最初の悲劇
今回初めて投稿しました。まだまだ未熟者ですが、これからもがんがん投稿していきたいと思います。
少年は銃士だった。
今は誰よりも強い。
少年には父も母もない。何時も一人であった。母は九年前に病気で亡くなった。
そして父はあの事件で死んだ。
少年は今でも恨んでいる。―――――――
この少年の名は、諸葛義平。以前は日本で暮らしていたが、今はフランスの田舎で父と共に暮らしている。
義平は田舎に来てから父と一緒に、剣術の稽古を毎日していた。
「良いか義平、剣術は単に人を斬るためのものではない。自分を守り、そして弱さに打ち勝つためのとても貴重な道具なのだ。だからそのことを忘れずに、稽古をするのだ」
「はい父上」
義平は一生懸命に、けれども希望に溢れながらも稽古にはげんでいた。
それに義平は父の事がとても好きであった。もちろん親であるが、教師、先輩、また友のような存在であった。
父は何時でも義平の味方だ。馬に蹴飛ばされて大怪我した時や、自信をすっかり無くした時でも義平を庇った。
たとえどんな時でもどんな事でも懸命に―----------------
だがこの後義平に悲劇が襲うが、そんな事すらまだ知らずに一生懸命父と稽古に励んでいた。
田舎で暮らし始めてから数ヵ月後。
「義平、わしはもう疲れた。少し休もう」
「はい、父上」
義平は稽古を一旦やめ、休憩し始めた。義平は野原の上で仰向けになった。
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「父上、どうか僕を銃士にして下さい。」
「いや、駄目だ。そなたにはまだまだ学ぶ事が山ほどあるのだ」
「そんな事言わずに、お願いですから銃士にして下さい」
「だめじゃ。そなたはまだここにいろ」
「しかし父上。貴方は僕の夢を叶えてくれると言ったではありませんか」
「ええい、我侭なやつめ。ならばわしと勝負をして勝ったらそなたの望み通り銃士にしてやろう」
そう言って父が剣を抜くと、義平も剣を抜いた。この勝負負けるわけにはいかんのだ。
黒い騎士は早速、義平の家を調べ始めた。その頃、義平は再び剣術の稽古を一人でしていた。
父はその時、
「さあ、来い」
「デヤヤヤヤヤヤ」
義平が父に立ち向かうと同時に、父は義平の剣を振り落とした。そして自分の剣先を義平の首筋に向けた。
「さあ、もう諦めたか」
刃がどんどん近づいてきた。
「いや、まだまだ・・・・・」
「この卑怯者」
「グエエエエ」
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ふと目を覚ました。
夢だった。
そうだ、現実なわけが。「いけない。つい寝てしまった。早く父上を探さないと」
義平は慌てて父を探す準備をした。長時間寝ていたから父に怒られる。
丁度その時、黒い謎の騎士が現れた。
「貴公の父は居らんか。用があるのだ」
すると義平は正直に、
「いいえ、知りません。僕は今まで寝ていたので」
と言った。
「そうか、ではすまんが貴公の家の中を調べさせて貰うぞ」
「はい、どうぞ。お入りください」
この頃の義平はまだなにも知らずに、そう言ってしまった。
だがこれがきっかけで、義平のたった一つの幸せが消えてしまうのであった。
義平は本当に、本当にまだ何も知らなかったのである。―――――――――――――
黒い騎士は早速、義平の家を調べ始めた。その頃、義平は再び剣術の稽古を一人でしていた。
父はその時、家の裏にある農園を耕していた。
「ふう、今日も良いのが採れた。んっ」
父が振り返ると一人の黒い騎士がいつの間に農園にいた。
「久しぶりだな」
「何の用だ。勝手に入ってきて」
父は騎士を少し睨んでいた。
「少しそなたを試しに来た。まあ試すとはいえ簡単な事だ。私と剣術で勝負するだけだ」
そう言って黒い騎士は剣を抜いた。一体、これでどうなるというのだ。
そして、父も剣を抜いた。
「ウオオオオオオオ―――――――――――――――」
その勢いで父は騎士に立ち向かった。
「ふん、雑魚いやつめ」
騎士は父が突進すると同時に思いっきり剣を振り回し父の剣をなぎ払った。
剣は少し遠くへ飛んだ。
剣先は父の首筋に近づいていく。
「貴公、国王ハーツ様に何と申す」
黒い騎士がそう聞くと父はすぐさま
「国王陛下、万歳」
と答えた。
「枢機卿、万歳だ」
「えっ」
騎士はそう言うと父の右の右胸を刺した。
「ウエエエエエエエエエエ―――――――――――」
父が倒れると騎士はそっと家を出て行った。