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俺の為の異世界救出  作者: 優しい鼠
一章 冒険準備
15/25

こんな修行ありえない!

今回は時間が非常に無かったのでとても内容が少ないです。

すみません。

 宿に着いた俺達二人は、ゼウスが用意した部屋を含め宿屋が満室だったことを知った。

 店主も受付終了のお知らせをして来たもので、正直キツい……。

 仕方ないので同じ部屋に泊まる事にしたが、俺としては恥ずかし過ぎる。

 あの晩、クララさんは俺のベッドに寝て貰うようにして、俺は少し離れたソファーで寝た。

 さすが神の用意した部屋と言うべきか、広さも内装も申し分無い。

 さらに、店主が持っているらしい能力で部屋のドアもしっかり施錠されてるという。

 何も起こらなかった朝の目覚めは、とても気持ち良いな。

 本当に、何も無くて良かった……。

 しかし、これからの朝はあまりゆっくり出来ない。

 そもそもサタンがハデスの所にいるという確証は無い訳で、行った所でさらに探す羽目になってしまうかもしれない。

 そこで二ヶ月と言うデッドラインがあるんだから、今までこんなにもゆっくりしてた方がありえない。

 そんなこんなで俺はゼウスの宮殿へと向かう。

 クララさんが持って来たローブの呪い軽減効果は昨日の町中でも分かったが、念には念を入れて、部屋に置いて来ておいた……少し不安だが、何も問題無い筈だろう。

 ゼウスの宮殿の入り口ではまたラファエルが案内として出て来た。

 もう大丈夫、と言いたかったがあの宮殿で道を覚えられるのはゼウスの部下だけだと教えて貰った。

 あれか、そういった能力なんだろうな。

 

 前のように内部を暫く歩いたら、また突然扉の前で立ち止まる。

 しかし、前に入った扉よりは質素な感じの扉であったが、この扉から風の匂いがするような気がする……気のせいだろうか。

 ラファエルはそこの扉をゆっくり開け、その光景に俺は唖然した。

 扉の向こう側には、地平線まで続くような平原が広がっていた。


「え?ここ、どこですか?」

「どこって、ゼウス様の作り出した空間ですよ」

「ゼウス様はそんな事ができるんですか!?」

「何でも、この為だけに作られたらしいですから」


 そんな事を言いながら、俺はラファエルに催促されたせいでさっさと中に入って行く。

 放り込まれた俺の目の前に現れたのはスッと立っていたゼウスであった。


「さぁ、修行を開始しましょうか。カナタ君」

「は、はい」




 ーーーーーーーーーーーーーーー  


 

 

 こんなの聞いてないんですけど!?

 俺は見た事もない竜のような巨大生物に囲まれていた。

 

「何なんですか!?これ!!」

「何って、ドラゴン達ですよ……って分からなかったですよね?」


 こいつウゼェ〜〜!

 今はそのドラゴンなるもの達が繰り出して来る体当たりを必死に避けている訳だが、正直俺の反応速度でギリギリ避けられるというもので、そんな中コイツの嫌味を聞いてたらもういつか死ぬんじゃね?


「ていうか、どうしてカナタ君は能力を使わないんですか?」


 あぁ、そうか、俺には神も呆れるチート能力を持っていたんだ。

 取り敢えず、『海王の力』から使ってみるか……それじゃあ、竜には『龍』だろ。

 俺は目の前のドラゴン並みの大きさの『水龍』を作り出し、それを思いっきりドラゴン達にぶつけてみた。

 

「あれ、動かせたんだ……」


 そんな事に気付く前には、辺りには視界を遮るものが無くなっていた。


「やはり、素晴らしい力を持ってるのですね」

「それほどでもないですが……」

「それでは、特大の物を用意しましょう」

「えっ?」


 ゼウスは不気味な笑顔を作りながら手を地面に翳した直後、後ろからさっきまでのドラゴンを足しても届かない程の大きさのドラゴンを作り出した。

 そして、何事も無かったようにドラゴンと俺の間から消えて行く。

 もはや神より悪魔ではないだろうか!?


「さぁ、カナタ君、『神の槍』を使ってみて下さい!」

「そんな事言われても……上手く出来るか……」


 何となくドラゴンに向かう光の道筋を頭の中で想像し、それにまた、何となく力を込めてみる。

 すると、どこからやってきたのか、背後から長い槍のような光がシュンッと飛んで来てドラゴンに突き刺さり、そのまま貫通して俺の真横にやって来る。

 何でやり方が分かるかって?『海王の力』の応用だね。


「これは、一体……」

「さすが!私にも使えないというのに……そのまま今出した物に秘力を貯めてみて下さい」


 言われるが侭、その槍のような物に力を貯める。

 すると、その槍はどんどん大きくなり、仕舞いにはバチバチとした光を放ち始めた。


「そのまままた、ぶつけましょう」


 ルートを考え、飛ばして……刹那、ドラゴンの胴らしき部分は消し飛ばされていた。


「え?何が……」


 ドラゴンは蹌踉めきながらその場に倒れる。


「本当に、異世界人なんですね」

「逆に今まで信じてなかったんですか……」

「まぁ、それはともかく。さっきのはその名の通り神業でしたよ」


 よく分からんが、さっきの『神の槍』とは、神話において最高神ゼウスが禁断の秘技として使用するものであって、現在のゼウスにも使えない技らしい。

 つまり、神を超えたってことか?


「まぁ、それでも神には及ばないのですがね」


 そのゼウスの言葉で俺の慢心は取り消された。

 ゼウス曰く、神はそもそもの運動能力や思考速度的な物が人間とは桁違いらしく、その時点で能力があっても人間には追いつけないのだそう。

 やっぱり色々とぶっ飛んでんだよな、この世界。

 ちなみに先程のドラゴン達は皆ゼウスが作り出した、偽りの意思を持つ者達なんだとか。

 そんなこんなで、俺の修行一日目が終わった。

 成果としては『神の槍』の簡単な操作と、精神的な面での強化ですね。

本当にカナタ君はこのままで良いのか……。

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