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俺の為の異世界救出  作者: 優しい鼠
一章 冒険準備
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これも神とかありえない!

また短いです、すいません……。

 俺の脳内に聞き覚えのあるような笑い声が響く。

 ポセイドンでもない、何者かの笑い声が聞こえると、俺は精神世界へと引きずり込まれた。

 

「はぁ〜はっはっは!!」

「お前は誰だ?」

「やっと目覚めたか、あ……カナタよ!!」

「だから、お前は誰なのかと聞いているんだよ!!」

「分からんのか?お前も勘が鈍ったのう……仕方ないから教えてやろう……我が名は『六条』!!お前の持つ刀に眠る神であり、お前の相棒である!!」


 俺が今も持ってるナイフの中に……こいつ、何を言ってるんだ?

 六条なんて聞いた事も無い……てか、また神かよ!?

 俺がこの世界に来てからというもの、何回神と名乗るものと会ったのだろうか?


「それで……六条?あんたがこのナイフの中に居る事は百歩譲って認めてやろう。だがそうだとすると、さっき行われた俺の動きは、あんたがやったって事になるんだな?」

「勿論そうだとも!と言っても、あれは本気の十分の一にも満たんがな」


 ほほぅ、とんでもない自信だがこの言い方だと本当そうだな。


「それで、お前は神様な訳だな?」

「その通っり!!飲み込みが早いな」

「だとして、何故に俺のナイフ何かに隠れてたんだ?」

「隠れたのではないし、お前の刀はただのナイフ何かじゃない!!」

「じゃあ何だって言うのだ?」

「あれは『波剣』っていうんだよ!あれはな……」


 俺は六条に『波剣』について教えられた。

 まず、この世界の剣は出来によって、大きく五つに分けられるという事。

 一番弱くて『動剣』と呼ばれるただの剣、その上がより強く作られた『清剣』、さらに強い物が『流剣』である。

 そして、ただの剣には超えられないと呼ばれる、神の如き力が宿った剣を『波剣』といい、最早神の域に達しているものが『光剣』と呼ばれるらしい。

 どうにも曖昧な気がすると聞いてみたら、この基準は飽く迄も解析師達が勝手に付けたものらしく、よく見間違ったりするらしい……要するに名前の圧力か。


「それで……『波剣』が凄いのは分かったが、何故お前が居るんだ?」

「我は、この世界の平行世界における神だったのだ。しかし、ひょんな事からこの世界に転生し、物に移っては朽ち、移っては朽ちの繰り返しで生きて来た」

「それで、俺のこれに転生したと?」

「そう、その通りだ。あと、今後はこの剣も六条と呼んでくれたまえ!!」

「あぁ、そうっすか『六条』」


 そう言った直後、俺の意識はさっきまでの場所へと戻っていた。


「カナタ君、またどうかしたのですか?」

「あぁ、ゼウス様、問題無いです。ですが、この剣……いや『六条』と話してきました」


 俺がそう言うと、ゼウスもガブリエルもキョトンとし出した。

 しかし、ゼウスは直に正気に戻ったようだ。

 てか、さっきから俺キチガイ過ぎじゃね?何て自覚し始めたのは気のせいだな。


「カナタ君なら何があっても驚きませんね……それで、その六条という方は一体?」

「六条とは何だか平行世界の神らしく、この世で転生を繰り返して辿り着いたのがこの剣だったそうで」

「あぁ!転生者の事ですか!?」


 え?『転生者』って?

 転生者とは魂が強い故に、なかなか魂が朽ちず、肉体が変わっても意識だけは残ってしまったと言う者の事で、この世界ではそれ程珍しくも無いそうだ。

 でも、何度も転生したなら話は別らしく、その者の魂には莫大な量の魔力と、肉体にはありえない程の秘力の容量があるとされ、そのような者達がこの世界の人間の中では最強と言われてるらしい。

 というと、俺もそうなのかも知れないな。

 基本的に魔力はまだ分からんが、秘力においては一日位は不自由なく使える程に貯められている。

 『貯める』というのも、この世界に来て始めは分からなかったが最近は何となく体に秘めた力の感覚がちゃんと伝わって来てるのだ。

 それで、今はその力に大きな可能性を感じてる訳だ!


「転生者の『六条』さんですね?よろしくお願いします……」


 何で挨拶してんだ?って思ったが……あれか、自分の眼で六条の心を読み取りたいのか。

 俺がゼウスに六条を突き出してやると、また声が聞こえて来る。


「おいカナタ!その胡散臭い神から我を離してくれ!!何か心を見透かされてる気がするんだが……」

「大丈夫だって、その通りだから……」

「おぉそうか……って嫌だって!!早く離せよ〜!!」


 仕方ないからゼウスから離し、そのまま皮の鞘にしまった。


「カナタ君、もう少しでこの方の心に踏み込めたのに〜」

「スイマセン……本人が嫌がってたので……」

「ですが、さすがカナタ君の愛剣。読むのに一苦労でしたよ」

「そ、そうなんですか」


 この後は、簡単に剣術についてガブリエルに教えて貰ったり、それに対して六条が『そんな事言われなくても分かるっての!!』とか言ってたりして、修行三日目が終わった。

 

「お疲れ様でした〜!」

「お疲れ、カナタ君」


 ガブリエルは仕事の関係上、数分前に出て行っていた。


「ゼウス様、また明日」


 俺が出ようとすると、ゼウスが引き止めて言って来た『ちゃんと街も回って下さい』と。

 深い意味は分からなかったが、息抜きもしろって事か?

 一先ず俺は宮殿を後にし、自身の宿屋へと帰る事にした……疲れた。


 宿屋に帰り、部屋を開けると、そこにはベッドに座ったままでボーッとしたのクララさんがいる。

 これは昨日も一昨日も同じ事だった、もしかしたらこういう事か!


「カナタさん、お帰りなさい。今日はどうでしたか?」

「クララさんっ!」


 俺は舞い降りて来た最高のプランに自画自賛し、クララさんに駆け寄った。


「な、なんですか!?」

「今から出かけません?この街に!!」

「えっ……」


 クララさんは座りながら、いつも外を見ていた。

 そりゃその筈だ、150も人間と一切交流せずだったのだから。

 クララさんは少し困惑したままの顔だったが、窓の外を見て……。


「はいっ!お供させて下さい!!」


 と、言って来た……可愛い人だ。

色々と伏線を立てていきます。

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