29 抗戦 VS.J
戦慄が体温を氷点下まで引き下げる。煌希は愕然と凍りついた。屋上中央に、前回にはなかったものが存在していた。
ふたつの物体が目に入る。ひとつは角張って大きく、もうひとつは細くて小さい。
震えが止まらなくなるとともに、全身の末端が冷たくなるのを覚える。
物体はゆらゆらと動いていた。二本の腕と二本の脚を持ち、二足歩行をする哺乳類。二体の人影だった。人影はゆっくりとこちらに向かってくる。
ひとりは、迷彩柄の入ったグレーの戦闘服を着た巨漢。隣には、柔らかな身体のラインがはっきりとわかる、ブラックの戦闘用ボディースーツを着た細身の女。
ふたりは、煌希から三メートルほどの距離で立ち止まった。巨漢は、ほっそりとした顔の輪郭とはアンバランスなほどの凄まじい筋肉量を持つスキンヘッドの白人で、猛獣のような目で煌希を睨んでいる。女は、白人をも凌駕した薄紅がかった乳白色の肌の持ち主であり、それに同調したセミロングの白銀の髪が透明感を際立たせていた。小顔にシャープなワンレンズ型のサングラスをかけていて、見下ろすように斜に構えてこちらを見ている。
このふたりを知っている。男の方は紛れもない。だが、女の方は酷似はしているものの、別人とも思えた。
無数の青筋を立てたスキンヘッドに、手術痕がはっきりと浮かびあがる。巨漢は明らかに殺気を放っていた。煌希は全身が石化したかのように、指先ひとつ動かせなかった。
女の美しい白銀の髪が風に揺れる。そして、雪上に咲く一輪の赤い薔薇のような唇が動いた。「約束の日は今日じゃないわ。上之君」
マキの声だった。しかし、前回見たマキの肌の色も一般の色白女性よりも白かったが、眼前の女はそれとは桁違いの白さだ。
「その格好はなに? ゴーグルに大きなバックパック。雪中登山にでも行くのかしら」女の口調は冷ややかであり、サングラスの褐色レンズ越しに鋭い眼光が垣間見えた。
煌希は押し黙った。完全な想定外であり、気が動転して言葉が出ない。
女は言った。「ゴーグルを取って顔を見せてちょうだい。ひょっとしたら人違いかもしれない」
沈黙が舞い降りる。煌希はゴーグルを外さなかった。本能の訴えに従う。悪い予感しかしないからだ。
だが、じっと見据える女に、マキの姿が重なる。思わず煌希の口から疑問がこぼれ落ちた。「あんた、マキ……なのか?」
女はにやりと冷笑を浮かべると、サングラスをゆっくりと外した。「先天性白皮症。通称、アルビノ。これが私の本当の姿よ」
そこには髪と同じ白銀の眉、深紅の宝石のようなふたつの赤い瞳が存在していた。弱々しくも毅然としたその姿は、雪の世界に君臨する女王そのものだった。
「私の組織が開発したカメレオンという薬で、一時的に毛髪を含む全身の色素を変化させていたのよ」マキがため息をついた。「そうでもしないと、街なんか怖くて出られないわ」
確かに、と正直に思ってしまう。拉致犯罪が多発する物騒な世の中だ。その美しき身を安易にさらけ出すのは危険すぎるだろう。
マキのまなざしが鋭さを増し、冷酷な表情へと変わる。「そんなことよりも、約束の前日に大荷物を抱えてどこへ行こうというのかしら」
再び口を結んでしまう。機転の利いた言葉が見つからない。
「まさか……」マキがそう続けようとしたとき、煌希は思わず言葉を食い込ませた。
「あんたたちだって、どうしてここにいるんだ。監視はしていないはずだろ」
一瞬の間があった。マキは嘲るような笑みを浮かべた。「そんなわけないじゃない。大切な上之君を、私が一瞬でも目を離すと思う?」
