閃光の戦場
投稿が遅くなり申し訳ありません。ヤバイことに、次の投稿がこのペースより遅くなりそうです。
season13
ヴェルトロの休戦宣言から2週間がたった。ヴェルトロの言ったことは本当だったらしく、警告アラートも鳴らない。レーダーに反応もない。平和だ。広大と悠が復帰してからRA2小隊とRA第4テスト小隊は旧アメリカ合衆国のシカゴ州にあるマグナリーズ基地に配属された。
「射角修正、少し左。」
「OK。撃っていいわね?」
「いけるはずだ。計算が合っていれば。」
広大と悠は訓練場で二人で操作するHGHGの練習をしていた。なぜHGHGの練習をしているかというと、最近になって暴徒の活動が活発になり、警察などでは手が負えないので防衛連合の一部が手を貸すようになった。そのためRAパイロットは歩兵戦を行えるように訓練が義務付けられた。
「カスダメじゃないの。も~。」
悠は頬を膨らました。
「悪かったよ。今度はちゃんとする。」
広大は少し棒読み風に言った。反省は無い。
「今度はちゃんと、、、。」
悠が広大に注意をしようとした瞬間に部外者侵入のアラートが鳴った。訓練所の壁にあるタブレットを見ると侵入者の詳細などが書かれていた。
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部外者侵入 コード:FF2901115g2
人数:多数(計測不可)
平均身長(推定):173.33cm
侵入位置:西門、東部プラットホーム、南部娯楽倉庫
侵入者は武装勢力「リべクター」と推定。武装はAJ-47の模様。至急殲滅を開始せよ。
作戦責任者:瀬那 宗司
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「くっそ、違法武器持ってきてんのかよ。」
「え、AJ-47って違法武器なの?」
悠は銃のことはあまり知らないのでこうなるのも仕方がなかった。広大が丁寧に説明し、武器庫に向かった。
「お前らはどこの所属だ?」
武器庫の前には机が配置され、その後ろに士官が何人かが立っていた。
「RA2小隊の一澤と、、」
「入部です。ACは提示した方がいいですか?」
ACは防衛連合と警察関係の人に最近配布された身分証明書だ。
「その方が助かるよ。身分がわからなかったら困るからね。」
受付の士官は笑いながら言った。2人はACを提出した。
「OKだ。これが今回の使用する銃だ。」
グレッグT-30型を渡された。グレッグはポンプアクション式のショットガンでT-30はほかのシリーズよりも射程が向上しているが、拡散力と威力を犠牲にしている。その銃が今回採用された。
「あの、ドットサイトってつけれますか?」
悠はよくドットサイトを付けていた。だからアイアンサイトはもちろんスコープも苦手だ。
「すまないがそれは許可されていないんだ。作戦書には4倍サイトしかないと書いている。」
「そうですか。少し残念ね。」
悠も銃を受け取り指定された場所に向かった。その場所は東部プラットホームだ。
「お前らはHGHGが使えると聞いている。すまないがそっちに向かってくれ。銃はジャムって使えないやつに渡す。すまないな。」
「着いた瞬間これかよ。」と小声で悪口を言った。運がよく士官に聞かれていなかったようだ。
「了解です。行くわよ、広大。」
「あ、あぁ。」
二人はHGHGの銃座に着き、敵の進行を待った。
「来たぞ!!プラットホーム2番出口、3時の方向の壁がぶち破りやがった。」
その方向に砲身を回す。
「角度修正、たぶん行ける。」
「その言葉、信じるわよ。」
敵が突っ込んできた。報告書の数より圧倒的に多い。いろんなところからマズルフラッシュがする。広大はその方向へ旋回する。射角、方向、全てOKのはずだ。
「撃つよ。」
「いいぜ、反動とオーバーヒートには気を付けろよ。」
「わかってるわよ。」
HGHGの銃口に閃光が走る。眩しい。敵のマズルフラッシュの数は少し減った。
「次、9時の方向からだ。」
壁にラインが刻まれる。ブリーチングチャージで壁を吹き飛ばす気だ。
「壁ごと撃つぞ。」
「OK、射角は?」
「オールグリーン!!」
「いっけぇぇぇぇ!!」
再び銃口に閃光が走る。敵のブリーチングチャージは爆発寸前で壊せた。敵も動揺しているらしく壁を抜いて撃ってきた。
「相手も壁抜きかよ。」
