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スプーンのおもむくままに

『放課後に、校門前で待ってて』


 というユキのメールに忠実に従い、たくさんの下校していく生徒たちを横目に、校門でマチとともにユキを待っていた。今日は月曜日。バイトは入っていなかった。


「けっきょく、どーなったんだろーね」

「さあ……。こうして呼び出すってことは、とりあえず決着はついたんだろうけど……」


 それにしてもさむいねーと言いながら、マチが腕をさすったとき、ユキがやってきた。……隣に、背の高い男子を引き連れて。


「あれ、藤原くんだよ…」


 もしかしてと思っていたが、やはりマチの言葉には驚いた。

 すらりと手足が長く、顔も小さい。近づいてくるにつれ見えるようになった顔立ちは、パーツの位置がなかなかに整っており、確かに爽やかな好青年を思わせた。


「坂上屋に行きましょう」


 わたしたちと合流するなりユキが宣言する。そこからやや離れたところで、藤原くんは足を止めていた。


「いや、ユキ、どういうこと?」

「坂上屋で全部話すから。藤原くんもついてくるわ」

「「ええ!?」」


 マチとわたしが、きれいにハモる。


「外では寒いし、校舎内じゃ人目があるし。藤原くんもそう言ってる」


 そう……と頷き、歩き出す。藤原くんも、少し距離をおいてついてくる。

 なんだか、予想外の展開になったぞと、眉毛をハの字にしたマチと顔を見合わせる。藤原くんまで一緒とは。それに、人目を避けるなんて……。


 まさか彼が人権侵害を訴えて賠償金を請求してくる、なんてアメリカンな展開になるのではあるまいな……。いや、もしかすると、ばれてしまったのでは仕方がない、お前らにはここで消えてもらおう、という方かも……。こんなことなら、防弾チョッキを制服の下から着てくるんだった。持ってないけど。


 そんな風に馬鹿なことを考えていると、月校生でごった返すバス停に到着した。さて、ここからバスに乗れば、坂上屋はすぐだ。と、思ったら、前を歩くユキがバス停を素通りした。


「あれ? ユキ、バスには乗らないの?」


 マチとともに少し早足でユキの隣に並び、訊ねる。


「バスに乗ったら、藤原くんが大変だろうと思って。歩いたってそんなにかからないんだから、いいでしょ?」

「まあ……、いいけど」


 確かに、歩けない距離ではないし。でも、バスに乗ったら藤原くんが大変とは、どういうことだろう?乗り物酔い、あるいは人酔いでもするのだろうか。なんとなく、そういうものとは縁がなさそうに見えるけど……。マチも首を傾げているのを見ると、どうやら知らないらしい。


 一体どういうことなんだろう。バス賃は二百円ちょっと。まさか、それを払うのを躊躇うほどの金欠だというわけでもないだろうし……。とか考えているうちに、気がつくともう坂上屋のすぐ近くまで来ていた。駐車場まであと三十メートルもない、というところだ。


「うわっ!」


 と、突然、わたしより少し先を歩いていたマチが前につんのめった。隣にいるユキが慌てて支えたからどうにか転ばずにすんだものの、結構危なかったぞ、今のは。


「どうしたの、マチ?」


 身体は小学生だけど、マチの運動神経は折り紙つきだ。なにもないことろで転ぶなんて、そんな一昔前のアニメのヒロインのようなスキルはついていない。なにかトラップでも仕掛けられていないと、こうはならないだろう。


「こっち、へんな段差があるよ。気づきにくいけど」


 言われて、マチが指差したところを見てみると、確かにあった。今までまっすぐだった歩道が微妙に上向きに傾斜している。注意して見ないと分からない程度だ。これは気づきにくい。

