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Not too late  作者: 月夜野 宇宙
13/29

川遊び

 違う…

 断じて怖いわけではない。ただ“ボク”の身長からしたら少し高いかなと思って、踏み出す勇気がないだけだ。けれどもそんな私の内心を察してくれるわけもないわけで。

「おーい、イクジなしー」

 とか

「もしかしてボクくん怖いの?」

 とか涼だけでなく珠美にも茶化された。

 少し悔しくなったので、目をギュッとつぶって勢いよく飛び込んだ。

 こんなに暑くても、やはり川の水は少し冷たく感じた。それでもやっぱり気持ちがいいものだ。

 

 今日はこの土地名の由来にもなっている桜川へと4人でやってきた。(翔太は学校で何やら準備があるらしい)夏場の水遊びとは気持ちがいい。

 また川や海は危険でもあるので、大人たちは心配して子どもだけで行かせないようにすることも多いが、その点、この川はほとんどの場所が浅く、また流れも穏やかであるので安全だ。今遊んでいるところのように少し深いところがあるが足がつかないほどではなかった。


「やっと飛び込んだか、ほらこっちから見てみなよ。意外と高くないんだぜ」

 涼にそう言われてみてみると、確かに川岸までの高さは1メートルとちょっとくらいしかない。

「やっぱり怖かったんだろ?」

 なんてニヤニヤしながら覗き込んできたので、思いっきり水をかけてやった。彼は面食らって少しだけたじろいだが、すぐにかけ返してきた。水かけ合戦の開始である。

 こういうのは大抵どちらかが降参するまで終わらない。私は大人げなく(?)水をかけまくり、涼は咳き込みながら降参と言ってきた。

 (大人をなめるなよ)と身体は子どもだが、そうとでも言わんばかりに勝ち誇っていると、やっぱうそとか言ってまたかけてきたので、こっちもまたやり返す。

 そんなことを2人で暫くやっていると、女子2人は呆れた顔をしてこちらの方へ来た。

「もう、2人ともいつまでそれやるつもり?何か4人でやろうよ」

 と珠美が言った。

「じゃー、競争しよ、競争」

 柚月が続けて提案してきた。いいよとこちらが承諾すると男子チームと女子チームにわかれてリレー方式でやることになった。

「よし、やってやろうぜ」

 涼が意気込んでいたので風を切る勢いで頷いた。

「じゃー、あそこに見える橋の足にタッチして引き返して、次の人は最初の人が戻ってきて肩をタッチされたらスタート。同じ要領でこっちまでまた帰ってきて早くついた方が勝ちってこと」と珠美にルール説明された。

 ひとつ学年違うかもしれないが、男子が女子に負けるわけないだろうとたかをくくっていた。それに私は泳ぎは得意な方だ。

 私は先に泳ぐことになったので、柚月と泳ぐことになった。

「ボクくん、女子だと思って舐めない方がいいよ」

 柚月はゴーグルをかけながら警告してきたので

「負けないからね」と返しておいた。

「2人とも頑張ってね、よーいドン!」

 今戦いが始まった。


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