、と心の中で悪態をつき鍔迫り合いを解消するため余っている片手で

「闇針」

 をシリチナに放ち、互いに距離をとる。

 さて、どうするか…



次回予告


潤「来年に戦闘が持ち越しって…しっくりこないな~。って事で次回はシリチナとの後半戦だ。あ、ところで俺の作った年賀状を発売するぜ!買いたい人は……え?発売しないの?」

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