 この道を歩くのは初めてなので分からなかったのだ。ちょっと危ないな、これ。


 ちらりと後ろを振り返る。藤原くんは、離れてはいるけどわたしたちを見失わないぎりぎりのところを歩いていた。見たことはないけど、警察や探偵はこれぐらいの距離をおいて尾行をするんだろうな。通行人は、彼がわたしたちの連れだとは思わないだろう。だからちょっと恥ずかしいけど、でも、なにもしないわけにはいかない。マチが転びかけたのを見ていたから大丈夫という保障はないのだし。


「藤原くーーん!」


 口に手を当て、叫ぶ。藤原くんが、びっくりしたように足を止めた。周りの人たちの視線が集まるのが分かる。


「ここ、気づきにくいけど、段差があるから気をつけてーー!」


 ここ、と言いながら、例の場所を指差す。藤原くんが大きく頷くのを確認して、振り返った。


「ミヤ、ちょっと顔があかいね」

「頬っぺたが特にね」


 うっさい、と言って、先に歩き出す。これは寒さのせいだ。


 坂上屋に到着すると、月校生がいないのを確認し、中に入る。ユキの先導で、一番奥の人目につきにくい席に座った。しばらくして藤原くんもやってきて、わたしの向かい、ユキの隣に座った。

 胸元に『進藤』と名札をつけた若いウエイトレスがお冷を配り、ご注文がお決まりになりましたら手元のボタンを押してお呼びください、と言って去っていく。


「とりあえず、なにか頼みましょ」


 ユキがメニューを取る。と、ここで、


「今日は俺がおごるから、なんでも好きなのをどうぞ」


 初めて藤原くんが口を開いた。


「えー、いいの?」

「ああ、いいよ。近澤も羽原も、それから……」


 言って、わたしのほうを向く。


「桜井さんも」


 どうも、と返事して少し頭を下げる。どうして名前を知っているんだろう。ユキから訊いたんだろうか。


「あら、藤原くん、ミヤのこと知ってたの?」


 と、思ったが、どうやら違うようだ。


「ああ、知ってるよ。桜井都さんでしょ。さっきはありがとう。おかげで転ばずにすんだよ」

「そっか。よかった」


 頷く。わたしが忘れていただけで、話をしたことがあったんだろうか。とりあえず、転ばなかったならそれに越したことはない。


「ミヤ、目立つもんねー。おっきいから」


 マチが、手のひらを下にして自分の頭よりかなり上に右手をもっていき、大きいというジェスチャーをする。


「わたし、そんなに目立つ?」


 藤原くんは何も言わず、ただ苦笑いを浮かべた。思わずため息がでる。


「この身長、誰かに分けたいわ……」

「じゃー、あたしにちょーだい!」

「いや。あんたには死んでもやらん」

「死んでもやらん!?」

「うん。小さくないあんたなんて、物足りない」


 わたしの言葉に、ユキも、そして藤原くんまで頷く。小さい=マチであり、マチ=小さいなのであって、小さくないマチなんて、寿司のないワサビだ。もうそれは全く別の人間だ。


「くそー……。みんな背が高いからっていい気になって……」


 むくれるマチを尻目に、ユキはメニューを開く。


「それじゃあ藤原くん、遠慮なく。あたし、スペシャルブレンドコーヒーと、和風アイスクリーム三昧」


 本当に遠慮がない。


「あたしもあたしも!アイス三昧と、あと、ホットレモネード!」


 立ち直りが早いのがマチの長所だ。


「わたしは……」


 メニュー越しに、ちらりと藤原くんを盗み見る。この時点で二千円は超えているけど、大丈夫だろうか。

 しかし彼はふたりの容赦のない高級オーダーにもこたえた様子もなく、自分自身もメニューを見てなににしようか選んでいる。これなら大丈夫そうだ。


「わたしも、アイス三昧とホットコーヒー」


 飲み物まで高いものを選ぶ気にはなれず、安物にする。

 しかし、ユキがバスに乗ったら藤原くんが大変と言ったのはこのためか。この流れから考えると、バス賃も藤原くん持ちだったのだろう。四人分のバス賃は馬鹿にならない。ユキのささやかな気遣いだったというわけだ。まあ、その分オーダーはかなり容赦がなかったけど。


