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異世界転生ビルドマスター ~チートが無くても俺には土木がある!  作者: 孤狗


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第一棟 落ちこぼれ魔法使いカレン

あらすじ

 スケベな建築士ヤマトは異世界転生してしまった(ついでに死んだ!?)

 通路側の松明のカンテラの灯りだけに照らされた、薄暗い石造りの地下牢。その中の鉄格子で区切られた一室に、一組の男女がいた。男は中肉中背に、薄汚れた灰色のツナギに腰には工具ベルト、隣には作業用ブーツ。眉は黒なのに、髪は金色をしたちぐはぐな印象をした軽薄そうな若者。大和(ヤマト)(キズク)26歳は、目の前の女から告げられた事実を受け止めきれないでいた。


「え!俺死んだ!?」


「だから!静かに!」


 言ってから自分も語気が荒くなっていることに気付き、女は口をつぐむ。白の短いマントの下に、軍服や学生服のような衣装。肩下まで伸ばしたストレートなブロンドヘア。鼻筋の通った綺麗な顔立ちだが、どうにも表情に辛気臭さが残るタイプの若い美女だ。


「あの……そうですよね、何も判りませんよね……」


 女は石畳に座り込んだまま、左手で樫の木で出来た杖を抱き寄せる。ヤマトはその時初めて気付いたが、彼女の左人差し指の爪が痛々しく割れ、血が滴っていた。


「君……怪我が……」


「大丈夫です。これは貴方を転生させるための……いえ、最初からご説明しますね」


 混乱しっぱなしでは埒が明かない。女は落ち着き、男に真っ直ぐ向き直る。


「私の名前はカレン。魔法使いをしています……一応」


 一応という言葉がやたらと小さく自信なさげだったのが気になるが、ヤマトは口を挟まなかった。


「ここは私の住むアルト共和国の一角であるルミナ村……そこの……名士ザクバ様の屋敷です」


「名士の屋敷なのに牢屋?」


「それはまあ、おいおいと……。私は、訳あってここに囚われてしまいました。脱出しようと……『転生魔法』を行使したんです」


「転生魔法……」


 聞きなれぬ単語ではあるが、大和はおおよその意味合いを察する。ファンタジー小説の冒頭に良く出てくる『勇者となるために異世界に喚ばれた』とかそういうものだろう。


「転生対象は魔法陣を通じて、術者の願いに沿う力を持った異世界の人が選ばれます。そして術者と対象が同意して、命と引き換えに、二人の願いに応じた「スキル」を獲得して「勇者」として再誕する。それが転生です」


 思ったよりもロジカルだが、理解できないこともない。


「つまり俺は君に喚ばれて異世界転生したんだな。あ、じゃあなんかスキルついたの?催眠術とか、透明人間になれるとか、透視能力とか!」


「な、何か期待する能力の方向変じゃありませんか?」


 いきなり見ず知らずの場所に飛ばされた割にハイテンションな青年に、カレンは少し引く。


「残念ですがどれでもありません……というか……()()()()()()()()


「?」


 首をかしげる青年。何のとんちかと悩むが、カレンは本当に、それはもう本当に申し訳なさそうに口を開く。


「あの……私、転生魔法使うの初めてで……というかうろ覚えで……失敗しちゃったんです」


「え?でも俺転生してるよ?」


 キョトンと自分を指差す間抜け面を見て、カレンはついに大声をあげる。


「だから!私が中途半端な魔法だったから、貴方を転移させて再構成は出来たけど、魔力が付与されてないんですよ!」


 自棄糞で涙を浮かべながら洗いざらい叫ぶカレン。ピンチで起死回生を図った術が空ぶったというのが、相当ショックなようだ。


「貴方にスキルはありません!無能です!ただの人のままなんです!わ、私は、貴方をただ死なせただけで……」


「え?ちょ、ちょっと落ち着いて……」


 静かにしろと言っておきながら自分から癇癪を起こしてしまい、ついには泣き出す成人女性。それを見てあたふたする男。大和はモテ願望の強いオタクだが、裏を返せば女性経験はほぼない。女のヒステリーへの対処は初体験だ。しかも……


