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俺の為の異世界救出  作者: 優しい鼠
一章 冒険準備
13/25

新たな力とかありえない!

 俺は自身を神話にも言う伝説の異世界人と称した直後、ゼウスは笑い出した。


「分かりました、そんなに死にたいのですね?」

「カナタがやられる筈が無いのじゃ!真剣じゃよ!!」

「えぇ、勿論ですとも!!」


 ずっと胸を張ってる俺とポセイドンを面白そうに見てくるゼウス。

 何がそんなに面白いんですか?

 

「分かりました……私は心を読めた気がします。この世界じゃ私の許可を得ない事は許されないですからね」

「分かってくれましたか?ゼウス様!」

「ええ、貴方はポセイドンの娘さんを救いたくて仕方が無いのでしょう?」

「当たり前ですよ!!」


 てか、『この世界では私の許可が無い事は許されない』だって!?そんなの初耳だよ!!

 でもそうだとしたらサタンとかは……あぁ、ああいう奴らは規格外だって話か。


「それでは、私も手助けをするとしましょう!」

「本当ですか!?感謝します!」

「ほぉ、よく言ったゼウスよ!」


 ポセイドンも滅茶苦茶喜んでるが、この人は多分俺よりもクララさんを救いたい事だろう。

 でも、手助けと言っても何をするんでしょうか?俺的には俺の懐にあるこのナイフをもっと頼りがいのある物に換えてくれたり、サタンの居場所を教えてくれれば一番だが。


「私の加護を与えましょう、取って置きのをね」

「ゼウス!!何を与えるというのじゃ!?儂が与えた能力を超えるものは許さんぞ?」

「そんな事は出来ないでしょう。それに、取って置きと言っても多くの能力は部下に与えてますし」


 成る程、ゼウスは多くの天使に力を与える事が最強たる所以なのかな。

 俺はさっきまでこのゼウスの能力を多少見たし、正直空間を自在に操れるって言う能力も天使達は恩恵を受けてたみたいだし、本当凄い事だよ。

 それで、俺がどう言った加護なのか聞いてみたら。


「雷雲の加護ですよ」


 と言うらしい。

 ゼウスはドヤ顔を俺達にして来た。

 おいおい、さっきまで謙虚にそんな大した能力じゃないですよって感じだったのに。

 多分だが、ポセイドンが……。


「御主!もうちょっと強く出来んのか?」

「……私はカナタ君を試しても見たいので」


 何が試したいだ!?

 そう言えば、この世界に来てからというもの、神達には話に置いてかれる。


「あの、それはどんな能力なんですか?」

「それを答えても、もしカナタ君の力が本当なら意味ないでしょう。早速やってみますよ!」


 確かにそうだな……元々ただ水中での行動が出来るようになるものもあんなんだったし。

 ゼウスはそう言って入って来たドアを開けて、さっきとは違う部屋に出た。

 やっぱり空間を捩じ曲げてるんだな。

 俺達はゼウスに連れられその部屋へと入る。

 その部屋は大きな魔法陣が部屋の床一面に描かれていた。

 とても神聖な雰囲気が漂ってて、今にも浄化されそうだ……これ位じゃ浄化されないがな。


「カナタ君はここの魔法陣の真ん中に立って下さい」


 俺は言われるが侭にして立つ。

 魔法陣の周りではゼウスが何やら魔法陣に力を注ぐように手を着いて何かの呪文を念じてる。

 俺が少し遠くに居たポセイドンにゼウスが何をしてるのか聞いてみたが、『高度過ぎて分からん』と返された。

 ポセイドンの国の技術も高度過ぎると思うが、やはり魔法と科学的な物は似ているようで全く異なるみたいだな……まぁ、この世界の事なんてまだまだ知らない事だらけだけどな。

 俺が何か遠くを見るようにしてたら、ゼウスが『よし!』といって俺の方にやって来た。

 さっきから思ってたのだが、神って見た目の割には御茶目じゃね?