「今日は寒いのに、みんなアイスなんだな。そんなに美味しいのか、これ?」

「みごとな味わいだよ!」


 あんた、食べたことないだろうが。


「ふーん、そうか。じゃあ、俺もそうする」


 言って、藤原くんは手をのばし、ボタンを押す。ぴんぽーん、とやや間抜けな音がして、まもなく先ほどのウエイトレスがやってきた。藤原くんが手早く全員の注文を頼む。

 夢の和風アイス三昧を食べられるとあって、マチは早くもうきうきと笑顔を浮かべていた。


「はやくこないかなー」


 と、何度もカウンターをちらちら見ている。坂上屋はあまり店員が多くないので、注文の品が来るのはそれなりに時間がかかる。飲み物はともかく、アイスはこんなに早くはこないだろう。窓の外の歩道を見ながら、そんなことを考える。


 それからしばらくは、とりとめのない雑談に興じた。藤原くんの話で、月校の園芸部は結構有名だということを初めて知った。他校の園芸部が花壇を見るたび、大いに感心するのだそうだ。近くの農家のビニールハウスを借りて、野菜の栽培などもしているらしい。藤原くんは、さぞ爽やかに農作業に精をだしていたんだろうな。


「お飲み物でございます」


 またもや先ほどのウエイトレスが来て、わたしたちの注文した飲み物を運んできた。藤原くんは、せめてもの節約なのだろう、飲み物は頼まずお冷で喉を潤していた。なんかごめんという気分になる。


「じゃあ、飲み物もきたし、始めましょうか。アイスがくるまでには終わらせましょう」


 ユキがなんでもないことのように言うので、本題に入るという意味だと理解するのに遅れた。今日の本題、『なんちゃって盗難事件』の真相についてだ。


「俺もそのほうがいい」


 藤原くんが頷く。いよいよだ。わたしは手早くコーヒーにミルクを入れ、スプーンでかき混ぜる。

 わたしとマチのほうを見ながら、ユキが話し始めた。


「今日の昼休みが始まってすぐにね、あたし、藤原くんに訊いたの。木曜日の放課後、なにしてたのって。もちろん、周りの人に聞かれないように注意してね」


 なんと。まさか本当に金曜日に言っていた通りの質問をするとは。探りを入れていることを気づかせないために質問は一回だけと言ったのに、これではちょっと……。もう少しオブラートに包もうという発想はなかったのか。


「それを聞いたとき、心臓が止まりそうになったよ」


 藤原くんがお冷を片手に、再び苦笑いを浮かべる。心臓が止まりそうなほど驚いたとは、つまり……。


「金曜日はなにも言われなかったのに、まさか週明けに問い詰められるとはね。近澤は全部気づいてたんだなって、観念した」

「それで藤原くん、あたしに頭を下げて全部話したの。今度はあたしがびっくりしたわ。もしミヤの推理どおりでも、まさか自分から全部話すとは思ってなかったから」


 ユキの質問では、暗にお前のしたことはお見通しだぞと言っているようなものだからな……。まあそれでも、確かに藤原くんの行動は潔い。


「それでけっきょく、推理はどのていどまであたっていたの?」


 レモネードをふうふうし、冷ましながらマチが訊く。


「見事なまでに、大当たりさ。まるで俺の一連の行動を見てきたみたいだったよ」


 藤原くんが、今までとは少し違う、自虐的ともとれるような笑みを浮かべた。悔しがっている……のかな?