「でも私たちのやることは変わらない。撃つだけよ。」
HGHGのマガジンの交換のアラートが鳴る。広大はマガジンを交換する。
「熱い、まさか銃の熱が弾薬庫に入ったのか?」
「どうしたの!?」
「弾薬庫に熱が入り込んでいる。このままいけばマガジンが爆発してしまうな。」
するとHGHGのタブレットに「熱暴走の可能性有り」の表示とアラートが鳴った。
「冷却システムを試してみる。」
タブレットを操作して冷却を開始させた。冷却の継続時間は10分、最大出力で7分と短いようで長い。
「リロードだ!!」
「奴らを殺せ!!」
「EMPグレネードを投げる!!」
プラットホーム内は銃声と怒鳴るような声が響く。
「これで10分は持つと思う。」
「結構押されてるから、砲身の移動。頼むわよ。」
「了解!」
HGHGを敵の方に向け撃つ。敵は壁を遮蔽物にするが弾が貫通するため、被弾する。それを蘇生させようとする非武装の兵士も撃つ。「戦場ではたとえ敵が武器を持っていなくても殺せ」と教官に教わった。
「あと7分。持ってくれ。」
広大はHGHGの発射の設定をFAから3点バーストに変えた。もしこのままFAで撃ち続ければ引火が早まるからだ。
「敵の地雷男が接近!!」
一人の士官が叫ぶ。地雷男は体にC4爆弾を巻き、爆発物を主に使う特攻専門の兵科だ。
「爆散野郎に向けるぞ。」
「OK。」
HGHGの砲身がボマーズを向く。そして銃口から弾丸が3発単位で発射される。弾はボマーズの頭に当たりC4の爆発を避けることができた。
冷却が予定より早く終了してしまった。
「冷却が早く終わった。」
「え!?うそでしょ!?」
「とりあえずハンドガンで応戦しよう。」
「こういう時に、、、。」
二人はHGHGを遮蔽物にしてハンドガンで戦闘を始めた。
「おい!!どけ!!」
二人は何者かのタックルを食らった。空中に投げ出され地面に叩きつけられる。
「いってぇ、、、。大丈夫か?悠。」
「えぇ、何とかね。」
さっきまで乗っていたHGHGにはRA87小隊らしき人が二人乗っていた。RA87はヤンキーみたいなやつらが集まる小隊でみんなからは『自己中の帝王』と呼ばれていた。
「FA連射、、。爆発の危険があるんじゃないの?早く教えないと」
「やめておけ。あいつらは自分が楽しかったらそれでいいんだ。そんな奴らに教えても理解すらしてもらえない。」
少し皮肉の混じった止め方だった。そしてHGHGのマガジンから火が噴出しHGHGは爆散した。
「眩しいわ。」
HGHGの弾は少し特別な素材を使用しておりその性質で熱と衝撃がいっっしょに来ることで光を放つ。下を見ると足から血が流れていた。
「・・・・え?」
痛みはなく体が熱い。悠が立ち上がりこっちに向かってくる。
「出血してるじゃない!今すぐ看護兵を呼んでくるわ。」
「すまない。少しだけカバーする。」
広大はハンドガンで悠の援護をする。しかし人が多い。
「フラッシュアウト!!」
広大はフラッシュバンを投げた。味方は全員かがみながら銃を撃つ。
「バシュン」という音とともに敵兵士が目を腕で隠す。その間に衛生兵が到着した。
「大丈夫だ。止血帯を持ってきた。私を呼びにきた女性は隊長を探しに行くと言っていたぞ。」
「感謝します。」
衛生兵はなれたような手際で止血帯を足に巻く。
「これで立てるはずだ。そういえばさっき、司令部からB3ゾーンへの撤退を命じられた。早く撤退する方がいいぞ。」
衛星兵の服を見ると二等兵の階級章が付いていた。
「ありがとうございました。」
衛生兵は撤退していった。広大は味方に通信を入れ撤退するように呼びかけた。
「「グレネードアウト!!!」」
プラットホーム内にいる全員がフラッシュやスモークなどありったけのグレネード類を投げた。それを見た敵はラインを下げる。しかし全部が爆発し撤退を開始するときにはラインが戻っていた。
「走れ!!!」
味方全員が一斉に走り出す。敵はいろんなグレネードを食らい撃ってこない。撤退は成功だ。
「各員に通達。敵の目的が判明。abyssシステムの奪取だ、これよりアビスの防衛任務を開始する現段階を持ってこの作戦を『アビス作戦』と呼称する。オーバー。」
「ダサい名前だな」と広大はつぶやきながら集合地点に向かった。
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