……騙された。最初から信用などしていなかったのか。
マキが低く重々しい声色で告げる。「怯えていたあなたへの慈悲よ。せめて最後の一週間だけでも安らぎを与えたかった」
慈悲という言葉に怒りが込みあげる。煌希は怒鳴った。「なにが安らぎだ! もう誰も信用なんてしない!」
煌希はマキを睨みつけた。見返すマキの表情に、一瞬悲哀の色が浮かんだが、それでも毅然として煌希を見据えた。
マキがぼそりとつぶやいた。「逃げるつもりね」
「そうだ。あんたたちとはもう二度と関わりたくない」
「どこへ逃げても無駄なのよ。世界の組織があなたを捕獲しようと動き始めている。悪いことは言わない。上之君、私のところへ来て」
もはや聞く耳を持たずだった。全否定の感情が支配する。煌希は怒鳴り散らした。「うるさい! 僕は上之煌希じゃない。飛行の妖怪、浮かびあがりだ!」
マキは空を見上げ、ひと呼吸置くと、深いため息を漏らした。「失望……したわ」
にわかに周囲の空気が張り詰める。重い静寂が漂っていた。
ふと、煌希はマキから視線を上方に移した。かすかに羽音のようなものが聞こえてくる。
「これはただのサングラスじゃない」煌希の気づきに反応したマキが、外したサングラスを再び装着する。「スマートグラス。あれに指示を出すコントロールデバイスよ」
かすかな回転音とともに、微風が上空から吹き降りる。無人航空機、ドローンだった。廃工場の屋上から十メートル上空に五機並んでホバリングしている。小型の玩具的なものではなく、それも頑強で大型の、一般の市販品でないのは目に見えて明らかだった。
マキは冷酷な笑みを浮かべて言った。「私が開発した軍用AIドローン。なかなか壮観でしょう」
ドローンたちが回転音を響かせながら、ゆっくりと動き出した。頭上を旋回し、煌希を逃がすまいと包囲していく。
「とはいえ、世界が狙い始めたといっても、フライングヒューマノイドの正体を知っているのは私たちだけ」マキが甲高く言い切る。
軍用というからには、なにかしらの武器が内蔵されていると考えるのが妥当だろう。頭上を囲まれてしまった。ドローンの飛行速度も不明だ。自分のいまの推進力で振り切れるだろうか。
煌希は訊いた。「なにが言いたい。どうするつもりだ」
マキが右手の人差し指を動かした。煌希はその指し示す方向を見やった。思わず血の気が引く。豪腕巨漢、ジョウを指差していた。
「あなたはこれから、ジョウと対決するわけだけど」マキは至極当然のことのようにさらりと告げた。「そのようすをドローンのカメラで撮影し、ダークウェブのアングラ動画サイトに生配信する。そこでもし浮きあがれば、フライングヒューマノイドの存在は確定。その正体は晒され、裏世界の悪党たちによる未曾有の争奪戦が本格的に開始されるでしょう」
戦慄が走る。けしかけるつもりか。煌希は声を荒らげた。「ふざけるな!」
「これは最後のチャンスよ!」マキも声を張った。「もう一度だけ考え直して」
返答はしなかった。しばし無言を通す。こいつらは真の悪党だ。どのみち捕まれば、実験動物にされる運命。屈することはない。
煌希とマキの視線が交錯する。互いを探る攻防の沈黙が、質量を伴って降り積もっていくようだった。
決意を感じ取ったのか、無言の抵抗に、やがてマキは再びため息をついた。「最後のチャンスを無下にするなんて、ほんと馬鹿な子ね」
マキがちらりとジョウを一瞥する。その瞬間、ジョウの肉体からとてつもない殺気が解き放たれた。全身の筋肉がはち切れんばかりに膨張し、鼓膜を突くような高周波音が辺り一面に鳴り響く。
