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気まぐれセカンドライフ  作者: 誰かの何か
第2章 ギルドでお仕事
27/78

27 なんか、女王居ますけど…

予告通り2話目投稿


 憂鬱、それは精神的な苦労により気持ちがふさぎがちになる事。

 それが今の俺の状態である。決して城での食事は豪華なんだろうな~なんて思ってはいない、断じて。


「オムライスがいいな…」


 断じて食事の事は考えていない。大切な事なので2回言いました。


「何か言った?」


 おっと、口に出していたのか。


「いや、特に何も?」


「そう、ならいいわ」


 ふ~、何とかやり過ごせた。


「ときにジュン君、もうすぐハリンテの中央に位置するハリンガルに着くわけだが、ハリンガルにつく前に聞いておきたい事はあるかい?」


 盗賊に襲われてから4日経った今日12時50分、シリチナが聞いてきた。間3日間についてはスルーの方向で。

 ってかいつの間にかハリンテ国には入ってたんだね…


「そうですね…ハリンテはどういった国ですか?」


「ハリンテは王女、いや、女王が国を治めていてね、セレン君のような異端者と呼ばれるような人でも受け入れるような国さ。悪魔の血を継ぐ者には会ったことはないけどね」


 そう言ってチラッと俺を見る。


「あ、悪魔だからって殺されたりしませんよね」


 ここでハイと言ってくれなかったらレーテルンに行こう。背に腹は代えられん。


「それは女王次第だね」


 と、シリチナは意地の悪い笑みを浮かべていそうな声(兜してるからよく分からない)で言った。うわ~、行きたくねぇ。


「ではこちらからも質問だ。君たちはハリンテに留まる気かい?」


「はい、一応は…」


 ユリナント国みたいなことがあったら出て行くつもりだけどな。


「ならギルドで移籍届を出すと良い。それでギルドも国籍もハリンテに出来るからね」


 なんで俺たちがギルドに加入してるって知ってんだ?まぁ、いいか。


「ご親切にど~も」


 女王が優しい人であることを祈りながら俺は目を瞑った。





「さて、ハリンガルに着いたぞ」


 今俺たちの前には10メートル近い門が聳え立っている。


「大きな門だなぁ…」


 思わず溜め息が出るな~。


「このあたりには魔物もいるからね。防御を厚くして損はないさ。さぁ、入ろう、オレが一緒なら顔パスで通れるはずだからな」


 ハッハッハと笑いながら歩みを進めるシリチナ。しかし


「シリチナ様、後ろの奴は誰ですか?怪しい奴を王都に入れるわけにはいかないのですが」


 と、見事に顔パスで通れなかった。俺たちの事を言われてるにも関わらず、つい笑いが…




 あの後、シリチナが10分くらい説明をして、やっと通してもらった。


「ほぉ、これが王都ハリンガルか」


 ユリナント城のあった都市もかなり活気があったが、こっちはそれと比較にならない程大きく、活気があった。


「ボ~っとしてると置いていくわよ」


 とセレンに言われてやっと我に返った。

 それにしてもホントに色んな人種がいるな~。猫耳付けた獣人に何か骸骨みたいな人に耳の尖ったエルフみたいな人までいる。俺たちみたいな人間でも、ユリナントじゃ見ることのなかった茶色や銀色など、様々な髪の色の人がいる。




「着いたぞ、ここがハリンテ城だ」


 あっちこっちを見ている間に城に着いたらしい。やっぱり城もでっかいな~。ユリナント城の2倍位ある。この国はかなり潤ってるようだな。


 同じ失敗はしたくないのか、シリチナは門番に話をつけている。


「セレンはハリンテに来たことはある?」


「いえ、無いわよ?どうして?」


「なんで初めて来たのにあんまり驚かないんだな~って思って」


「驚いてはいるわ。ただ1度テレビで見たことがあったからそこまで驚かないのかもしれないわね」


 テレビィィィッ!!!!!久しぶりに異世界の気分壊されたァァ!!


