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俺の為の異世界救出  作者: 優しい鼠
プロローグ
1/25

UFOとかありえない!

 ある学者は言葉にする、この世界とはまた別の『パラレルワールド』は存在を。

 狂った信者達は殺し合う、ただ一人の神の存在を分からせるために。

 どいつもこいつも馬鹿だ。

 なぜなら、その世界があろうがなかろうがどうにかなろうが、この世界には何の関係も無く、信じた神にはっきりと救われたとか分かるのか?

 答えは否、断じて否だ。

 勿論、そんな俺の言い分を論破できるやつはいるかもしれない。

 別に絶対に信じない訳ではないが、それを知ったからって何になるというのだ。

 そうやって、俺はいつも物事を合理的に捉えようとして生きて来た。

 ガキらしくないとか親に言われたが、モラハラでは?と返したら静まった。

 元々そういう性格で、小学校とかで書かされる自分の長所にも『冷静なこと』と書いていた。

 だけど、実際はそうではなかった。


 あれは、クリスマス前でリア充の方々がざわつき始めた頃……


 俺はただの中学生、柴崎 彼方として授業へと真っ当に取り組んでいた。

 本当に何事も無い日常。

 友達もいて、好きな子もいた。

 休み時間には少し孤立していたかもしれないが、声も掛けられもしたし、自分から話しかけにいったりしても、普通に会話にも溶け込める。

 本当に何事も無い日常……だったのだが、それは大きく無機質な機械音で掻き消された。

 ウォーーーーン、ウォーーーーン。

 まず、教師達が慌てだす。

 その後に生徒達がナンダナンダとざわつきだす。

 まさか空襲か何かだろうか、だが訓練ではない、そんな空気であった。

 まわりがこんなにもパニック状態になっているというのに、俺はなぜか落ち着いていた。

 それにしても、冷静で有名な日本人がこんなにも慌てるなんて、と考えてると、教室の窓からとんでもないものが見えた。

 巨大なUFO、とでも言っておこうか、さっきまであまり気にしてなかったから分からなかったが、まさにそうなのだ。

 俺が長年否定……ではないが、いらない知識としてと考えていた『あれ』が思いっきり目に焼き付く。

 教師達の「避難しろー!!!」という「どこに?」と突っ込みたくなるセリフを聞き流し、俺は窓の前に立って、ただただ呆然としていた。

 UFOは少しずつ校庭上空へとやってきた。

 校庭では多くの生徒達が逃げ惑っていて、UFOはそれを狙ったかのようにしてレーザービームを放つ。

 どこから出てるのかは分からないが、そんな事はどうでもいい。

 UFOはどんどん人間を撃ち抜く。

 数分後、どうやらUFOはここの人間をほぼ殲滅したようだ。

 宙に浮いたUFOは窓辺の俺に少しずつ近づいてくる。

なにも考えられない、『冷静』とか言ったよな。

 あれは嘘だ、ただ現実から目を背け、ただ他人事のように全てを見て来た。

 俺の人生なんてそれだけだった。

俺はやっと自分の置かれている状況が理解できた。

ハッとなり、その後には思いっ切り尻餅をついてしまっていた。

 UFOは光を集め、少しずつ力を溜めている感じだ。


「……や、やだ、死にたくない!」


 とにかく震える手で後ずさりをする。

 逃げないと、ちゃんと意識できた。

だがその瞬間、高速のレーザーで俺の胸は貫かれた。

 暑くはなかった、むしろちょっと冷たい感じ。

 しかし、既に手も足も感覚がない。

 やっぱり人間とはこうも容易く死ぬものなんだな。

 これで……もう……何の、悔いも……なく……。


 柴崎 彼方の人生は、これにて幕を閉じた……と、思ってたのだが……。




ーーーーーーーーーーーーーーー




 目の前には地平線まで続く黄色いお花畑があった。

 ここはどこだ?やはり、死んだのだろうか?だとすると、ここは死後の世界?

 俺が意味のないようなことを悩んでると


「あっ!おはよう!」


 どこからか、『可憐な少女』のような声が聞こえてくる。

 後ろを向いてみると、そこには白いワンピースを着て、麦わら帽子を被った可憐な少女が立っていた。

 俺の予想は的中したようだ!

 俺がそんな事を考えてると、少女は珍しそうな顔をして俺を覗き込んで来た。

 おっと、無視するのは失礼だな。


「ど、どうも、おはようございます」


 とりあえず言葉を返してみる。

 誰にでもへり下った態度で、それが俺のモットーだ!

 少女はそれを聞いて嬉しそうに笑っている。

 だが、冷静っぽくしてみたものの、今現在俺の脳内は猛パニック状態だ。

 この娘は誰なのだ?幽霊か?でもここはお花畑で、ってあぁ〜もう、意味わからん!