サイボーグ。その言葉が脳裏をよぎる。煌希は真の恐怖を目の当たりにした。ジョウの睨み付ける眼光には、相手の命を奪う意志が明確に宿っていた。
殴り合いの喧嘩など、生まれてから一度もしたことがない。そんな自分がこんな怪物を相手に、どう渡り合えというのか。
逃げるしかない。ゴーグルを外さなかったのは、正解だった。素顔をドローンに晒していたらと思うと、足がすくみあがってしまう。
「ダークウェブに接続完了。ライブスタート!」マキが叫んだ。ジョウへの開戦の合図か、煌希を鋭く指差した。
ジョウが怒りに満ちた咆哮をあげ、圧倒的な力と殺意を示す。
やばい。押さえ込んでいた体内の浮力を即座に解放し、上空へ抜けるため、ドローンたちの輪の中心を狙い定める。屋上コンクリートの床から離れるべく、全身全霊の急上昇に移ろうとしたそのときだった。
マキが再び叫んだ。「ゴーグルを着けた彼の名は、上之煌希。二十歳。フライングヒューマノイドの疑いがあるため、これより検証を行う」
心臓が凍りつき、絶望の闇が全身を覆う。瞬時に浮力を掻き消した。浮きあがろうとした肉体を強制的に屋上の床へ押し止める。
本名が裏世界に晒されてしまった。唯一の武器である浮力を封印せざるを得ない。平穏を失う覚悟はしていたものの、世界の標的にされるという真の現実をいま初めて味わう。地球の重力に服従し、足もとのコンクリートに煌希は立ち尽くした。
逃げるという選択肢はなくなった。この絶体絶命の状況下を、ただの常人として切り抜けなければならないのか。
顔を上げる。眼前にジョウがいた。その驚異的な肩幅に陽炎が揺らぐ。容赦をするつもりはないらしい。無力な子羊の頭上で、災害級の豪腕が振りかざされる。この世の時間の流れが凍りつき、血流までもが凍りつく。ゆっくりと、そして雪崩のように、すべてを破壊するそれが、轟音を立てて振り下ろされた。
防御の構えすらできず、反射的に目が閉じる。恐怖による短い悲鳴もあげた。頭部が陥没し、破裂する痛みが伝達されるのを、身を萎縮させ、煌希は待ち続けた。
だが、いつまで経っても痛みは降りてこない。ああ、そうか、と理解する。これが即死というやつか。ネットで得た情報を思い出す。
ではここは、天国に違いない。現世では短い期間であるが、工場で一生懸命に働いた。少なからず社会に貢献した。そのぐらいの権利はあるだろう。
天国の情景を見るべく、恐る恐る目を開いた。
まず視界に飛び込んできたのは、愕然とした顔のマキの姿だった。こちらも思わず愕然としてしまう。ここは天国ではないのか。すかさず辺りを見回す。違った。廃工場の屋上だった。傍らにジョウがいる。なぜか驚愕の表情を浮かべていた。彼の堅牢な拳は、空を切っていた。
「えっ!?」と言葉が出た。なにが起きたのかわからず、思考が混乱する。煌希は打撃を受けていないようだった。痛みを感じていないことがそれを証明する。
ジョウと視線が合う。表情が瞬時に変化した。鬼の形相で煌希に猛進し、再び雷鳴のごとく拳を振り下ろしてきた。
唸る豪腕の余波が気流を発生させ、髪をなびかせる。煌希を破壊するはずの打撃が、またもやジョウの拳は空を切った。目をつぶる間もなかった。正面から振り下ろされた拳が、瞬時に右へと流され、回避していた。どうしてこうなったのか、思考が追いつかない。
怒りに狂い、ジョウが吠える。怒濤の勢いで、また殴りかかってきた。
