雷虎 サンガー
それは突然現れた。見た目は巨大な虎だ。
「まずい。あれはサンガーだ!」
「サンガー?って名前だっさ!?」
「今はそんなこと気にするな!逃げるぞあいつはやばい!」
やばい…か。まぁAランクのキユ、サヨが驚いているのだからそれなりに強いのだろう。
「だけどあれ完璧に俺たちをターゲットにしてるけど逃げれるのか?」
「く、本当はしたく無いが私が囮になる。ロコ、サヨ、ヨルはギルドに戻って報告してくれ!」
「そんな。駄目だよキユ!一緒に逃げよう!」
「今はこれしか無いんだ!ヨル。」
「なら私も残るわキユ!」
「いやサヨはロコとヨルを安全にギルドに連れて行け!」
おっおうなんか修羅場だな。
そんなにあいつは強いのか。
でも少女を囮?は!?ふざけんなよ!そんなの俺の意思が許さないぜ!
「囮は俺がなる!お前らが戻ってギルドに報告しに行け!」
「ロコ!?お前は初めての実戦だろ!ロコより私の方が強い。だからロコもギルドに戻れ!」
「却下する!あと敵がもう待てないようだから急げ!」
「時間が無いわ。ここはロコに任していくしか無いようね」
「ロコー!絶対に生きていてね!すぐ呼んでくるから!」
フラグ建ちましたよ。
「ロコ!死んだら許さないからな!」
フラグのせいで死ぬかも。
・・・いや、待てよ。フラグが建ってるならどのくらい建ててもいいよな。
「任せろ!お前らが来るまで“絶対に”生き残ってやる!」
ふっ決まったぜ!…本当に死ぬかも。
「急ぐぞヨル、サヨ」
よし。取り敢えずあいつらは大丈夫だろう。
さてと、では戦いますか。
『ほう。我を前にして残るとは貴様も愚かだな』
?どっかから声がしてる?
『?なんだ?お前まさか我の声が聞こえてるのか?』
『ああ聞こえているさ』
なんで聞こえるんだよ!おかしいだろ!
あ!おかしく無いわ。俺全ての言語を話せる能力貰ってたわ。
『初めてだ。我の声を聞こえるものなど』
『あっそ。でどうする?俺はお前を倒す気でいるぞ』
『そうだな。我もお前を殺そうと思っていた。だが話を出来るなら別だ。話し相手になってくれ』
あれー?こいつ戦う気0?マジか俺かなり覚悟決めたのに。まぁ死ぬよりかはマシかも
『分かった。だが話してる途中に殺すのは無しな』
『我は誇り高き魔物だ。そんなことはしない』
ならいいや。てかどうしよう。ヨル達は俺が頑張ってるって思ってんだよな。
てかギルドの冒険者来たら不味くね?
『なぁヨル達がギルドに報告に言ったが大丈夫なのか?』
『大丈夫では無い。だが話を出来るものがいるならギリギリまで話しをしたい』
『わかった。付き合うよ』
『我は人間が嫌いだ。初めは魔王様が人間と会った時我らも仲良くしようとしていた。だが人間はその後魔物を酷く扱うようになった』
『へぇー魔王が魔物を攻撃しろと言うのはおかしいから別の理由があるのか?』
『ああ。魔物は力が強く、強制労働させられた。二足歩行する魔物は畑仕事など。四足歩行する魔物は荷車を引かされた。だが魔王様の評判を悪くは出来ないと耐えていた』
『はぁ!?魔王は何も言わなかったのか?』
『魔王様はちゃんと交渉してくれた。だが魔王様の前では善人ぶりそれ以外だと悪人だった。そして魔王様は城に戻ってしまった。我ら魔物はこの領地に置かれた。理由は魔王軍と敵対している軍勢が人族を襲わないようにするためだ。しかし人族はそんなことを知らず我らを狩るようになった』
『そんなことが。でも待てよ?人から聞いたがその軍勢、攻めてきたんだろ?そん時はどうなったんだよ?』
『その時魔物はしっかり軍勢を倒していった。魔王様と一緒にな。だが人族はそれを魔王さまが何かをして、いう事を聞かせてるんだと思ったらしい』
『らしいって…でその軍勢を退けたんだろ?なら感謝されるんじゃね?』
『ああされたさ。魔王様だけがな』
『そんなに酷いのか。でも少なくとも俺と一緒にいたあの三人はとっても良い子なんだ』
『そのようだな。あの三人はお前のことを心配しておったからな』
『そんな子達が他にもいるかもしれないのにお前はまだ人族を殺すのか?』
『例えそんな人族が居たとしても我は殺してしまうだろう』
『そうか。でもあの三人は殺さないでくれ』
『絶対の保証はしないぞ』
『おう』
『ではそろそろ逃げるとする』
『そうか。じゃーな』
『ああ。あ!そうだこれを渡そう。話し相手になってくれたお礼だ』
『これは何だ?見た目はライチだが。あとどっから出した』
『は?お前が名前言ってるでは無いか。ライチの実だ。どこから出したかは秘密だが』
『ふーん』
『そのライチの実は食べると…っともう来たか。ではまた会おう』
『ちょ待て!食べるとどうなるんだよ。…行きやがった』
仕方ない。とりあえず保留かな。
「ロコー大丈夫ー?」
「ああ。なんとかな」
「良かった。生きていた」
「心配したんぞ!ロコ!」
「ごめんごめんサヨ、キユ」
「!?ドラゴンが喋っているだと!?」
あ…冒険者達のこと忘れてた。このまま狩られてしまったらどうしよう。
コメントや友達から間隔が無いから読みにくいと言われたので今回から気をつけていきたいと思います。他にもこうしたらいいなどのコメントなどありましたら教えて下さい。