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Not too late  作者: 月夜野 宇宙
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案内

私は約束通り朝食をとったあと門へと向かった。この家は畑も同じ敷地内にあるからか、とても広い。so

のためか門もかなり荘厳なものである。そこにはもう柚月が待っていた。

「遅いよー」

「ごめん、ごめん量がかなりあったからさ。」

本日の朝食は焼き魚にご飯と味噌汁、漬物という定番ながらも美味しいものだ。そしてそこに昨日の残りの唐揚げもあったのである。豪華な朝食だ。

「よし、行くよ」


 私は柚月のあとをとぼとぼついていった。夏の朝日は、前を歩く柚月のワンピースに反射して眩しかった。それでも現代に比べればなんてことない気がする。やっぱり地球温暖化は進んでいるのだなと思っていると、最初の目的地に着いたようだ。

「ここはもしかして昨日ボクくんも寄ったかもしれないね。ここは南沢っていうんだ。ここに流れてる水、湧水なんだよ。綺麗でしょう」

 そこは昨日(正確には“ボク”の身体において)寄った家の周りにあったものだった。(そうか湧水だったのか、どうりで綺麗なわけだ)

 私はその湧水をすくって顔を洗ってみた。なんともいえない爽快感を感じた。全てが洗い流されるような、そんな感じだった。

「もしかして、湧水とか見たの初めて?都会にはないだろうしね。奥は森になっていて虫も取れるよ。よし次行くよ!」

 そういうとまた歩き出した。


「次はここ、この町の名前の由来でもある桜川だよ」

そう紹介された川は先ほどの湧水に劣らず透き通っていて、川底も眺められるくらいであった。

「この辺の地域の水はとっても綺麗なんだ。もう少し奥のとこにあったら少し深いとこがあって、みんなで飛び込んだりするんだよ」

 私自身も都会育ちなためこんな綺麗な川を実際見るのは初めてだった。少し飛び込んでみたい。そんな気持ちにさせた。すると目の前を綺麗な鳥が飛んでいった。そして思わず、

「何あれ?」

 と叫んでしまった。すると笑いながら柚月が

「ちょっとびっくりしたよ。あれはね翡翠って言うんだよ。カワセミともいうかな。この辺ではよくみられる鳥なんだよ」

 たしかに翡翠の名のとおりだった。都心でみられる野鳥、カラスやハトの類とは比べものにならない、綺麗な姿であった。

「次は私たちのとっておきの場所。本当は秘密なんだけどボクくんは特別ね」

  秘密とか特別なんて響は長らく無縁な生活を送っていた私にとって、それはとても魅力的に感じた。


「ここだよ。秘密の秘密の場所。」

そういって案内されたところは一見空き家に見える場所だった。

「ここが、秘密の秘密の場所?」

私はつい尋ねてしまった。

「ちがう、ちがうここの裏だよ。」

そう言われて空き家の裏に案内された。

 そこで待ち受けていた光景は私の目を輝かせた。

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