次の瞬間、煌希が目にしたのは、ジョウのおぞましき背中だった。彼の空振りした動作と、自身が背後に回ったようすが、残像として脳裏に蘇る。
一体なにが、なにが起きているんだ、と自身に問いかける。疑問と混乱が交錯し、頭のなかを埋め尽くす。
まるで自身の意志とは別のなにかに操られているかのように、不可解な速度と正確さでジョウの攻撃から逸らされている。信じたくはないが、あのとき感じた廃工場の呪縛霊が、守護霊となって味方をしてくれているのだろうか。不気味だが、絶対的な安心感すら覚える。
ジョウが唸り声をあげた。背後の敵の気配を感じ取ったようだ。豪腕を振りかざしながら、竜巻のように身体を180度回転させ、煌希に向けて拳を振り抜いた。その一撃は対象を消し去るべく、空を裂き、コンクリートの床を削った。
床を滑っている。ジョウの打撃を避け、瞬時に移動していた。まるでスケートリンクを悠々と踊るように。
煌希は悟った。足取りが通常より軽いこと。掻き消したはずの浮力が両脚に宿っているのだ。
幾度も攻撃を避けられたジョウが額に青筋を立て、両腕を広げながら飛びかかってきた。
煌希は床を前方へ蹴った。全身が後方へ瞬時に流れる。ジョウの巨体をかわし、両腕の包囲からも逃げ延びてみせた。
心臓の鼓動とともに、肉体が躍動を繰り返す。ジョウの攻撃を避け続ける謎の力の正体。乖離していたそれと意識が同調する。時間差はあったが、ようやく認識に至る。
外観上はなんの変化も見当たらないだろう。自分の靴の爪先が床にふわりと軽く触れている。つまり、かすかに浮いている状態だった。
ジョウの猛攻が続く。全身の軽さを巧みに操り、瞬時に動き回り、その一撃をかわし続け、ジョウの視界から一瞬で姿を消す。
「瞬速……」そうつぶやいた。名付けることでいっそう理解が深まる。浮かない程度の浮力で身体を軽くし、数メートルの瞬間移動のような動きを可能にする秘技。煌希を守護し続けた当事者である防衛本能、碧眼の男から能力を受け継ぐ。
ジョウはどんなに空振りが続こうとも、攻撃の手を止めようとはしなかった。だが、それでいい、と煌希は思った。延々と打撃を避け続け、ジョウの体力を削り、チャンスを窺い逃走する。これが現時点での最適解の戦術といえた。
微細な浮力操作で身体を軽くし、床を蹴る。瞬速を発動させ、思うがままに攻撃を避ける。捕らえられない獲物を追いかけ回すジョウのさまは、哀れで滑稽であり、サイボーグとはいえ、たいした脅威ではないと思えてくる。
「ジョウ!」突如、マキが怒鳴った。「なにやってるの!」
彼女の飛ばした鋭く響き渡る檄により、ジョウは身体を硬直させた。攻撃の手がぴたりと止まる。
しばしの沈黙があった。耳鳴りを伴うほどの静寂が、辺りを緊迫とさせた。
この瞬間だ。チャンスは到来した。煌希は思った。逃走するならいましかない。
ところが、瞬速を発動させようとした両脚が、ぶるぶるとすくみあがっていた。突発的な寒気が全身を走り抜ける。
彼に意識が向く。ジョウの目には、新たな戦意が灯っていた。
先に空間が激震した。ジョウが再び咆哮を轟かす。そして、全身から強力な高周波音を放った。
煌希は察した。さっきと様子がまるで違う。ブースト、更なる力の解放なのか。
コンクリートの床を破損させた衝撃音が響き渡った。加速するための爪先の加圧だったのだろう。一瞬で眼前に迫った。ジョウが右の豪腕を振りかざした。
瞬速を即発させる。後方へ滑り、一撃を避けた。が、すでに猛追するジョウの左の豪腕が放たれており、煌希の右肩に直撃した。呼吸困難に陥るほどの、尋常ならざる激痛が襲う。複雑骨折で右肩が砕かれた。それだけは即座にわかった。
