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隣の天使様が今日も心の中で信じられないくらい毒吐いてて怖い  作者: 日暮キルハ


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 まぁ、俺程度が思いつくことは当然のように天羽さんも思いつくわけで。

 そのうえで彼女はどうすれば自分の願う通りの結果を得ることができるかを考えて、それに必要な行動を起こすことができる人だ。


 つまり、彼女が夏休みも会うと言えばそれはもう確定した未来に他ならない。

 あまりにも手遅れだが、ようやくそれを理解した。


「遥ちゃん、今日はお招きありがとう(大体計画通りね。遥ちゃんが思ってた以上に遠慮しいだった時はどうしようかと思ったけど)」


「いえいえ! 完全にダメ元だったので、むしろ来てもらえてすごく嬉しいです! 用事とか大丈夫でした? 天音さん忙しそうですけど(わー、ほんっとにビジュいいなこの人。しかもお兄ちゃんなんかと仲良くできるってことは性格もいいってことだし。完璧美少女過ぎる……)」


「大丈夫。遥ちゃんと会いたくて、予定は調整してきたから(これで私があんたの家に出入りしてもなんの問題もない。連絡経路も遥ちゃんを確保した。……逃げるなよ?)」


 ぱっと見は仲の良い先輩と後輩って感じなんだけどね。腹の中で考えてることがまぁまぁ怖い。

 たしかにビジュはいいかもしれんがビジュしか良くないまであるぞこいつ。

 というか性格がいいかどうかの判断基準が俺と仲良くできるかどうかなの、遥がお兄ちゃんを日頃どう思ってるのか透けててお兄ちゃん悲しいよ。


「……あの、お泊り会は分かったんですけど、それならそれで遥の部屋に行った方がいいんじゃないですか……?」


 なんとなく会話の流れで二人の間にどういうやり取りがあったのかは理解できた。

 もうお泊り会でもなんでもやってくれたらいい。

 ただ、それはそれとしてさも当然のように俺の部屋のベッドに腰かけて話し込むのはちょっと話が違くないですか?

 普通そういうのって主催者の部屋でやりません?


「それで……遥ちゃんはうちの学校が第一志望なんだよね?(うるさい、黙れ)」


「あ、はい。家から近くて制服も可愛いので(横から見ても可愛いなこの人)」


 しかし、俺の懇願は当然のように無視される。

 一名はガチで聞いてないし、もう一名は聞いたうえでガン無視だし。

 というか、志望校うちだったの?お兄ちゃんそれ初耳なんだけど。


「でも、本当に入試対策手伝ってもらっていいんですか? 私、自分で言うのもなんですけど兄に似てめっちゃバカですよ?」


「えぇ、もちろん任せて。実績もあるからきっと力になれると思う(だから、バカ兄は私を能動的に助けなさい)」


 ……なるほど、これは契約だ。

 正直うちのバカ妹がまともにやってうちの学校に合格できるとは到底思えないが、天羽さんが絡めば話は変わる。

 その手腕は身をもって体験しているし、俺相手ならともかく遥相手ならあそこまでのスパルタにもならないだろう。


 合格させてやるから大人しくサンドバッグになれ。

 悪い契約ではない。

 兄として妹の進路を心配する気持ちは当然あるし、どうせ逃げたところで捕まえられて殴られるのだから実質ノーダメージだ。


「では、早速始めましょうか。善は急げと言うものね」


「あ、はい。勉強道具持ってきます」


 たったか駆けて自分の部屋へと勉強道具を取りに行く。

 どうやらどう転んでも俺の部屋は使われる運命らしい。


「んじゃ、俺はちょっと外で散歩でもしてるんで遥のことお願いします」


「音無君も一緒に見てあげるよ。宿題、何もやってないでしょ?(どうせあんなの違法だとか訳の分からないこと考えてたんだろうし)」


「……いや、俺は」


「見てあげるよ(座れ)」


「や、あの……」


「見てあげるよ(いいから座れ)」


「……はい」


 おかしいな。俺の部屋なのになんか凄く居心地が悪いや。

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