「おい!煩いぞ!」


 階段を降りる足音に野太い声。牢屋の通路の先にある扉の更に向こうから、誰かが来たようだ。


「……ヤッバッ!」


 大和は周囲をもう一度確認する。部屋(牢屋)には自分とカレンの二人しかいない。そして彼女の弁を信じるなら、ここに囚われて窮地に陥っていた彼女が、魔法で自分を喚んだのだろう。彼女を閉じ込めた名士とやらからすれば、自分の存在などあってはならないのは想像に固くなかった。


(出来ることは……これか!)


 腰の工具ベルトの後ろ側に巻き付けていた針金を取りだし、檻の鍵穴に入れる。犯罪行為ではなく、壊れたロッカーや机修繕の一貫として覚えたピッキングだ。大した造りでない鍵はすぐに開きそうだが……


― ガチャッ ―


「ッ!」


― ガチン! ―


「ん?何の音だ?」


 部屋の扉を開けた直後に別の金音がしたことに、入室してきた男は疑問を持つ。長身に西洋の金属鎧、左手には金属の取っ手付の盆に乗せられたキャンドル、そして左腰に提げた長剣の束に右手を触れながら、鎧の男……巡回中の警備兵は牢の目の前に進んでいく。


「カレンとか言ったか?お前、何をやっているんだ!?」


 兵士が驚いたのは牢の中に敷かれた血の魔法陣だ。毛布や道具は全て鉄格子側に押しやられて小山となっており、石畳の中央には赤い線で不気味な紋様が描かれている。その魔法陣の中心に座る、泣き顔の魔女の手には血が付いている。


「気でも触れたのか?ザクバ様の側室の話が流れたことには同情するが、いい歳して自棄になるな。オークションだからといって悪い出会いばかりじゃ……」


 あまりに異常な状況に目が釘付けになった兵士は、しゃがみこんで涙目で血の魔法陣に座る女に話し掛ける。決して悪い男ではないのだろうが、()()()()()は致命的だった。


「おりゃ!」


 突如牢内の毛布がはね除けられ、中から現れた大和は急いで牢の扉を開けると、鎧の男を引きずり込んだ。


「うわっ!」


「カレンちゃん!出て!」


 うつ伏せに倒れた鎧男の上に乗って、大和はカレンを外に追い出す。


「なんだ貴様!」


 兵士が怒鳴り立ち上がる頃には、大和も廊下側に出た。扉を閉め、ピッキングに使った針金を急いで扉と鉄格子に巻き付け番線にする。


「行こう!」


「クソッ!待て!」


 格子を開けようとするのに数秒、番線をほどこうと手であがき、困難と気付いて兵士は剣を抜く。一振、二振……刃こぼれを無視して振り下ろした3撃目でようやく外れる。


「……あいつら!」


 僅か十数秒の事だが、既に牢の外にも姿は見えない。追いかけなければ……兵士は急いで通路に出て屋敷内に繋がる扉を開けようとして……ぶつかる。


「……またかよ!!」


 つい先程自分が開けて入ったはずのドアが開かない。ドアノブを捻り辛うじて開けようとするが、隙間からはドアの外側にバリケード状に物が置かれ、更に扉上部と下部には木片の何かで、向こう側からドアと枠が釘で打ち付けられていた。こちら側には釘の尖端が貫通してきている。鎧込みで体当たりするが、扉はビクともしない。


「誰かぁ!ザグバ様を呼んでくれ!女が逃げたぁ!」


 まるで自身が虜囚となったかのように、兵士は大声を上げていた。


〜〜〜〜〜〜

 地下で起きた騒乱は、屋敷の二階にはまだ広まってはいない。豪華絢爛なシャンデリアと深紅の絨毯に挟まれた会場内には、様々な料理の置かれたテーブルが並び、立食パーティが開かれていた。

