マーブル色の俺
好きだと気がついたのは呆気ないぐらいの一瞬。
隣にはいつも無色透明と有色人外が居た。
きっといつかどっちかを好きになる……そう思っていた。
「相変わらずね」
ヘッドロックを喰らわされて唸っている時に前の席の奴がそう言って苦笑いした。
無色透明でも有色人外でもない。
でも透き通っていて鮮やかに色づいている。
あーっと思った時には惚れてた。
ぐるぐる回る世界。
世界はマーブル色。
空気が殺気立ち、色が包み込む。
そんな隣のあいつらをよそに、前の席の「隣」が動いた。
俺から視線をはずす。
苦笑じゃない笑みを浮かべて。
俺のものじゃない。
俺のものじゃない──彼女──
……ダチの彼女。
惚れちゃいけない。
想ってはいけない。
気づかれてはいけない。
「お、おー!」
わけのわかんねー台詞で誤魔化して視線をそらせた。
隣にいるのは無色透明、有色人外。
真ん中はマーブル色の俺。
……でもこの気持ちはとめられない。