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「音無君、よろしくね!(よくやったわね。分かればいいのよ、分かれば)」
「……うっす」
さすがにズルいと思う。
妹の勉強見てくれたことを引き合いに出されたらもう何の反論もできないじゃん。
かくして、俺はほとんどクラスの男子全員参加とかいうアホみたいな倍率の競争を勝ち抜いて名誉ある文化祭実行委員の役割を賜った。
今からでもこの権利にプレミア価格をつけて売り飛ばしてやりたい。
他薦よりも自薦を優先するという流れが出来上がったのはとてもよかった。クラスの男子ほとんどが天羽さんとの文実争奪戦に参加しているのだから確率的に俺が負けても何も不自然はない。
しかし、天羽さんが男子の実行委員を決める手段にトーナメント方式のじゃんけんを提案した時点で俺の当選は確定した。
なんなら天羽さんが立候補をした時点でこうなるまでの絵図は描かれていたのだろう。
毎度のことながら、天羽さんがそうと決めた時点で俺に拒否権等ないのだからいい加減諦めるべきなのかもしれない。
目的を達するための動機と過程、そのうえサブプランまでしっかり用意してくる相手に無手で勝てる道理なんてありはしないのだから。
「じゃあ、クラス展示決めよっか。みんな、意見があったらどんどん教えてね(理解できたならちゃんと私のこと支えなさい。ここからどんどん忙しくなるんだから)」
委員長に代わって前に出る。
どこか普段よりも少し楽しげにクラスメイトに言いながら、こちらへの奴隷宣告も天羽さんは忘れない。
クラス展示の案出しをしながら天羽さんの隣を勝ち取ってしまった俺への内心での罵倒にも余念のない男子連中の姿にこれはまたしばらくは大変なことになりそうだと思った。
ちなみにクラス展示は天羽さんのメイド姿が見たいとかいうカスみたいな理由でコスプレ喫茶に決まった。