「カナタ君、準備が完了しました。そちらは大丈夫ですか?」

「えぇ、多分ですが……」

「それでは加護の授与を開始します」


 ゼウスはそう言うと、魔法陣から出て、手を構えた。

 そして、『トゥルブレンツ・ゲヴィンネン』と叫ぶと、辺りには灰色のエネルギーが集まり……。

 

 その直後、俺の体からビリビリとした光のような物が出ていた。

 でも全然感覚ないし、体がどうこうと言う事も無い。

 しかし、そんな俺を見て二人の神は口も目も大きく開けたまま呆然としていた。

 えっ?えっ?何が起こったの?


「ゼウス、お前、何をしたんだ?」

「ま、まさか、これは本当なら軽く雷や風を操れる程度なのに……」

「お二人とも、何を話してるんですか〜?もう大丈夫何ですか?」


 俺は遠くから呼びかけるも、二人はじっとしたままだ。

 仕方ないので一人で戻った。


「あの、この力って何なんですか?」


 俺が近くに寄ってやっと正気に戻ったようなゼウス、しかし、何でか疲れてる感じだった。


「そ、そうですね……その力は『神の槍』ですね……雷と風が極限まで強化され、統合したようです。更に言えば、私の力に近いですね……強い方で。ははっ……こんなのやり過ぎですよ……」


 ゼウスは目が死んでる……そんなにやばいのか、この能力。


「試しても良いですか?」


 俺がそう言うと、今度はポセイドンが正気に戻ったように俺に急いで近づいて来る。


「だ、だめじゃ!しっかり調節しないと、世界が壊れるぞ……」

「どんだけなんですか!?」

「確かに世界は言い過ぎかもしれないが、国一つは軽く消せるからな……」

「え……ちょっと、抑えます……」

「カナタ君、特別な防護室を作るから、暫く修行するべきだ。急いでるとこ悪いが」

「そうじゃな、一応あと二ヶ月であるので、問題無いだろう」


 何か、軽く使えない能力であるらしい。

 修行っていうか、慣れる為の練習だろ。

 

 


 ーーーーーーーーーーーーーーー




 その後、俺はゼウスの元に預けられ、ポセイドンは国も元々此処まで送るつもりだったので国に帰る事になった。

 向こうも向こうで戦争なので大変だろうとゼウスに言ったら『ポセイドンは強いから問題無い』と虚ろに言って来た。

 確かに、水中からの兵器で相手はフルボッコだろう。

 しかし、それもサタンの策略なのだとしたら掌で操られている感覚になるけどな。


 俺は『問題無い!カナタの方こそ頑張れよ!』と、色んな意味の含まれた事を叫びながら言い、海に飛び込むポセイドンを見送って、潜水艦に荷物の確認等をする為に向かった。

 あっ、そういえばポセイドンに別れの挨拶をしてなかった事に気付いた。

 まぁ、絶対に合えない訳ではないし問題無いが……もしもの時は……。

 俺は首を振ってそんな考えを打ち消すも、多少残る罪悪感と共に歩き出す。

 周りでは港ならではの役人の人と商人の話し合いなんかも多く見れた。

 駆けっこしてる子どもなんかも居て、いい感じの潮風……何ていうか、俺がとんでもない事に巻き込まれてるのに対し、非常に平和な日常って感じであった。

 俺はそんな風景に和んでいると、何時の間にか潜水艦のある場所へと着いたみたいだ。

 管理していた衛兵さんという方達に挨拶し中の物などをとりに入る。

 しかし、問題はその後であった……。

 俺が『メアガンド・ゼーア』の人達に貰った多くの物資を前にして、何を持って行こうかと思案してると、一つの木箱がもぞもぞと動き出す。

 そして出て来たのがクララさんであった。 

今後はなかなか時間も取れなくなるので、不定期な更新となりそうです。

ご了承下さい。

しかし、週二ぐらいは投稿出来ますのでご安心を……

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