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俺の為の異世界救出  作者: 優しい鼠
プロローグ
2/25

異世界転移とかありえない!

 俺の目の前が真っ白に包まれた……気がした。


「も、もう大丈夫……なのか?」

「目を開けなさい!!」


 俺の心はすごい動揺していた。

 神(自称)の声なんか聞こえない。

 あぁ、俺も剣や魔法の世界で冒険者になって、ずっと魔王とか目指しながら馬鹿みたいに大冒険の生活とかしちゃうんだなぁ〜。

 ずっと昔には誰よりも平凡で異常のない人生を願ったはずなのに……。

 あぁ、いつから神聖な何かに選ばれちゃったんだよ、俺……。


「だから……いつまで目ぇ閉じてんのよ!!」

「うわぁっ!!」


 あまりの怒声にうっかり目を開いてしまったが、目の前の光景は……さっきと変わってなかった。

 少し早とちりしてしまったというのか、俺とした事が……。

 いや、あのUFO襲来で思い知ったのだ、俺は冷静なのではなくとんでもない腰抜けなのだ。


「もう……この腰抜け!」

「まったくもって、その通りでございます……」

「い、いいわね?今のは異世界の環境に慣れる為の魔法だから!」

「そうなんですか……」

「あったりまえよ、何も準備せずに違う世界の人間を異世界に送り込むなんて、無謀にもほどがあるわ」

「というと、よくあるチート能力的な物を授けてくれるんですか!?」

「え?私にはそんなもの上げられないわ」

「はいぃ〜?」


 もうダメだ、俺じゃあ異世界なんかやってけないさ。

 この性格なんだ、きっとどこかでぼろを出して貴族とかの上級階級の方々に処されるのだよ。

 

「そんなんじゃ、異世界なんてやってけませんよ!!」

「何言ってんのよ!?さっきまであんなにやる気いっぱいだったじゃない!?」

「あ、あれは、一時の気の迷いみたいな……」


 俺って本当に正真正銘の馬鹿なのだな、って今思った。

 この神様は俺に世界を救わせるとか言っておいて、実はただの遊び半分とか何じゃないのか?


「良い?あなたには全世界の人間の希望が詰まってるの。だから、絶対に頑張って。あなたなら出来る」

 

 その口調はさっきまでとは違い、低く、嘘を吐いていないようだった。

 考えても見れば、そうやすやすと神は世界に干渉できないのだろうか、だからせめてでも人間を使いあまり干渉しにようにしてる。

 それでチート能力なんて与えたら、元も子もないって話しだな……。

 って、ん?どこか引っかかるところがある。

 なんだ?世界?そうだ!


「神様、その世界とはどこの世界なんですか?」


 そう、他の世界は危機なんて知らないんだったら、誰が希望を抱いてるんだ?俺なんかに。

 

「そ、それは……あれよ!比喩的表現よ?気にしないで!!」


 俺の肩を揺らしながら、めっちゃ動揺してる感じだが……まあいいか、何だって。

 よし!かっこいいラノベの主人公になるんだ!そう、それだけでいいんだ!

 この時の俺はなんだかとってもフワフワしたような雰囲気に包まれていた。

 なんだろう、今ならなんでも許せちゃう感じだな。

 

「分かりました。頑張ります!」

「よし!いいわね?じゃあ、もう一度言います、あなたが行った先の世界では、まず不穏な力の原因を探してください。何か分かったら、頭の中で力強く『神様、お助けください……』って唱えればすぐに会えます。合いたくなっただけでもいいですよ」

「はい!」

「何よりも大事なのは死なないことです!死に対しては私もどうにもさせられません。いいですか?」

「はい!」

「それが、出来たらもう何も言う事はありません。さぁ、召喚の為の魔法陣の上に乗って」


 俺はゆっくりと魔法陣に足を踏み入れる。

 はぁ〜、異世界楽しみだな〜、何があるのかな〜?冒険もできるかな〜?魔王とか……

 って何やってんだ俺?さっきまでまるで洗脳されてたみたいだ。

 まさかとは思うがこの神が変な事してたんじゃないのか?

 聞いてみるか、どうせ殺されないし。


「神様、俺に何かしたんですか?」


 俺が素直に聞いてみると、なんだか神様は目を見開いていた。


「やっぱり、強くなったのね!!」


 神様はいつのまにか元の口調に戻ってた。

 てかなんだよ、強くなったって。

 やはり何か不思議な物をかけられてたんだろうか、俺は。

 

「じゃあ、またね!……これは、考え直そうかしら……」


 神様が意味深そうな事を呟いてると、俺の足はいつの間にか消えていた……って、んん!?。

 いや、感覚はあるのだが、透明な感じで見えない。

 それが侵食するかのように腰まで見えなくなっていく。

 おかしいでしょ!何ですかこれは!?


「か、神様っ!これなんですか!?」

「大丈夫、転移してるだけだから」


 本当か?さっきから騙されてる感じばっかだったからな。

 そう考えてると、もう俺の首元まで消えかけてる。

 異世界か……別に楽しみではないし、上手くやれる気もしないのだが……。

 俺に言える事は一つ、その世界は、俺が救ってやらないといけないってことだ。

 俺の目の前が真っ白に包まれた。



 ーーーーーーーーーーーーーーー



 しばらくだが、俺の中では多くの走馬燈が駆け巡っていた。

 前の世界で事、色々あったよな……。

 ん?俺って中学生だったよな、確かに親達が子どもらしくないという言い分が分かる気がする。

 案外、神様の言っていた通り俺は凄い奴なのかも知れないな。

 いや、異世界じゃそんな簡単にはいかないだろう。

 俺を睡魔が襲う。


 

二回目で少しですが慣れてきました。

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