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気まぐれセカンドライフ  作者: 誰かの何か
第2章 ギルドでお仕事
15/78

15 なんか、反則的です

殺すとは、そういうこと


「依頼、依頼~と」


 俺たちは今、依頼が提示されている。掲示板の前で依頼を探してる。


「これなんか良さそうじゃない?」


 と、セレンが俺に依頼用紙を見せる。



《Dランク配達依頼》

 キルファ村のギルドに預けてある小包をカラコルの街まで運んでほしい。

 報酬:3000ワロ

 注意:中身は割れ物なので、慎重に運んでほしい。中身が割れてしまったり傷ついてしまった場合報酬は減額。



「ん~、確かにカラコルは1度行ってるから分かるけど…セレンは剣がないから戦えないし、この前みたいに魔物に襲われたら危ないんじゃない?」


 ってか久しぶりにワロって聞いたな…


「それもそうね…じゃあこれは?」



《Eランク雑務依頼》

 キルファ村の宿屋で模様替えをする。その手伝いをする。

 報酬:1000ワロ

 注意:おおきな物も動かすので力のある人でお願いする。人数は1人のみ。



「人数が1人までかぁ、いい依頼だけどな~」


 まぁ、あの宿屋小さかったし、人数が居ても邪魔なんだろう。


「ならお互い別々の依頼を受けない?その方が効率もいいし」


「そうだな。じゃあ俺は自宅警備員として部屋に…」


「ちゃんと働きなさい!」


 言われてしまった。ちゃんとした仕事だと思うぞ?自宅警備員。給料はもらえないけどな。


「へ~い。じゃ、どの依頼を受けようかな~」


「私はこの模様替えの依頼を受けるから、ジュンもちゃんと働きなさいよ!」


 そう言い残してセレンは行ってしまった。


「さて、真面目に決めますか」


 そう自分に言い聞かせて、改めて依頼を見る。


(そう言えば、ワームを倒したときのあの戦い方、あれが実用的かどうかやってみるか)


 そう思って魔物の討伐依頼を見た。



《Dランク討伐依頼》

 キルファ村の南西でビッグリザードを確認。これを討伐してほしい。

 報酬:ビッグリザード1体につき500ワロ

 証明部位:牙(2本1組とする)

 注意:群れで行動するので周囲を警戒する。



 写真があったので見てみると、キルファ村に来る途中に出会った小さいドラゴンみたいなヤツだった。

 ビッグリザードってことはトカゲだったのか…

 何にせよ、そんなに強くない魔物だったので、この依頼を受けることにする。


「この依頼受けたいんですけど~」


 受付まで依頼用紙を持っていく。


「ビッグリザード討伐ですね。お1人で行くんですか?」


「はい、そのつもりですけど…」


「相手は群れで行動する魔物です。よろしければ1人くらい一緒に行く仲間を探しましょうか?」


 今回は自分の力を確かめるためでもあるので1人で行きたいところだなぁ。


「今回はいいです。ご親切にどうも」


 そう言うと、受付のお姉さんは心配そうな顔になるが、


「分かりました。無理はなさらないで下さい」


 と言ってくれた。


「じゃ、行ってきます」


 と俺が言うと、


「はい。逝って…行ってらっしゃい」


 と、言い直しながらも返してくれた。みんな、誤字には気を付けようね!




「あいつらか…」


 村を出た俺は村から少し離れた所に居る。そして俺の視線の先には件のトカゲがいる。30匹位…

 多くねッ!?前回セレンと戦った時は10匹位だったのに。予定変更。最初はあの黒い刀と身体能力強化だけで戦う予定だったけど、魔法で一旦数を減らそう。べ、別に自分の接近戦の力に自信がない訳じゃないんだからね!うざい?ごめんなさい。


「さてと、出来るか分かんねぇけど…俺の魅力に痺れなっ!!サンダージャッジメント!」


 普段じゃ恥ずかしくて言えないようなセリフも1人なので恥ずかしくなく言える。

 ちなみにこのサンダージャッジメントは普通のとはちょっと違う。普通は20個位の雷球を1体に集中させるのだが、今回は1個1個をビッグリザード1体毎に集中させた。おかげで制御が物凄い大変だ。

 ビッグリザードも俺のことに気付いてこっちに向かってくる。


「さぁ、いくぜ!」


 と気合いを入れて、パチンと指を弾く。

 バリバリッと音を立てて20個の雷球がそれぞれの標的に雷を放つ。初めて戦った時のような静電気ではないので、その一撃で20匹が絶命する。


「残り10匹!」


 そう言って魔力を身体に巡らせて身体能力強化をする。さらに右手に魔力を集中させて刀の形状をとらせる。


「さぁ、いくぜ!」


 と気合いを入れて…え?さっきと同じこと言ってる?そう堅いこと言わず。読んでやってんだから文章を工夫しろって?いやいや、咄嗟に出ちゃったんだからしょうがないでしょ!?そんな無茶振りされ…

 グギャーッと、目の前にビッグリザードの牙が迫る。


「危ねっ!!」


 間一髪のところで避けて、後ろに跳んで距離をとる。

 ほら~、皆さんが邪魔するから危なかったじゃん。次からは気をつけるように。


「ふっ!!」


 と、脚に力を入れて強化された脚力でビッグリザードに迫り、刀を一閃。その一撃でビッグリザードは胴体が2つにさよならした。 

 身体が風のように軽い。俺は今、千でも何でもない風になっているようだフハハハハ。

 そんな事を考えていると、残りのビッグリザードが全て俺に向かってくる。


「っはぁっ!!」


 と、魔力を刀に込めて薙ぐ。すると、魔力が刃となってビッグリザードたちに襲いかかり一瞬でその命を刈り取る。

 ・・・人に向けては使えないな。


 何はともあれ、依頼は完了したので牙を取って帰ることにした。

 戦ってる時はそれどころではなかったけど、可哀想なことをしたな、と今更ながらに思う。俺もいつかはこんな感じで人を殺めてしまうのだろうか、と少しブルーになりながらビッグリザードたちに手を合わせ、その場を後にする。


次回予告


潤「殺したものの分まで生きるのが俺の責任、か…ま、頑張りますか。さて、次回も引き続きギルドでお仕事だ。次はどんな依頼を受けようかな~。ん?何か新たな出会いの予感」

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