初のモンスター討伐
「ここがギルドだよロコ」
そこはとにかくデカイ建物だった。例えるならお城だな。
「なぁなんでこんなに大きいんだ?」
「それはねこのギルドの上は宿屋になってるからなの」
「へぇー随分といい設計だな」
これなら何かあってもすぐ駆けつけれるから便利だろうな
「だけど宿泊費が高くてね。3泊で金貨1枚かかるんだよ」
全然便利じゃねえじゃん。確かヨル達の住んでる家の近くにある宿屋は3泊で銀貨6枚だったはず。おかしすぎだろ!
「なんでそんなに高いんだよ」
「えっとねギルドには食堂があってこの隣にはお風呂屋があるの。で泊まったら3日間風呂は1日1回ご飯は1日3回までは無料なんだよ」
だとしてもおかしいだろ。
お風呂屋の値段も食堂代も知らないが。
少なくとも俺なら少しでも遠くの宿屋に泊まってお風呂屋とか食堂使うね。
「おーいロコ、ヨル早くしろ〜」
「あ!待ってよキユ、サヨ」
「お前らは待つという考えは無いのか」
「話をして止まったのはそっちだろ」
「はい。ごめんなさい」
やべぇ正論過ぎてなんも言えねぇ!
「ふふ。では入りましょうか」
さてこの扉の先は俺の冒険の始まりだ。気を引き締めて行くか。
「じゃまずはロコの登録からだな」
「そういえば俺って喋っていいの?」
「駄目に決まってるでだろ」
「ロコは静かにしてないと駄目。おかしく思われちゃうからね」
うう。なんか悲しいな。そうだ小声で話してみよう。
「なぁヨル。そもそも動物って登録して良いのか?」
「えっとね。動物が主人の言うことをちゃんと聞いているなら登録可能なの」
「ならおれは大丈夫そうだ」
「すいません。このドラゴンのギルド登録をお願いしたいのですが」
「はい。ではまず主人の言うことをきちんと聞くのか調べますので何かしてくれますか?」
「そうだな。おいロコなんかやれ」
大雑把過ぎだろ。そんなんじゃ言うこと聞いてるかわかんねぇーよ
「キユ。流石にそれはひどいわ。そうね。なら翼を広げて3回翼をばたつかせて。」
了解!翼広げてー3回振ればいいんだな。123っと
「ちゃんと言うことは聞くみたいですね。では次にこの水晶で出来た板に足を」
はいはい。よっこらせ。
おぉ!なんかスキャンされてる!横にモニター?見たいな物が置いてあってその画面の数値が上がってる。
・・・よし。100%になった。
「えっと出ましたね。…え?」
「どうかされましたか?」
なになに?ステなんか変なのか?と思って見てみました。
すると『ステータス』Lv1 HP60(60)/1000 攻撃力30/1000 防御力40/1000 魔力0/1000 スタミナ60/1000 学力10/1000+120『耐性』無し と出てた。
いや待てや!耐性無しっておかしいだろ!
ステはLv1にしてはいい感じ?だけど。
てか学力にある+120は何だ?
多分、前の知識分だと思うが
「えっと…壊れてしまいましたかね?この水晶」
「ねぇキユ見えないから見して」
「あっああ。ごめんサヨ。だけどこれはヤバい」
「えっと…なになに。えっ!?」
いや何で俺の方見てくるんだよ。
まぁ分かるよ?俺が強すぎるんだろ?Lv1の癖にステがたかいんだろ?
うん。俺でも流石にビックリするわ。
「あのすみませんがもう一度お願いします」
よっこらせまたスキャン始まった。
そして同じステが出たのは言うまでも無い。
「いくらドラゴンと言えこのステータスは。それに学力10なのに言うことを聞くなんて」
まぁ俺は転生者だからな。日本ではかなり頭良かったし。
それよりも+の方は見えてないのか?
「ねぇロコの登録はどうなったの?」
あ!そういえばヨルはこのステ見てないな。
「あっはい。ちょっとギルドマスターに相談します」
「話は聞いた」
へぇーこの人がギルドマスターか。めっちゃイカつい!
「知能は低いが主人の言うことは聞いているので登録を認めよう」
よっしゃ〜来た〜!
「しかしこのドラゴンは普通のとはちと違うな。普通なら学力は幼体でも人間よりも上回るはずじゃが。あとドラゴン全般は魔法耐性と自身の属性の耐性があるはずなのじゃが」
まじか。ステは高いが属性ダメージとか喰らったら終わりかも。気をつけよう。
「ではこれを首に」
なんだ?首輪見たいなのを付けられた。
まぁ動物はギルドカードが持てないから首輪で出来るようにしてるんだろうな。
「これで登録完了じゃ。頑張ってくれ。まぁ聞こえて無いだろうがな」
聞こえてます。それはとてもバッチリと。
「よっよしならクエストを受けてみるか。」
「そっそうね」
「どうしたの?キユ、サヨ」
「なんでも無いぞ」
「あ!これとかいいんじゃない?」
「ん?ネヨロラビットか。よしこれにするか」
待ってました!ラビットだから兎だろうな。
どれくらい強いか知らないが。倒してやるぜ!
「ここまで来れば大丈夫だろうロコ。話していいぞ。」
「やっとかー。でネヨロラビットって何?」
「難易度Dの中でちょっと弱い大型系の魔物だ。」
「おお!大型系か!」
「ここら辺なんだけど…あ!いた」
「あれなのか?」
兎?どっちかというと熊だろ。
兎の所耳しかねぇーわ。
「うーん。あれなら大丈夫だろう。ヨルとロコで狩って来い」
「分かった」「了解!」
まぁとりま奇襲してみますか。
急降下を利用してっと喰らえ噛み付く!
『ギュールル』
うげぇーマズイこいつの肉不味すぎ。肉屋にあったが買わないようにしよ。
「えいっ!」
『ギュール』
おっと敵と認識したな。
来いよ。うーん吠えるか
『ギュール!』
あ!やっべドラゴンってどう吠えるか悩んで吠えたらラビットと同じ鳴き声してしまった。
うわぁーなんかラビット見てくるー。
何故か敵意が上がってるし、まさか怒らせた?って突進してきやがった。
ま、回避可能だからいいか。
あ!後ろ壁なの忘れてた。
飛ぶか。上に回避!
あ!そういえば突進したからこのままじゃ…ってもうぶつかったか。
「大丈夫?ロコ」
「ああ。トドメどっちがする?」
「ロコでいいよ!」
「なら遠慮無く」
まぁ噛み付くだけだけどな!
「大丈夫か2人とも」
「うん。大丈夫だよキユ」
「俺も無事だ」
「良かったー」
どうやらすごく心配されたらしい。
「じゃ狩ったことだしギルドに戻るか」
そのとき俺たちは油断していてとある魔物の気配に気付かなかった。
モンスター討伐とか言いつつ最後の二割くらいで申し訳ございません。次回も戦闘回になる予定ですので楽しみにしていただければ光栄です。