 表向きはこのルミナ村の豪商ザクバの誕生日を記念し、彼の組と繋がりの深いギルドや組合が祝っているという普通のパーティだ。参加者それぞれも商売人であるため、酒の乾杯をしながら他参加者と商談に励んでいる。

 派手なタキシードに身を包んだ中年小太りの主人ザクバ本人も、だが……


「ザクバ殿、この度はおめでとう」


 オールバックの黒髪に、インナー、アウター共に黒のスーツで固めた男が話し掛ける。ご丁寧に眼鏡まで黒縁だ。上品な黒で統一されていたその30代程の男からは、気品と剣呑さが醸し出されていた。


「おお、ボイル様」


 数人の商人と話していたザクバは、断りを入れてその人の輪から抜け出す。


「雨天の中、遠路はるばるよくぞ来てくださいましたな、楽しんでいただけましたかな?」


「ええ、勿論」


 ワイングラスを片手に、だが中に入った液体には口を付けず、ボイルと呼ばれた男は眼鏡を直す。


「早速ですが、()()()()()について話をしたい」


「……もう、ですかな」


 僅かな驚きと沈黙の後、ザクバは小声で返す。ボイルは横目でチラリと他の客を見やり


「生憎私は貴方ほど器用ではない。ここに長くいると貴方の名声に傷が付きます。手短に終わらせましょう」


 気遣いのような、或いは脅迫のような台詞。ザクバは静かにボイルと共に会場を抜け出す。

 

「あの御仁はどなたでしょうか?」


 先程までザクバの取り巻きをしていた若い商人が尋ねる。数人のベテラン商人がため息を付く。


「真面目なのか不真面目なのか……ゴル卜ー商会を知らないのか」


「有名な方なのですか?勉強不足ですみません」


 最近病で引退した父の跡を継いだという生真面目そうな若者に、ベテランの老商人は渋々口を開く。


「本来は知らぬ存ぜぬと返すところだが、君の父上に免じて特別に教えてやろう」


 商いの基本は信用と誠実さだと信じる純真な瞳に、真実が告げられる。


「あの男……ボイル・ゴルトーが率いるゴルトー商会はな、金融業の裏稼業として人身売買を手掛けている」


「じ、人……っ!?」


 思わず言いかけて口を抑える青年。沈黙したのは賢明だと告げ、老商人は説明を続ける。


「あくまで噂だ……()()取引実績はないからな。また、金融業だけでしか取引がない者ももちろんいる」


 コクコクと頷きながらも青年商人は小声で尋ねる。


「で、でも……そんなの違法じゃ……」


「良く聞け、若いの。法なんてものが万全に機能してるのは王都くらいだ。田舎になるほど権力や財力で善悪は変わる」


 一般的な倫理観とは全く違う、しかし今この世界を動かす真実を伝える老人。


「借金のカタだか……お家騒動のケジメだか……とにかく血が流れるよりは金で解決するのが穏便、そういう考えで回る世界もあることは知っておけ。

 ただし!あの男の耳に何か良からぬ噂が立ったら関係者の命が危ない。滅多なことは言うんじゃないぞ」


 再び無言の頷き。純真な君には裏の経済に関わるべきでは無いと助言され、青年は思案する。


(売られた人はどうなってしまうんだろう)


