34 なんか、案内してくれます
まったくの気分で書いたものですが何か?
《メイドさんの 教えてハリンテ城~》
ドンドンパフパフッ!
「え?何これ」
出だしからよく分からないんですけど…ってか変な効果音流れたし。
「本日はハリンテ城の事を何も知らない、無知で無能で役立たずなジュン様にこの城をわたくし自ら案内してさしあげようという企画です」
「俺ってそんなダメ人間だっけ…どうして急にそんな事やり出したんですか?」
「前回のあとがきで仰っていたではありませんか。ご自分の発言に責任をもって下さい。だから無知で無能で役立たずと言われるのです」
「あとがきまで責任もてねぇよ!?ってか無知で無能で役立たずなんて生まれてこのかたさっき言われた以外言われたことねぇよ!」
「やれやれ、ジュン様はツッコミが多くてなかなか先に進められません。だから無知で…」
「もういい!無限ループするから!で、案内ってどこを案内してくれるんですか?」
「やっと進みましたか、本日はジュン様が今まで行ったことのない場所へ案内しようと思います」
「行ったことのない場所?あぁそういう事ですか」
「納得をしていただけたようなので早速行きますよ?」
「お願いしま~す」
「まずは屋内から案内いたします」
そう言われて俺は何かの部屋の前に連れてこられた。
「ここは何の部屋ですか?」
どう見ても普通の部屋だが…
「ここはわたくしの執務室です」
「あぁ、メイドさんに会いに行くときはこの部屋にくればいいんですね?」
「いえ、この部屋は入った途端死にます」
えぇぇぇっ!!死ぬの!?入ったら死ぬの!?
「はい、なのでお気を付け下さいということです」
「そういうことですか…ってか勝手に心を読まないで下さい」
「分かり易すぎるものでして、では次へ行きましょう」
「ここは…」
「はい、女湯でございます」
「いや、俺ご利用できないから」
「で、出来ないのですかっ!?」
「そこ、わざとらしく驚かない」
「いえ、ジュン様はそのうちここに来て…」
「いやいや!俺はそんな事しないから!」
「しないのですかっ!?」
「はぁもういいです。次行きましょう」
「ここは書庫でございますが……ジュン様はご利用しませんね。次行きましょう」
「ちょ、待って下さい。少なくとも女湯よりかは使いますよ!」
「そうなのですかっ!?」
「いや、その反応もういいから」
「そうですか。この書庫ですが、物語、伝説、魔法についてなど、様々な本が置いてあり、蔵書数は100万にも昇ります。ここにある本はいつでも閲覧することはできますが、特別魔法についての本は女王に許可をもらわねば閲覧できません」
「分かりました。ところで、特別魔法って何ですか?」
「チッ 特別魔法とは例えばジュン様の闇魔術のような一部の人にしか使えない魔法のことです」
舌打ちされたっ!?ってか俺の黒い魔力って闇魔術っていうんだ。
ん?ちょっと待てよ?
「何でメイドさんは俺が闇魔術を使えることを知ってるんですか?」
メイドさんの前じゃ1度も見せていないんだが…
「黒髪には闇魔術を使える人がいます。またジュン様が悪魔である事は女王様から聞いておりますから。悪魔と呼ばれる人は皆闇魔術が使えます」
「そうでしたか」
「では時間もないので次に行かせていただきます」
「屋内最後は調理場となります」
「へ~、でもやっぱり俺使いませんよね?」
「そんな事ありません。予め申し出ていればお菓子を作ることも……すみません。ジュン様は料理が出来ませんでしたか」
「いや謝る必要はないよ!?俺料理しますし」
「そうなのですかっ!?」
「・・・その返し気に入ってますよね」
「はい」
「はぁ、屋内はもういいので外へ行きましょう」
「ここは普段兵士が訓練する南の庭でございます」
「へ~、そういえば木剣とか打ち込み人形とかが置いてありますね」
「今は訓練をしておりませんが昼になれば訓練が始まるはずですので、参加してみてはいかがですか?」
「やってみ…」
「あぁ、言い忘れていましたが、シリチナ様が今度手合わせしたいから訓練に来てほしいと仰られていました」
「…ようと思ったけど俺も忙しいからな~、あぁ残念だ」
「わざとらしいですよ?ジュン様」
「さ、次行きましょう、次」
「・・・・・分かりました」
「ここは女王のお気に入りの東の庭です」
そこは中央に噴水があり、周りを囲むように色とりどりの花が咲いていた。
「綺麗な庭ですね。1年中花が見られるように四季の花を取り揃えているようですし」
「ジュン様は花にお詳しいのですか?」
「少しなら分かるかな」
「なるほど、幼少期に遊ぶご友人の居なかったジュン様は花を見ることで孤独を癒していらっしゃったと。トラウマを掘り起こしてしまい申し訳ありません」
「いやいや!俺そんな寂しい幼少期送ってないから!何勝手に捏造してんですか!?」
「そうなのですかっ!?」
「・・・・・・・」
「・・・・・申し訳ございませんでした。次行きましょう」
「ここが城の皆様の憩いの場である北の庭です」
「東とか西の庭は来ないんですか?」
「東の庭は女王様の憩いの場ですし、西の庭は、ある理由があって皆様はご利用になれません」
「え!?西の庭って俺が夜に居た場所ですよね?まずかったんですか?」
「いえ、ジュン様は特に問題ありません。どうぞお気になさらず」
「呪われた場所とかじゃないですよね?」
「そんな事は・・・・・ございません」
「何その間!呪われてませんよね?」
「ちょっとした冗談です」
「俺は本気にしてました」
「これで城内の案内を終えたわけですが、どこか見ておきたい場所はありますか?」
「ついでですから西の庭も案内してほしいです」
「チッ では付いてきて下さい」
「また舌打ちされたっ!?メイドさんって絶対俺の事嫌いですよね?」
「あいらぶゆーです。ジュン様」
「分かり易すぎる!メイドさん絶対俺の事嫌いだ!」
「そんな事より、早く行って終わらせましょう」
「面倒くさいんですね?」
「ここが西の庭です。わけあって今はジュン様以外使用禁止となっています」
「わけってのが気になりますが…」
「やれやれ」
「何ですか、その察しろよって雰囲気」
「おかしな事を言うジュン様ですね」
「俺が悪いのか、今の俺が悪かったのか」
「さて、もう案内してほしい所はないですね?では、わたくしはこれで」
そう言うとメイドさんは屋内へと戻ってしまった。
「えぇっと……何これ」
残ったものはすっかり置いていかれた俺の虚しい呟きだった。
次回予告
潤「皆さん聞いて下さいよ、作者はこの話書くのに30分掛けてないんですよ?もう少し丁寧に書いてほしいですよね。まぁ、ここで愚痴を言ってもどうしようもないんですが。さて、次回は……何しよう」