表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
約束  作者: らこ
1/2

最後の言葉

大きくて傷だらけのあなたの手が大好きだった


その手で頭を撫でられるのが楽しみだった


戦いの中で目にする

あなたの大きな背中をいつも見つめて

あなたの様に強くなりたかった


強くなっりたかったのに


私があの日

任務を失敗しなければ……



君という存在を失うことが

僕にとって

とても怖いことなんだということを

わかってほしい

 

ずっと傍にいることこそ

叶いはしなかったが

君を守ることはできる


だから死に急がないで

今を楽しく生きてくれ


辛いことも

悲しいことも

たくさんあるけれど

楽しいことも

愛にあふれることも

それ以上にあることを

忘れてはいけないよ?


大丈夫

僕がいなくても

君のその優しさに気づいて

君の内側にある愛に気づいて

君を大切にしてくれる人が

きっといるから


泣くことなんかないさ

先が怖いのはみんな同じだ

でも

怖いことばかりじゃないだろう?

だからほら

笑って

笑顔見せて

僕を送り出してくれ


遠い未来で必ず会えるから


約束だ

あなたの傷だらけの大きな手は

少し震えながら

私の頬を包んで

あふれ出す涙を

親指でそっと拭い

最後の言葉を口にした後

ゆっくりとその手は力なく地面へ向かう


その手を抱きしめ

私は自分の愚かさと

力の無さを悔いて泣いた

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