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気まぐれセカンドライフ  作者: 誰かの何か
第3章 お城でお仕事
37/78

37 なんか、怖いです

最近スマートフォンが落ちやすくて文章が消える…


「ハッハッハッ!俺より強いと言われた獣懐狼を倒したぞ!」


 肌が黒く、目が真っ赤な魔族が、下には約30メートル、上には雲まで三角錐に切り取られ、いや、消された風景を前に高笑いをしていた。




「ホント、おめでたい魔族だよ、魔天剣」


 魔天剣は思わず冷や汗を浮かべる。


「ハハハッ、まだ奴の声が聞こえてきやがる。幻聴か?」


「やれやれ、五感が封じられたおにいさんを移動させるのも大変だったよ」


「そんなバカな!てめぇは確かに俺の魔天・断罪で空間ごと消し去ったはず」


「プロミネントギルダー第3位が空間転移の1つも出来ないと思う?第7位の魔天剣さん」


「クソがァァァ!!」


 そう叫びながら魔天剣は天叢雲剣を振り上げる。


「そうやってすぐに頭に血が上るのが悪い癖だよ。せめて第5位に勝てるようになってから出直してきなよ。テレポートっと」


 そう唱えると魔天剣の身体が光り出し、消えた。


「行き先は・・・・・よく分からないや」


 そんな事を言いながらおにいさんに掛かっているクローズを解く。


───────────────────────────────────


 潤視点


 寝ていたら急に明るくなって、目を開けると前にはヴェルが居た。


「お?おうヴェル大丈夫だったか?心配したぞ~」


「ウソだ!今絶対寝てたでしょ!」


 何でバレてるの!?完璧に隠せてたはず…


「ちょっと心眼使って戦闘の様子を窺ってた」


 するとヴェルはジト目をして俺を見てきた。どういう事?


「おにいさん、涎」


 そう言って俺の口元を指でなぞった。

 う~ん、確かに涎だ。って、


「女の子がそんな事するんじゃありません!」


 まったく、はしたない。不覚にもドキッとしちゃったじゃないか。


「お母さん!?あたしのお母さん!?」


「いや、おにいさんだ」


「急に冷静にならないでよ…しかも自分でおにいさんって」


「それよりも、大丈夫だったか?」


「うん、相手も本気じゃなかったみたいだからね」


「何にせよ、無事で良かった」


 一通り安否も確認出来たし、


「んじゃ、行きますか」


「いいの?」


「ん?何が」


 行っちゃ何かまずいのか?


「あたしの事、気にならないの?」


「え?そりゃあ女の子としては魅力的な方かと思うけど…」


「ありがと。って、そうじゃなくて!あいつが言ってたことの方!」


「あいつ?ああ、魔天剣とかいうプロミネントギルダーの事か。ヴェルの事何か言ってたな。まあ、気にしないさ、ヴェルが言いたいときに言えばいいよ」


「・・・・・そう」


「じゃ、行こうぜ。あと1週間でレーテルンに着かなきゃいけないし」


「うん!じゃ、またローブにいれて~」


「おう!ヴェルの耳は任せとけ」


「や、やっぱやめようかな…」


 そう言って俺から離れようと後ずさる。


「フッフッフッ、よいではないか~」


 俺はそんなヴェルを抱き寄せて撫で回す。


「あ~、もう!おにいさんったら。・・・・・ありがと」


 聞こえないように言ったつもりなんだろうが、この至近距離じゃ丸聞こえだぞ。


「ハハッ、どういたしまして」


「き、聞こえてたの!?サ、サッサと行こ」


 ヴェルはローブの中にいるから顔は見えないが、きっと顔を赤くしていることだろう。




「いつの間にか夜になっちゃったな~」


 俺たちは今レーテルンの森にいる。めっちゃ不気味なんですけど…


「しょうがない、野宿にしよっか」


「ヴ、ヴェルさん?野宿ってこの森でですか?」


「そうだけど?夜に森を歩くのは遭難の危険があるからね」


「いや、遭難と同じくらい危ないものがここには居そうなんだが」


「獣は何故かここら辺にはいないから大丈夫だよ?」


「何かいるからじゃね?獣は分かってるん

じゃね?」


「もしかしておにいさん、怖い?」


「な、な、な、何の事やら」


「んじゃ、野宿しても大丈夫だね」


「お、おう、サッサと寝る場所探そうぜ?」


 声が震えてる上に裏がえってしまった…恥ずかしい。




「ここでいいかな?」


 俺たちは森の中でも比較的開けた場所で一晩過ごすことにした。

 野宿なんてこの世界が飛ばされた時以来だな…


「じゃ、暖をとって夕食にするか」


 枯れ木を拾ってファイヤーで焚き火をした。


「夕食は干し肉と野菜と缶詰めがあるけど何がいい?」


「あたしは干し肉だけでいいよ~」


「ちゃんと野菜もとりなさい!栄養バランスが悪いわよ!」


「お母さん!?ってもういいよ、そのノリ…」


「だが実際に野菜はとった方がいいぞ?太るぞ」


「女の子にその言葉は禁句だよ!人狼族は肉食で野菜は食べないの。体重だって軽いんだよ?」


 ヴェルは肉食系女子と、え?意味が違う?


「ふ~ん、ならしょうがないな…じゃ、どうぞ、お姫さま」


「どうも、おにいさんは何食べるの?」


「俺は野菜でいいかな、そんなに肉は好きじゃないし」


「おにいさんだってバランス悪いよ。お肉も食べなきゃ」


「へいへい、今度な。じゃ、夕食にしようぜ」


「うん。いっただきま~す」



 夕食なんて普通の風景はカットさせてもらうぞ?

 夕食が終わって俺たちはすることも無いので寝ることにした。


「見張りは俺がしてるからヴェルは寝てていいぞ」


「この森に魔物の気配は無いし、おにいさんも寝て大丈夫だよ?」


「そうですか。じゃ、寝ましょ寝ましょ」


 そう言って俺たちは寝袋の中で寝ることにした。

 いや~、怖ぇなぁ…ヴェルはもう寝息を立てている。って早!!

 目開けてんのも怖いけど閉じるのも怖いな…どうしろっていうんだ。

 そんな事を考えてたら、ふと視界の端に緑色の光が見えた。

 あ~、嫌な予感しかしねぇ…


「行かないわけには……いかないんだろうなぁ。ヴェルは、寝てるか。一応魔法掛けとくか、闇玉っと」


 そう呟いてヴェルを俺の魔力で包む。新技というほどのものではない。単に魔力の壁で防御力をあげるだけだ。


「行ってくるか…ちょっと待ってろよヴェル」


 そう言って俺は緑色の光を辿って歩いていった。




「ん?これは?おにいさんの魔力?どこか行ったのかな?あ~眠っ、寝よ寝よ」


次回予告


潤「怖ぇ~、行きたくねぇ~。何で緑色の光について行っちゃったんだよ俺!もうやだ。帰りたい…」

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