「そのあと、藤原くんね、頼むから先生には言わないでくれって言うのよ。あたしは全然そんなつもりはなかったから、もちろんって答えて。それで、あたしは断ったんだけど、藤原くん、なにかお詫びしたいって言うから。じゃあ、推理した友だちも一緒に、坂上屋一回おごりでって」


 なるほど。この『お詫び』には、口止め料という意味もあるのだろう。

 コーヒーを一口飲む。ううん、自販機で売っている缶コーヒーとどっこいどっこいというところ。


「しかし、なるほど。いったい誰がそんな名探偵なのかと思ったら、桜井さんだったんだな」

「あれ、言ったっけ?」


 目をぱちくりさせるユキ。さっき思いっきり、ミヤの推理と言ってましたが。


「いや、名探偵とかじゃなくて……。ただ単に、気になっただけというか…」

「そんなに謙遜しなくていいよ。流石は桜井さんだって思ったから」


 なにが流石なんだろうか。彼とは話したこともなかったというのに。


「そうだよ。ミヤはねー、すごいんだよ。試合でも一番に相手チームの作戦とか見抜いちゃうし、分析もじょうずなんだ。……あつっ!」


 どうやらまだレモネードはちょうどいい温度には冷まっていなかったらしい。


「へえ、チームの参謀だったってわけか」


 さっきまでの悔しそうな表情は消え、またもや爽やかな笑みを浮かべている。素晴らしいほどに完璧な好青年である。


「まあ、一応は……」


 なんか、そんなにはっきりと『参謀』なんてあまり聞きなれない言葉を言われると、妙に気恥ずかしくなってきた。コーヒーをすすり、慌てて話題を変える。


「あのさ、そういえば。藤原くん、調査書はどうだった?」


 すぐに、しまった、と思った。藤原くんが口元に浮かべていた笑みを消し、ふっと表情に影をおとしたのだ。この質問は避けるべきだったというのに、慌てすぎて何も考えず、つい口に出してしまった。わたしにそこまで訊く権利はないのに。


 藤原くんは無言。当然、マチもユキも無言。四人がけのテーブル席に舞い降りたのは、妙に気まずい沈黙の時間。


「あの……」


 ごめん、答えなくていいよと言おうとしたわたしを、藤原くんが遮った。


「そうだな。今日、金を渡すだけじゃなく、俺も同席したのは、このことを言わなくちゃと思ってたからなんだ。そっちから訊いてくるとは思わなくて、少し驚いたけど……。近澤、羽原、桜井さん」


 そこまで言って、おもむろにテーブルにばん、と手をつき、頭を下げる。その衝撃でお冷が少しこぼれたが、藤原くんは気にしなかった。驚くわたしたちをよそに言葉を続ける。


「ここまでやっておいて、実は俺、調査書を見てないんだ。土壇場で怖気づいてさ。地学準備室に入りはしたけど、それで終り。どうしても、足が調査書の置いてある机まで進もうとしなかった。しばらくぼーっと突っ立ってから、外に出たよ。

 近澤と羽原は、特にすまない。あれだけ散々歩きまわさせたっていうのに。というか、そもそもこんな計画を実行しようと思ったこと自体が気の迷いだったんだ。どうかしてた」


 最後にもう一度、本当にすまなかったと言って、さらに深く頭を下げた。額が今にもテーブルにぶつかりそうである。


 調査書をいざ見るとなると怖くなったなんて、なんと共感しやすい人か、藤原正則くん。分かる分かるよ、その気持ち。そして、すがすがしくさえある謝りっぷり。しかし、まっすぐに誠意を伝えてくる藤原くんに、