「そういえばジュンって携帯持ってないわよね。買わないの?」


 携帯ィィィッ!!!!!わずか10秒の間に2回も夢壊されたァァ!!便利だけども!確かに便利だけどもっ!


「何泣いてんのよ、変なジュンね。ほら、許可降りたようだし行くわよ」


 セレンに引っ張られて俺は城へと入っていった。




「シリチナの話は分かった。じゃが何故ジュンとやらは泣いておるのじゃ?」


 ひっく、俺たちは今謁見の間で女王と向かい合ってる。

 女王は肩書きにもその口調にも似合わず、年の頃は15といったところか…ひっく、髪は白髪で瞳は赤く、八重歯が特徴の可愛らしい娘、いやお方だ。


「どうぞお気になさらずに、陛下」


 うぅ、セレンが冷たい…


「そうか、なら自己紹介といこう。妾はハリンテ国女王、テナ・セリナーデ・ハリンテじゃ。冒険者時代には悪魔殺しと呼ばれておった。そなたらは…」


「うわぁぁぁん!もうだめだ~、終わりだ~!うわぁぁぁん」


「な、なんじゃこやつは、妾の名を聞いたとたん更に泣きおった!」


 プロミネントギルダーって何人居んだよ!なんで会う人のほとんどがプロミネントギルダーなんだよ!絶対3人1人はプロミネントギルダー混じってるよ~!運命の女神は俺の事嫌いだろ!


((いや、運命の女神はあなたの事気に入ってるよ?))


((いきなり出てくんなKY女神。ビックリするだろ)) 


((ごめんごめん。でも本当に運命の女神はあなたがお気に入りなんだよ?))


((いっそのこと嫌いになってくれ))


((そんな事言って~。ほら、運命の女神が涙目になってるよ?))


((だあぁ、もう!俺が悪かった。俺は運命の女神の事好きだから、泣き止んでくれ))


((じゃあ付き合おう、だって))


((極端っ!!運命の女神酷く極端っ!!))


((冗談だってさ))


((安心した。じゃあなKY女神、女王様がお待ちだ))


((あ、最後に運命の女神が今度遊びに行くってさ。じゃね))


((あ、ちょ、))


 切れちまった…遊びに来るってどういう事?


「……………だからジュンは陛下を見て泣いたのです。どうぞご無礼をお許し下さい」


 セレンが頭を下げて謝っている。脳内会議をしている間に話が進んでいたっぽいな。


「そうか。安心せいジュンとやら。妾は何の罪も無いそなたを殺す気はない」


「あ、ありがとうございます!」


 そう言って俺は思わず女王の手を握る。


「な、な、何するのじゃ!」


 そう言って顔を真っ赤にして俯いてしまった。やべぇ、失礼だったか?


「すみません、つい」


 命の保証がされたんだ。冷静でいられるわけないだろ。


「よ、よい。コホン。さて本題じゃ、ジュン、セレン、お主等この国で、いやこの城で働く気はないかの?」


 え?働く?何それ。どういう事?

 働く働く働く…って、えぇ!?


「「こ、この城でですか?」」


 おおう!思わずセレンとセリフが被っちまった。


「そうだと言ったであろう。2人共変な反応じゃの」


 俺とセレンは顔を見合わせ、とりあえず


「考えさせて下さい」


 と、言っておいた。


「そうか、なら明日に返答してくれ。今夜はこの城に泊まると良い。夕食も一緒に食そうではないか」


 という女王からの申し出に


「はい、お願いします」


 としか答えられない俺であった…ってか断れる人がいるなら見てみたいくらいだ。


 さて、今日は家族(?)会議だな。



次回予告


潤「次回はセレンと家族(?)会議をして、夕食食べて・・・と、とても忙しい回になりそうだ~。まあ頑張りますか」

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