「ここは世界の狭間。そして私は……創造神よ!」


 少女は自慢気に話してくる。

 狭間?創造神?よく分からないが、この娘は可愛いことは確かだ!

 腰の上まである黒髪に、焼けていない白い肌。

 ロリでとっても俺の好みだ。

 え?中学生はロリコンじゃないって?じゃあ、ただの年下好きだ!

 やっぱりこんな状況でも変な事考えられる俺は冷静なのかもしれないな。

 とりあえず俺からも話さなくては。


「俺は柴崎 彼方っていいます。少し俺の状況を教えて頂けますか?」


 こういう時はストレートに聞くのが一番なのだ。

 ちなみに狭間やら神様やらには触れない。

 ちょっとヤバそうだからな……。


「ちょっと!私が神様ってことには驚かないの?」


 なんだ?期待通りのリアクションをしないから俺は怒られたのか?どうやら俺は遊ばれてるみたいだ。

 しかし、怒ってる顔も可愛いとはこういうことか。

 とにかく、今の状況を早く説明して欲しい。

 とりあえず謝っておくか。


「すみません、神様。それで、どうして俺は世界の狭間なんかに呼び出されたのですか?」


 質問責めをしているが、今は自分の状況整理が重要だ。

 ちなみに俺の願いとしては、UFO襲来の時から夢でした〜!って、言ってもらいたい。

 しかし、返ってきた答えはまた俺を悩ませた。


「そうね……あなたは選ばれたのよ、世界に。それで、ここに呼んだ理由ってのは、あなたに世界の救世主になってもらうっていうことね、分かった?」


 ハイ、わかりました……ってなるか!

 なんなんだよ、万年クズ発想しかできなかった俺が世界の救世主だぁ?

 と、とにかく、答えは


「ちょっと言ってる意味がよく分からないのですが……」

「はぁ〜、よく聞きなさいよ?」

「は、はい」


 溜め息混ざりで言って来たのでおとなしく聞く事にしよう。


「それじゃあ、話すわね——」


 神(自称)の言っていたことを簡単にまとめてみた。

 一、俺の世界は何らかの不吉な原因のせいで崩壊した。

 二、その原因は今も他の世界へと影響を及ぼしている。

 三、それは今なら人間の力でも抑えられる。

 四、だから俺がここに呼び出された。


「へぇ?」

「なによ?そんな弱々しい声を出しちゃって」

「いやいや、だから何で俺なんだよ!」


 そう、それが一番の悩みどころなのだ。

 俺よりももっとイケメンで、優しくて、主人公のような奴らならいっぱいいたろうに


「そうね……それは……」

 

 神(自称)は顎に手を当て深く考え込んでいた。

 まさか、たまたま俺だったとか無いですよね?いや、でも逆に運命とか言われても納得できないのですが。


「あなたはね、とっても特別な人間なのよ!生まれた時から!」


 はぁ……やはりこれは夢だったのだ。

 だって俺が生まれた時から特別だったとかありえないので……まぁ、それも認めたくないが。

 あぁ、もうどうにでもなれ!夢なら何が起きてもおかしくないのだ!

 

「そして、あなたは選ばれたの!神様に!」

「ほぉ、なるほど!俺は世界を救う為に選ばれた勇者なのですね!!」

「そうよ!や〜〜っと理解できたのね!?」

「えぇ、要は俺が世界を救いに行けばいいんでしょ!?」

「そうそう!!覚悟はできるかしら?」

「もっちろんですよ!ばっんばん救ってあげましょう!」


 俺がテンション上げたらこんなこんなになるんだ〜って、そんな風に考えてると神(自称)は目をキラキラさせて俺の手を取り。


「そう言ってくれるのを待ってたのよ。じゃあ行きましょう!」

「りょうか……ってどこに?」


 やっと正気に戻った気がした。

 神(自称)は、いつからあったのか……魔法陣らしきものの上に立っていた。


「さぁ、あなたもこの上に来て!」

「えっ?ちょっと待って!?」


 神(自称)はそんなこと聞かずに俺の腕を引っ張り、隣に引き寄せて来た。

 そして、魔法陣は白い光を発していた。

 やばい、規模がとんでもない。

 これは、本当に異世界転生しちまうぞ!?

 神(自称)は口を開きなんか呟いてる。


「ちょっと待って下さい!!あ、あの!?……お願いだからぁ〜〜!!!」


 怖いから思いっきり目を瞑ろう。

 俺の目の前は真っ白に包まれた……気がした。

読んで頂きありがとうございました!

初めての投稿で、若干おかしいですが頑張ります!

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