1 なんか、死にました
改稿済み
初めまして
現在改稿中のため改稿前後で少し話が噛み合わないところが出てくるかもしれません…
大筋に変化はないので読むことはできると思います。
ではご迷惑をおかけしてますが始めましょう。
大地に邪なるもの埋め尽くす時、虚空より人舞い降りて、混沌と共に世界を破壊するであろう。(『ウィスニルの予言』より)
☆
「ん?ここは?」
俺が目を開けた時に見えたのは真っ白い部屋。いや、壁とかがあるわけじゃないから真っ白い空間というべきか?
まあ、ここが何であれ俺の知らない場所には違いない。
・・・・・どうなってんの?ねえ泣いていい?
「落ち着け俺。こんな時こそ冷静、いやクールになれ」
もちろん言い直したことに意味なんてないからな。
とにかく、今までの行動をおさらいしてみるか。
学校から帰ってくる→夕飯を食べる→勉強、と思わせてラノベ→調べもの、と思わせてネトゲ→12時を過ぎたので寝る→目が覚める→今ここ
ここから分かる事は...勉強と思わせてラノベを読んだのが原因だな。・・・・・んなわけないか。
「何か手がかりは...ん?」
上を見る、下を見る、もう1回上を見る、念のためもう1回下を見る、とりあえずジャンプしてみる、何となく前転を...もういい?さいですか。
「影がない」
別にさっきの行動に意味がなかったわけじゃないんですよ、お客さん。上を見たのは光源を確認するため。まあ、結局なかったけどね。こんなに明るいのに...下を見たのは影がどうなってるのか見るため。光源同様影もなかった。
ほう、謎は解けたぞ。この世界は・・・・・夢が創り出した世界だ!
「夢なんかじゃないよ」
五月蠅いな、せっかく人が今世紀最大のミステリーを解き明かしたというのに邪魔しおって。これだから最近の若者は。
・・・・・ん?今の誰の声?
恐る恐る振り向いてみる。しかし誰もいない。
気のせいかと元のほうに顔を戻すと...
「うふぁっ!なんだお前、どこから出てきた!?」
目の前に人がいたわけですよ、ホラーかっ!
まあ、中学生くらいの漫画やアニメに出てきそうな金髪な女の子だったからそこまで驚かなかったけどな。・・・・・変な声出しちゃたのは秘密な?
「私?私は転生の女神だよ」
なるほど、この娘は可哀想な娘という認識でいいんだな?世の中いろいろあるからな、強く生きろよ。
「勝手に決めないで~!可哀想な娘なんかじゃないもん!転生の女神だもん!」
駄々をこねるように手をブンブン振り回している。おのれは小学生かっ!
「そうは言っても、まったく女神っぽくないし」
確かに俺たちの世界(3次元)には居なさそうな感じではあるが、女神みたいな神々しさはもっと感じられない。
「証拠を見せれば信じてくれる?」
「まあ、ちゃんとした証拠があるんならな」
そもそも女神である証拠なんてのがあるのかさえ微妙だが、あっちが言い出したことだしな。楽しみにさせてもらうとしよう。
「じゃ、よく見ててね」
瞬間、場の空気が張りつめた、気がした。
「ナンバー14、コードRebornの権限を使用。神魔法F13-9、■■■■■■■■■」
最後のほうで呪文みたいなことを言っていたが日本語でも英語でもない、とにかく言葉では形容しがたい何かを発した。
するとその言葉に呼応するかのように女神(仮)の前に透明な球体が現れた。透明なので勿論見ることはできないが、そこに何かあるという感じがする。
「なんだ、これ?」
まあ、いたって普通の高校生の俺には驚かざるを得ないわけでして。
「これは天地創造の第1段階。次元創造とか空間創造とか言われてる魔法だよ」
うむ、わからん。話が壮大すぎて俺の頭じゃ手におえない。
「よくわからないが、この中にもう1つの世界ができたのか?」
透明な球体を指して尋ねる。
「ううん。これはまだ空間だけ。世界を創るには理とか基本法則とかを決めないといけないの」
ふむ、やっぱりわからん。
「んじゃ、何に使うんだ?」
「私たちは物入れとして使うことが多いよ。理がないから空間は無限大に広がってるし食べ物が腐ったりもしないから便利なんだよ」
そういうと女神は球体に手を入れ、納豆を取り出して見せた。腐ってんだか腐ってないんだかわかりにくいわ!