 僅かばかりの興味とそれなりの正義感から、顔も名前も知らぬ誰かに同情する。だが、それ以上の何かを起こす勇気を、彼は持ち合わせてはいなかった。


〜〜〜〜〜〜


「新しい商品が入ったというので来てみれば……まさか他のカタギを入れているとはな……」


 不機嫌そうに語るボイル。一回りは年下の男に嫌みを言われても、豪商ザクバは営業スマイルを崩さない。


「いや〜、申し訳ない。元々今日は売るつもりは無かったんですが……」


 ハンカチで額を拭いながら男は弁明する。その様は名士として()の商人に向けるものとは随分と異なっていた。


「躾が予想以上に出来ていませんでしたので……そこを割り引いてでも早く手放したいなと……」


「カレン・コーネリア。25歳、魔法学校卒業魔法単位二種取得、専門資格は無し」


 事前に渡されていた()()の人定資料を再確認するボイル。


「コーネリア家からの()()()()は金貨30枚で了承済み……か」


 廊下で立ち止まり、背後の男を振り返る。


「多少とうが立っているが良い人材じゃあないか。手放したくないというのはアンタ個人の趣味に合わないからか?」


「……どういう意味ですかな?」


 それまで笑顔だった男の笑い声が消え、細められた瞳の奥に狂喜が滲む。

 こりゃ失礼、とボイルは訂正する。


「べつにアンタが死体愛好兼(色々な)小児愛好(趣味を)持っていようが俺の知るところではない。金さえ払えばな」


 (屋敷の中で僅かに感じる魔力の乱れ……この男は気付いてはいないか……)


 ボイルは眼鏡の奥に本心を隠して振り返ると、空中に白い光で魔法陣を描く。


「ボイル様?」


「契約を急ごう。ここにサインを」


 それは召喚転送と契約をセットにした決済魔法の契約書だった。魔力で描かれた魔法陣の文字を空中でスワイプし、流し読みするザクバ。何故別室に入る前にとは訝しむが、それよりも金貨200枚という価格の大きさに目が眩む。


「実際の実力はさておき、魔法使いであるという経歴があるなら価格は跳ね上がる。女でもあるしな」


 性的嗜好と労働力……個人の人格等は一切考慮しない、闇のオークションでの相場である。こうして様々な場所からかき集めた人材を競売にかけ、巨額の富を動かしているのがゴルトー商会の裏の顔だった。


「……サインできました」


 署名欄にザクバが記名すると、魔法陣が緑に光る。契約完了、登録していたザクバの隠し金庫の中に、自動的にゴルトー商会から振り込まれた金貨200枚が追加される。人件費もかからず、外部から金の動きを追っても判らない、闇商人御用達の魔法だった。


「ははは、まいどあり、ですな」


 ザクバから下卑た笑みが溢れ出る。側室名義で集めた各家の要らない娘を右から左に流すだけで、3ヶ月は遊んで暮らせる金になるのだ。表の商売が馬鹿馬鹿しくもなる利益率だ。


「では契約完了だな……俺が回収できれば良いが……」


「それはどういう意味で……?」


 疑問に思うザクバだったが、その問いに答えが出るより先に、下の階から騒動が聞こえてくる。


「待て!」


「誰が待つか!ってかここどんだけ広いんだよ!?」


 声は外に出たようで、窓の外から屋敷の庭を見る。見たこともないツナギの衣服に、腰に無数の道具が入ったベルトをした金髪の青年が全力疾走している。


(なんだ?)


 疑問に思うザクバだが、瞬時に理解する。その青年の後ろに捕らえていたはずの魔女、そしてその後ろから彼の私兵達が5、6人血相を変えて追いかけていたのだ。


「ザクバ様!娘が脱走しております!」


 一人の兵が彼の元に報告してくる。


「馬鹿者!何を今さら言っている!すぐに連れ戻せ!」


〜〜〜〜〜〜


「ちょ、ちょっと待ってください!」


 ぜぇぜぇと息を切らしながら叫ぶカレン。運動が大して得意じゃない彼女には、この鬼ごっこは地獄のような時間だ。


「敵を、減らさないと……戦わないんですか!?」


「武器持った相手に戦えるわけ無いじゃん!?」


 彼女の手を引いて走る男が叫ぶ。いく先々のドアや窓に施錠や仕掛けをして、時間稼ぎをする手際の良さは見事だが、このままでは埒が明かない。


「あっ!あっちだ!」


 濡れた芝を駆け抜ける二人。雨天の夜、ずぶ濡れになるが構ってはいられない。

 二人は広い庭を駆け抜ける。最初は正面玄関を目指すが、見張りの兵が気付いてこっちに来たので方向転換。やがて裏側に小さな門の出入り口を見つける。こちらは木の閂で施錠されていて見張りはいない。


