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メメント・モリ  作者: 製肉&杉野
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赤7話 森の奥の影

しばらく森を進んでいくと蠢く影のような塊があった


「あれは!?」


俺は咄嗟に露姫を庇うような形で立った


そこには見たこともないような大きな異形がいた


だが少し様子がおかしい


「グッ、ウグッ」


その魔物は苦しんでいるような呻き声をあげた

その足元には、男の子が倒れていた

まだ息はあるようだ


(あの子が、女の子のお兄ちゃんか)


魔物はこちらに気付いていないようだった

依然として、魔物は何かに苦しんでいる様子だった


「レオン殿、あの魔物を見てください」

「露さんも気付いたか?なんか様子が変だよな」

「ええ、何故だかわかりませんが、今の内にあの少年を」


露姫が俺に合図を送った

何かあった時の囮になるつもりだ

いやそこは逆だろ!


「いや囮は俺に任せて、あんたはあの子を助けてやってくれ」

「え? でもわたくし....」

「早く、バケモノに気付かれる前に」


そう俺は諭して露姫を少年の元へ急がせた


(女を囮に使うなんてカッコ悪いことできるかよ)


「ウグッ、ウグッ」


少年の元へ露姫が近づく

それでも魔物は俺たちに気づくことはなかった


「嘘だろ…!?」

「どうしたのですか?」


少年を抱き抱えて戻ってきた露姫が聞いてきた

俺はそちらに目を向けた

どうやら少年は気を失っているだけで命に別状はなさそうだ


「ここじゃまずい」


俺はひとまず露姫と少年を魔物より離れた場所に連れて行った


「あの魔物様子が変だったろ」

「はい」

「分裂してたんだよ…!」

「え?」

「だから、分裂してるんだよ!早く仕留めないという大変なことになるかもしれない!とにかく露はその子を一旦村に戻してやってくれ!」

「はっ、はい!」


露は頭にハテナマークを浮かべ、

まだ状況を把握してないまま村に戻った


「まさか分裂するとは、こんな魔物までいるのか」


俺はカリバーンを抜きながらそっと呟いた


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