痛みを堪え、瞬速後退で距離を取る。しかし、ジョウもそれに匹敵する速度で追いすがり、瞬く間に距離を詰めてしまった。右肩を押さえ、死に物狂いで瞬速を連発する。体勢を立て直すため、一瞬だけでも距離を取りたい。
絶望の闇が再来する。願いは叶わない。覆い被さるような、巨漢を見上げた。無慈悲なまなざしが見下ろす。煌希の眼前からジョウが消えることはなくなっていた。
背後から忍び寄る死神の気配を感じる。その手が首筋に触れた。ひんやりとした死の感触だった。
強大な右の拳が振り上がる。力を貯める一瞬の間があった。それを見逃すまいと、反射的に瞬速が発動される。ジョウの豪腕が繰り出された。追尾するかのごとく、背後に回り込もうとした煌希を捉え、唸りをあげる。瞬速の速度を超えた彼の渾身の一撃が、今度は左肩に命中した。
視界が真っ白になった。破壊された左肩から稲妻の激痛が走り、脳髄へと駆け抜ける。意識が遠のいた。強烈な痺れに耐えきれず、自然と膝が折れる。煌希は床に倒れ込んだ。
マキが声高らかに言い放つ。「ジョウは、私が開発した生体加速機器を全身に埋め込んだサイボーグよ。人間の運動能力を遥かに凌駕している。常人では到底、太刀打ちできない」
渇きがあった。彼女の冷酷で残忍な事実の宣告が、喉を、胸を掻きむしり、悶絶するほどの酷い渇きで掻き消された。口内に吸い込む空気が灼熱と化す。全身が渇き切っていた。
朦朧とする意識のなか、背負うバックパックが、剥ぎ取られ、引き裂かれ、投げ捨てられた感触があった。
まぶたが落ちながらも思う。奪われてしまった。偶然にも同じ色を見付けて手に入れた、やっと巡り会えた、母のお気に入りのバックパックを。
床にうつ伏せで倒れた煌希の背中に、ジョウが容赦なく蹴りを落とす。何度も何度も、執拗に強力無比な一撃を加える。手加減など微塵も感じられず、背中から生命力が削り取られていくようだった。
ジョウは煌希を仰向けに転がし、今度は腹部に無慈悲な蹴りを入れた。一撃、また一撃と繰り返されるその蹴りに、煌希は激しく吐血した。
霞む視界に、晴れ渡る上空が映る。何度もその空を自由に飛び、大地を見下ろしてきた。しかしいま、その空は遙か遠く、到底手の届かないところにある。
渇く。肉体が、全細胞が、干からびるように渇いている。ただの水分補給ではおさまらない、本能の渇きが心までも焦がす。
欲しい。どうしても欲しい。煌希は手を伸ばした。自由に飛べる、あの空が欲しい。
ジョウが煌希の胸ぐらを掴み、強引に持ち上げた。彼の巨大な手のひらが顔面に近づく。ゴーグルが剥ぎ取られた。レンズの割れる音が響き、強力な握力で粉々に握り潰された。無残にも、破片が床へと舞い散り、心までもが引き裂かれる。
また奪われた。お気に入りの大切なものが。
狂気に駆られた表情のジョウが、煌希の顔面に豪腕を叩き込んだ。ボロ雑巾のように、延々と殴打を浴びせ続ける。
視界が真っ赤に染まり、なにも見えなくなる。だが、途切れることのない飛行中毒の禁断症状、渇欲の激流は止まらない。
全世界から数百、数千の手が伸び、煌希を地へと押さえ込んだ。背中に生えた翼をもぎ取り、むしり取る。
あまりの理不尽さに、煌希は声にならない呻き声をあげた。
この僕から空を奪った。もう許さない。絶対に許さない。
全身から痛みが消えた。
恐怖でも、絶望でもない。
ただ、憤怒の念が湧きあがる。




