プロローグ
私は人見知りだった。
今でもそれは変わらない。
初めて喋る人はどんな人なのか、どんな事を言われたら嫌なのか、知らずに傷付けてしまうのではないか、私とは話したくないのではないか、もしかしたら私は嫌われているのではないか…。
いつしかそんな風に思うようになって、私は人から距離を置いた。
勝手な被害妄想だとは分かっている。
でも、どうしてもそう思ってしまうのだ。
そう思わずにはいられないのだ。
私が6歳の春、小学校に入学した。
新しい場所、新しいランドセル、新しい机に椅子。そして、新しい出会い。
子供ながらわくわくした。
友達いっぱい作れるかなって思ってドキドキした。
自分から話し掛けるのはとても恥ずかしかったけど、勇気を出した。
頑張って、頑張って、頑張って…。
友達がいっぱいできた。
皆と話すのはすごく楽しかった。
でも、時が経ってクラスが替わる時に私は皆と距離を置くようになった。
友達の一人が私の事を嫌っているから。
これは勝手な被害妄想かもしれないけれど、避けられていたのは確かだった。
聞こうって思ったけど、怖くてそんな勇気なかった。
最初はあんなに勇気があったのにね。
だから、私は自分から離れた。
その晩はすごく泣いた。
親にはバレないように布団に入って寝たフリをして泣いた。
枕は涙でびしょびしょになった。
それでも気にせず泣く。
気が付いたら、疲れて眠っていた。
次の日にはいつもの自分になりますように。