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試練
「かはっ…」
「雷田君!」
「くたばんなよ悠介。お前にはまだ」
キィィィィィン…
「誰がッ…くたばるかよ…親父ィ!!」
「親父、って…」
「そいつっ、お前の親父かよ!?」
「儂から全て話そう。」
「校長先生!!」
いきなり現れた田沼は、
まるでそこに自分がいるのが当たり前。
そう言っているような佇まいだった。
「…試練だったんじゃよ。」
「試練?」
「奴はのぉ、死しても尚、
自らの子の事を心配しよった。
そこで儂は、提案した。
試してみてはどうか。
鍛えてみてはどうか。とな。」
「ちょっと待て。
死んでんだろ?悠介の親父。」
「どうやって会話したんですか?」
「刀じゃよ。あの刀はの、
奴の魔龍石で鋳られた刀じゃ。
もっともその魔龍石も、
奴の唱能力の結晶じゃがな。」




