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白蓮教 首都連続爆破事件  作者: 松本忠之
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エピローグ

白蓮教は公安によって解体された。

九江市での逮捕者十名のうち、江静は被疑者死亡のまま送検、その他九人は江静の死亡により、少しずつ供述を始めた。それによって、あと二名、白蓮堂に潜んでいたことがわかった。公安の追跡からの逃亡中、はぐれてしまったらしい。この二名はまだ、逮捕されていない。また、北京の教会でも信者が発見され、そちらでも十名が逮捕された。四つのビルの爆破実行犯、ドローン操縦者などの実行犯とともに、女性や老人などの信者が逮捕された。公安は、信者の残党を一人残らず逮捕する方針を打ち出し、引き続き捜査を継続。もちろん、白蓮教は公安のブラックリストに掲載され、データベースにも情報が追加された。この事件を機に、政府は更なる国内の宗教結社の取締りを強化した。

後日、開かれた公安部諮問委員会にて、劉鋭は上司の柳躍進と共に出席し、捜査上の不備を指摘された。特に、捜査のためとはいえ、日本人の血を持ち、公安外部者である金橋を公安内部の相当な領域まで招きいれたことが大きな問題に問われた。そこに、次期公安部長の座を狙う権力闘争の思惑が暗躍していたことは言うまでもない。しかし、まったく手がかりがない状態から天安門の爆破を阻止し、教団の逮捕までつなげた功績との相殺により、注意だけの処分となった。また、教祖である江静の自殺を防げなかったとして、九江市の公安局は中央からの指導と改革プランの実施という処置を受けることとなった。

王恵妹は事件後、心身の回復を目的に休暇を命じられていた。金橋は、大学に戻り、日常を取り戻していた。

そんなある日、王恵妹から微信が届いた。食事の誘いだった。

金橋は花束をもってレストランへ向かった。もし、王恵妹の心身が回復していたら、大切なことを伝えよう。事件の最中では、不謹慎で言えなかった、自分の気持ちを伝えようと。

すっかり日が沈んで暗くなった北京の夜空に、煌々と月が浮かんでいた。そのコントラストは、光と闇を象徴しているようだった。




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