「まあ、何となくわかった。お前が女神ってのも本当っぽいしな」
「最初からそうだって言ったのに~。まあいいや、漸く本題なんだけど、どうやらあなたは寝ている間に死んじゃったらしいの」
・・・・・ん?今サラッと何か重要な事を言わなかったか?
「ちょ、ちょっと待て。え?俺死んだの?」
「うん。しかも原因不明」
救われねぇ!
ってか読めてきたぞ。この後俺は異世界だか何処だかに飛ばされて生きていく、みたいな?そんでもってこの女神が俺の案内役と。
はいはい、テンプレ乙。
「理解が早くて助かる~。あなたはこれから異世界でセカンドライフを始めるの」
提案とかじゃなくて決定事項かよ...ってか心を読むな。
「俺に拒否権は?」
「ない!」
ですよねぇ。そんなの聞く前からお兄さん分かっていましたとも。でもせめて即答はやめてほしかった...訴えるぞ。
「まあ、そのまま異世界にっていうのも可哀想だから何か願いを3つまで叶えてあげるよ」
またもやテンプレですね、わかります。うぅむ、願いねぇ...
「じゃ、身体能力とかは今のまま何も変えずにスタートして」
「いいの?反則的な能力も与えられるよ?」
「いいんだよ。俺にも色々事情があるからな」
少し陰のある表情をする俺。よし、いい感じでミステリアスなキャラになれそうだ。
「なるほど、ドMなのか~」
「ちゃうわっ!」
思わず関西弁になっちまったじゃねぇか。このKYっ!もう流行ってない?さいですか。
ちなみにKY女神に雰囲気をぶち壊された俺はリアルorz状態になっている。
「な、なんで落ち込んでるのかわからないけど、ごめんなさい」
今になってあたふたと慌てだすKY女神。理由くらい察しろ。そんなんだからKY女神なんだ。
「はぁ、まあいいや。で、2つ目は異世界でもお前と話ができるようにしてくれ」
テンション低~く言う。
異世界の知識なんて俺にはないからな。ナビゲーターは必要だ。
「いいけど、私も暇じゃないからいつでもってわけにはいかないよ?」
「(あまりにも呼び掛けに応じないようならこの小説から抹消してやるが、)それでもいい。じゃ、3つ目は俺が行く異世界の言葉が話せるようにしてくれ」
「何かすごい不穏なこと言われた気がする!?」
「そういうのを世間じゃ被害妄想というんだぞ?」
まあ、実際に不穏なこと考えてたけどな。
「気のせい、なのかな~。とりあえず3つ目の願いも聞き入れたよ」
「おう、頼んだ」
「じゃ~、さっそく異世界へ...」
KY女神が手を挙げる。するとその手から光が溢れてきて、って、
「ちょっと待った」
「何よ」
決め台詞を遮られてかなりご不満な様子。だがこれだけは言っておきたい。
「まだ一切人物紹介をしてな...」
「メタ発言すなっ!次の話ですればいいでしょ!?」
KY女神にハリセンで叩かれた。次の話って、お前もメタ発言してんじゃねぇか...
「まだ俺の名前すら出てきてないんだが」
「いいの!それじゃ、今度こそ異世界に飛ばすからね」
よくはねぇよ!一応これの主人公だぞ?
「またメタ発言~!もう知らない、いってらっしゃい!」
え!?マジで俺の名前すら出てこないの?いいや、今言っちまおう。俺の名前は...
次回予告
俺「予定通り人物紹介をしま~す。ってかまだ名前すら出てきてないって…」