「そんなに謝らなくていいわよ。別に怒ってたわけじゃないし」

「うん。和風アイスもたべられるし。いーよいーよ、顔あげて」


 かる~い言葉で返答してくるはわたしの幼馴染ふたり。


「あれ、それだけか!?」


 藤原くんも顔をあげてびっくり仰天。清水寺から飛び降りる思いでした告白を、驚くほど手ごたえのない言葉で許されてしまい、なんとも微妙な心境。喜ぶべきかどうなのか。


「じゃあ、桜井さんは? その、怒ってる?」


 ターゲット変更。ふたりからまさかの肩透かしをくらい、なんだかスッキリしない気持ちでわたしに矛先を向けたのだろう。しかし正直、わたしには彼を怒る理由がない。ユキやマチのように校舎を意味もなく歩き回らされたわけでもないし、校則違反に腹をたてるほどの熱血漢でもないからだ。しかしここで、先ほどのふたりのようにかる~い受け答えをしては藤原くんも報われないだろうから、


「怒ってはいないけど、ちょっと軽率だったとは思う。せっかくたくさんの人の中から推薦に選ばれたんだし、それに見合った行動をするべきだったんじゃないかな。藤原くんの代わりに落ちた人たちや、藤原くんを推薦してくれた先生たちのことも考えてあげるべきだった」


 と、なんの面白みもない一般論で切り返す。彼も十分、この点については反省してると思うけどね。

 むしろ推理するのは楽しかったし、こうして午後のおやつをおごってもらえるしで、わたしが一番得してるとすら思う。


「そうだよな。馬鹿だったよ、俺は……。でも、本当に怒ってないのか?」


 言って、藤原くんはちらりと隣にいるユキに視線を向けた。彼からしたら、ユキがいつものポーカーフェイスで木曜日の放課後なにしてた? なんて遠まわしな脅しともとれることを言ってきたものだから、相当びびっていたんだろう。あたしを散々歩き回らせて貴重な放課後を台なしにしやがったなこの野郎、という風にでも解釈したのかもしれない。杞憂なんだけど。


「ほんとよ。誰も怒ってないんだから、そんなに気に病む必要はないわよ」


 スペシャルブレンドコーヒーにシロップを入れながら、ある意味気に病む原因を作った張本人が言う。気づいてないんだろうなあ、こいつは……。

「……そうだな。ありがとう」


 いいっていいってー、と、またもや気の抜けるマチの合いの手。今度は流石の藤原くんも、苦笑いである。


「じゃあ、この話はおしまいね。藤原くん、そんな顔してたら、せっかくの絶品アイスが味わえなくなっちゃうよ。もうすぐくるんだから」


 わたしがそう言うと、みんながカウンターを見た。先ほどのウエイトレスがトレーに和風アイスクリーム三昧の器を乗せている。あとはもう、運んでくるだけだ。


「藤原くん。ほんと、すごいからね。期待してて。今までわたしが食べたアイスの中で、ぶっちぎりのトップ」

「分かった。……楽しみだな」


  藤原くんが笑顔で頷いた。よかった。あのアイスを釈然としない気分で食べるなど、もったいないの極みというものだ。


「ア・イ・ス!ア・イ・ス!!」


 テーブルに手を打ちつけ変な歌まで唄い、全力で喜びを表現するマチと、顔は真顔なのに身体は微妙にそわそわと落ち着きなく動いているユキ。元の爽やかな表情に戻り、アイスを楽しみに待っている藤原くん。そしてわたしは窓の外を見ながら、ひとり考える。


 このあいだは、まず最初に豆乳から食べたけど、今日はどうしようか。黒ゴマの個性的な味わいから入るか、和風アイスの王道、抹茶から攻めるか。はたまた、もう一度豆乳からのスタートもアリだ。どれも捨てがたい。

 やがて、トレーを手にウエイトレスがやってきた。乗せられているのは、間違いない、どれも絶品の、和風アイスたち。


 ああ、どうしよう、まだなにから食べるか決めていないのに。こうなったら、仕方がない。わたしは決心した。

 ウエイトレスが、ひとつひとつ器をテーブルに置いていく。目の前に君臨するアイスたちは、どれもすばらしい輝きを放っていて、一番なんて決められそうにない。


 なにも考えず、スプーンのおもむくまま、本能に委ねよう。なにを選ぶか、楽しみだ。

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