「チャンス!」


 構造を見抜き、大和は腰から大型スパナを取りだし振り上げる。


「おりゃ!」


 野晒しで劣化していた閂の一部が砕け、門が内側から開く。


「サービスで改修してやんよ!」


 急いでカレンを出し自分も外に、そして最後の番線で砕けた閂と門を外側から付け直そうとするが、


「狙われてる!逃げて!」


 カレンが叫ぶ。庭側から槍を持った兵が駆け寄り、屋敷の一階廊下の窓から弓をつがえた兵も見えた。間に合わない。だが……


「止せ!女に当たるような攻撃は控えろ!」


 二階窓からザクバの叫び声。兵達は一瞬躊躇し振り返る。


「うわああ!」


 カレンは一か八か、足元の水溜まりに両手を突っ込むと、汚れるのもお構いなしに泥を掬い上げる。


「カレンちゃん!?」


 転生者が叫ぶが説明してる暇がない。泥を門扉の番線と閂に投げつけ、泥にまみれた杖を振りかざす。


「錬金………いけ!」


 杖から緑色の淡い光が瞬いた瞬間、門の泥、そしてカレンの両手が石化する。


「えっ!?」


 驚愕する大和、だがカレンはそのまま走る。


「今の内に!」


 槍兵達が到達し門をこじ開けようとするが、針金を芯に石で固められた門はビクともせず、槍で破壊しようとしても動かせなかった。


「クソ!正面から回り込むんだ!」


 逆方向と知りながらも、兵達は屋敷正面に戻らざるを得なかった。


〜〜〜〜〜〜


「……賢明な判断だな」


 窓から身を乗り出し、苦々しい目で外を睨むザクバにボイルが告げる。


「娘が傷付けば違約金が発生、死ねば違約金込みで金貨300枚を強制徴収だ」


 料金は支払われたが、まだ商品は受け取ってはいないからな。とボイルはクツクツと笑う。


「アンタ……こうなるのが判ってて……」


「人聞きの悪いことを言うんじゃねえよ」


 詰め寄ろうとするザクバに鋭い視線で返す。お互い化けの皮が剥がれ、口調が変わっていた。


「俺は何も関与はしていない。ただ転生魔法の気配を感知したから契約を急いだだけだ。逃げられたのはアンタの商品管理の甘さだ」


「……なんだと?」


 血走った目で睨み付けるザクバだが、ボイルは良いのか?と冷笑で返す。


「あの娘が死ぬまでは契約不履行での違約金どまりだが……仮にあの娘が逃げ切り、役所に人身売買の事実を届け出ようもんなら……ザクバ、アンタは死ぬぞ?」


「なっ……」


「商売人ともあろうもんが、契約書を流し読みすんじゃねえよ」


 魔法陣を呼び出し、再び決済魔法の契約書を見せるボイル。売買成立前にゴルトー商会に瑕疵がない形でオークションの風評に傷を付けた場合、魔法契約により自動的に乙が抹消される……その文言が確かに書かれており、末尾にはついさっき書かれたザクバのサインがあった。


「俺は直接は関わらない。これは魔法契約による自動的な措置だ」


 商売の神という理によって全ては動く。自動で金は振り込まれ、違反があれば機械的に命は失われる。


「ザクバ様!申し訳ありません!二人を見失いました!」


 新たな兵士から絶望的な報告が上がる。面白そうに笑みを浮かべるボイルを尻目に、ザクバを指示を出した。


「兵を集めろ!捜索隊を結成する!」


 ……落ちこぼれ魔法使いカレンが引き起こした不完全な転生魔法。それにより現れた()()の勇者ヤマト。二人の男女によって世界は僅かに、だが確実に変革を始めつつあった……

 御読了ありがとう御座いました。

 癖が強そうで王道をいく主人公に対して、王道そうで物凄い癖の強い変化を見せるヒロインです。

 次回は回というか簡単なキャラ紹介&基本設定です。

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