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気まぐれセカンドライフ  作者: 誰かの何か
第3章 お城でお仕事
38/78

38 なんか、拾いました

 調べたりしたわけじゃないので間違った知識が書かれているかもしれないので悪しからず。


 緑色の光の後について行ってるさけど、一体どこに連れて行こうっていうんだ?

 ってか何でついてきちゃったんだよ俺!知らない人について行っちゃダメって教わったでしょ!あ、光だからいいか、人じゃないもんね。

 ・・・・・いやいや!よけい怖いわ!俺は幽霊みたいなのが滅茶苦茶苦手なんだよ。

 そんな事を考えていたら、不意に緑色の光が強く光った。到着か?

 見ると、どうやら池に辿り着いたらしい。うん、心霊スポットだ。

 しかも目を凝らすと、池の岸辺で座り込む1人の女性が……よし、戻ろう。

 しかし身体はそれを許してくれず、だんだん女性に近づいていく。別に相手が女性だからとかではないと思うぞ?

 女性の横に強制的に(ここ重要)座らされると、身体も自由になった。


「君が私が2174年の間捜し求めてた主ね?」

 キラキラした目でハツラツと言われた。あれ?幽霊ってこんなに元気だっけ?

「いえ、人違いです」

 俺はこの人知らないしな。ってか何年捜し続けてるんだよ。

「そんなはずはないよ、君、異質な魔力を持ってるでしょ」

「長い間洗濯しなかったから黒ずんだだけです」

「いや、黒い魔力の中でも異質って言ってんの」

 俺のボケが中途半端にスルーされた…

「俺にはよく分かりませんけどね。それで?俺があなたの捜し求めてた人だったとして、何がしたいんですか?」

 すると、幽霊はよくぞ聞いてくれたと言わんばかりに…

「よくぞ聞いてくれた!」

 俺が今言ったんだから被せるな!

「君は私を使ってた魔王の魔力に性質が似てんだよね~、だから私をあげちゃおうかなって思ったわけ」

 魔王に使われてただって!?使うってどういう意味?それに私をあげちゃおうって…女の子がそんな事言うんじゃありません!

「え、え~っと、頭の整理がつかないんだが…ちょっと待っててくれ」

「どうぞ、でもなるべく早くね。私もこのままじゃつらいから」


((おい、KY女神!))

((何~?まだ夜中なんだけど))

((なんか俺の前に幽霊出たんだけど))

((えっ!?やめてよ、私怖い話とか苦手なんだから~。じゃ、おやすみ))

((おい、ちょ、待てよKY女神!))

((Zzz))

 今時珍しい寝息!ゼットゼットゼットなんて初めて聞いたわ…って、え!?マジで寝やがった!使えなさすぎだろ。こりゃ降板決定だな。


「うん。なんか、整理はつかなかったけど、どうぞ進めて」

「え、いいの?まあ、こっちも時間無いから助かるけど……でね、単刀直入に言うと、魔王と同じ魔力を持つ君に私をあげようと思うの」

「それはさっきも聞いた。その、あげるっていうのはどういう意味なんだ?」

「う~ん、今の姿じゃ信じてもらえないだろうけど、実は私、魔王に使われてた武器なんだ」

「うん。信じられない。証拠は?」

 武器に変身してくれれば本当だって認めてやろう。

「いや、契約してもらわないと武器の姿になれないんだよね」

「契約しなきゃ見せられないって、もしかしてお前…」

「あ、やっと分かってくれた?」

「詐欺師だな!契約して俺から大金を巻き上げようって魂胆か。だが残念だったな、俺はそんな大金持ってない」

「違うわっ!私は見返りを求めないから、サッサと契約しちゃってよ」

「冗談だったんだけどな~、っていうか契約っていってもどうやってするんだ?」

「ん~、契約するって言わなきゃこっちも言えないなぁ」

「とってもブラックな香り!ホントに危なくないんだろうな?」

「危なくないって~、で?契約する?」

「お前の利益は?」

「使ってもらえる事かなぁ」

「そもそも使うって何なんだよ」

「あ~、もう!面倒くさいな~!」

 そう言うと、コイツは俺に飛び込んだ。いや、隠さずに言うとキスしてきた。

 咄嗟のことで何も抵抗の出来なかった俺は倒れた。

 ・・・倒れた拍子に舌噛んじゃったじゃねぇか。

「ふぅ、ご馳走様。契約完了だよ?」

「うぅ、ファーストキスだったのに」

 ニヤリと笑うコイツに涙を流す俺。

「女の子みたいな事すな!鳥肌立つわ!」

 鳥肌立つって…そこまで言わんでも。まあ、嘘泣きだからいいけど。いいのか?

「で?契約したら何が起こるんだ?」

 見た感じ何も変わっていない。

「あと10秒くらい待ってて。そうすれば分かるから」

 そう言った途端、コイツの身体が光り出した。

「あ、もうすぐ私の感情が無くなるけど、絶対売らないでね。ってか持ち主が君じゃなくなった瞬間、私はこの姿に戻るからそのつもりで」

 そう言い残すと、コイツは消えた。


「何だったんだ?夢でも見てたのかな」

 戻って寝ようと思い、立った瞬間、女性が居た場所で何かが目の端に入った。

 近寄って見ると、

「剣、だな」

 刀身が黒く美しい造形だが、目に見えるほど禍々しいオーラを放つ西洋の剣がそこにはあった。・・・取扱い説明書付きで。

 せっかくのオーラが台無しだぞ。

「うわ~、手に取りたくねぇ…でもアイツが言ってたのってコレのことだよな~」

 放置しておくわけにもいかないので、とりあえず握ってみる。

 ほう、これは

「剣、だな」

 何を当たり前な事言ってるって?いやいや、だって俺この世界に来るまで剣なんて触ったこと無いもん。確かに握ってシックリくるけどさ、剣ってそういう物かもしれないじゃん。

 しかし丁寧に使われていたのか、刀身には血脂の跡ひとつない。

 初心者の俺が見る限りでは、形状は片手半剣、いわゆるバスタードソードだ。刃渡りは1.5メートルくらいか…って長っ!魔王はどんだけデカかったんだよ!よくこんなの持てるな俺。ん?そういえば重さを感じないな…まぁ、いいや。

 バスタードソードの特徴でもある狭い刃には金色の文字で何か書かれている。いかにも魔剣って感じだな。

 それにこの剣、

「魔力がよく通るな」

 魔王仕様ってやつか?


 そういえば説明書があったっけか?一応読んどくか。

「って、もう時間か……んじゃ、説明は次回だな。ちゃんとバスタードソードについて勉強しとけよ?」

 って、何独り言言っちゃってるんだ俺。


次回予告


潤「次回は説明回か…面倒くさいな。やっぱり魔剣なんてありませんでした、って感じになんないかな~。え?ならないって?はぁ」

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