17 なんか、冷たいです
ジュン は ふたまた を しよう と している
ゆるします か?
・はい
・いいえ
→・爆発しろ
俺は男に連れられて外に出た。
「さぁ、死にたくなきゃ全力で来な!」
こんな所で全力なんて出せるわけねぇだろ。ってか全力出したら本当に殺しちゃうかもしれないだろ。
「ハイハイ。じゃ、いくぞ」
と言って俺は全身に魔力を巡らせる。もうお馴染みの身体能力強化だ。
「いい気迫だ。てめぇ名前は何て言う?」
自己紹介してるような暇は無いんだけどな~。まぁ、いいや。
「じゅ、いやウェルだ。ウェル、ウェル、、、ウェル・カリー?いや、ウェル・カーラーだ」
やっちまったァァァ!!本名言いそうになった上に偽名間違えたァ!!何だよカリーってネイティヴなカレーかっ!?
「?変な奴だな。カリーは俺だ。アレン・カリーだ」
しかもカリー居たァァァ!!どんな偶然だッ!
「そ、そんな事よりサッサと終わらそう」
マジでお願い。これ以上ボロだす前に早く始めよ?
「生意気言いやがって。いくぜ!」
と、アレン、いや、カリーが俺目掛けて突っ込んできた。
身体能力強化をした俺の目には止まって、は見えないけど。かなり遅く見える。じゃ、サクッと
「はい、終わりっと」
俺はカリーに一瞬で間合いを詰め、鳩尾に軽く一発叩き込んで意識を刈り取った。
カリーと一緒にいた男は、カリーが倒されたのを見るや否や逃げ出してしまった。薄情な奴だ。
「さて」
ギルドに戻って少女の心を開かせるとしますか。
「よう」
ギルドには彼女と受付のお姉さんしか居なかったのですぐに見つけられた。
「なんですか?」
おおうっ、随分冷たい…こりゃセレンの時より難しそうだな。
「変な奴に絡まれて大変だったな」
「今もあまり変わっていません」
え?それって俺の事?どうやら彼女の認識では今も変な奴(俺)に絡まれて大変な状況らしい。あぁ、目から汗が出てきた。今日そんなに暑くないのに。
「そりゃど~も。ところで君の名前って何て言うの?」
とりあえず話題変更。
「何であなたに教えなくてはならないのですか?」
「君に興味があるってだけじゃだめか…」
「ダメです」
俺の恥ずかしさを堪えて出したキザなセリフがバッサリ切り捨てられたァ!まだ言い切ってなかったのに。
「じゃ、俺の名前でも…」
「興味ありません」
そう言い残して彼女はギルドを出て行った。
まぁ、今日1日で心開いてくれるとは思ってなかったけどね。
「ナンパに失敗してしまいましたね」
受付のお姉さんがニヤニヤしながら見てくる。
ヤメテッ!何か恥ずかしくなってきた!
その後何だかんだで夜の10時頃に俺は宿の部屋へと戻った。何してたかって?何だかんだだよ、何だかんだ。そこには既にセレンが帰ってきていた。
「遅かったわね」
そう言って俺を迎えてくれる。ちゃんと喋ってくれる女の子が居るっていいなぁ。さっきとは別の種類の涙が…
「セレン~!やっぱりお前が1番だ~。俺にはお前しかいない」
そう言ってセレンに抱き付く。
「え、ちょ、な、何!?は、離れなさいよ。バカッ!」
顔を真っ赤にして言ってくる。
嫌そうな顔をしてないところから察するに…うん。久しぶりのツンデレだな。
「ゴメンゴメン。今日さ~魔術師の女の子に声掛けたんだけど、冷たくあしらわれちゃってさ~」
俺がそう言うとセレンは目に見えて不機嫌になって、
「バカッ!ジュンのバカ!バカジュン!もう知らない!」
と言って自分の部屋に戻ってしまった。
やっぱり女の子の前で別の女の子の話題はタブーだったかな?
謝りに行こうかとも思ったが、もう時間も遅いので明日謝ることにして今日はもう寝ることにした。
次回予告
潤「さぁ、明日はやることがいっぱいだぞ!セレンに謝って、あの娘の心を開いて、ギルドでお金稼いで…まぁ、頑張りますか」